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あれこれ

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あれこれ考えたこと
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師匠との付き合い方

師匠との付き合い方

ほんの若いころ、俺にも師匠という存在がいた。
アダルトのビジネスでのことで、まあ仕事のノウハウを持っていて、それを学ぶために弟子になったはずだった。

しかし「師匠」は本当に無能で(笑)教えてくれるノウハウは薄っぺらかった。何を教えてもらっても奥行きがない。
わざと薄い情報を渡されて、俺は試されているのかと思ったほどだ。まるでベスト・キッドのラルフ・マッチオのように。
しかし、本当に何も持っていな

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過去を拒む人たちと、未来の約束をする

過去を拒む人たちと、未来の約束をする

夜の仕事の女性たちと、多くの時間を過ごす仕事をしてきた。日が暮れる頃から早朝まで、女性性を濃縮したような人たちと。
正直なところ、夜の女性たちは決して論理的な思考の持ち主ではない。不特定多数の男の前で服を脱ぐ仕事に論理など要らない。頭のネジが数本外れていて、計画性が全くなく、おまけに想像力も乏しい。深いことを考えずその場の気分で行動する人たちがやる金もうけが風俗嬢なのだ。

しかし勘違いされないよ

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あなたから教わるとは、自分と向き合うということ

あなたから教わるとは、自分と向き合うということ

最近、コロナ禍になってから久しぶりに居酒屋に行った。

友人であるフランス料理店のオーナーシェフと、ちょっとした親睦会で知人数人で飲もうということになった。
会場は最近オープンしたちょっと小洒落た居酒屋というか小料理屋というか。知人の女性が店主だったので俺が予約をした。

親睦会の当日、店はそこそこ混んでいた。コロナ禍でこれだけ客が入っているのはなかなかいいねという話をしながら、生ビールを飲んでお

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伝わらないことでも伝わっていく

伝わらないことでも伝わっていく

とても生きづらそうな後輩がいる。
20代はじめの女性。
名の知れた名門私立高校を卒業し、誰もが優秀だと認める某国立大に進学したという。
ここ数年一緒に仕事をしているが、とにかく有能な女性だ。

コーヒーを飲みながら雑談をしているとき、彼女は「生きづらいんですよね」とこぼした。
俺はどう生きづらいのか質問するのだが、彼女からはっきりした答えはない。何か答えはあるはずなのに、言うのを控えているように見

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男とは加害者である。

男とは加害者である。

男性とは、加害者である。

それはその人が何をしたというレベルの話ではなく、もっと数千年に及ぶ歴史の上に立つ、男性という存在の根源的な意味で。

例えば人間が人を殴らなくなったのは、この日本でもほんの30年のことだろう。今の50歳代以上は、日常的に暴力行為を目撃していたと思う。
些細な喧嘩で他人を殴る男、子供を好き放題殴る教師、指導と称して選手を殴る部活顧問、言葉が不自由なのか殴らないと部下に仕事

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他人と自分の許し方

他人と自分の許し方

長い夢を見た。
23時にベッドに入り、寝転んで本を読んでいたがいつのまにか寝てしまった。
暖房をつけっぱなしで、ベッドわきの読書灯も消していなかったらしい。

古いビジネスホテルのような生ぬるい空気の部屋で、俺は寝苦しさを感じながら長い夢を見ていた。

夢に出てきたのは、何年も前に別れた古い恋人だった。
別れる時に遺恨を残した関係だった。

恋人は20歳以上も年が離れていたけれど、頭が良く、天真爛

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モテとは信仰である

モテとは信仰である

Twitterなどでよく見かけるのは、「人間なんて信用できない!」「謝っても許さない!」という言葉だ。人間なんて人間なんてと随分と幼稚な悲鳴をあげている。

いつまでも何を言っているんだと、俺は白目を剝いてしまう。

何を当たり前のことを吠えているのだと。いつまでそこにいるつもりなのだと。
人間なんて信用できるものではないし、謝ろうが許したくない人間などごまんといるものだ。
当たり前の話だ。

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例え話をしてはいけない時

例え話をしてはいけない時

「たとえ話」をよく理解できない人は世の中に想像以上に多い。

相手がよく分かるようにと思って例え話をするのだが、その例え話が理解できないので話が違う方向に飛んで行ってしまう。

「たとえばね・・・」から始まる文章は、受け手にとっては有難いと思って耳を傾けるものだと俺は思っていた。理解が難しいことを身近な事象に「例えて」、理解のきっかけを作ってくれるのだから。
俺は例え話を聞くのは大好きだし、その例

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あなたの子供はギフテッドではない(2016年)

あなたの子供はギフテッドではない(2016年)

※2023.11に加筆修正

ギフテッドとは?「ギフテッド」という言葉を知ってるだろうか。

Googleで検索をすると、こんな意味として出てくる。

「先天的に平均よりも顕著に高い能力を持っている人のこと、またその能力を指す。 その人物における高能力の傾向は誕生時から生涯にかけて見られる。 外部に対する世間的な成功を収めることではなく、内的な学び方の素質・生まれつきの学習能力を持つことを指す」

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汎用性のある「優秀さ」など存在しない

汎用性のある「優秀さ」など存在しない

会社員としてあまり優秀とは言えない人たちが、こう言うのを聞くことがある。

「この会社の中で実力をつけても、他所に行ったら通用しないんです。」

「ここで優秀でも、他所に行ったら優秀じゃありません。」

「会社の人たちは井の中の蛙です。みんな他所では通用しません。」

つまり、絶対的な「優秀さ」や「実力」というものが存在するのだとでも思っているのだろう。

俺から見れば、UFO研究家よりもメルヘン

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リア充とプア充

リア充とプア充

ここ数年、特に高齢者世代のタレントを中心に、「友達は要らない論」を唱える人を見かける。

その内容を詳しく聞くと、まあ正論と言えば正論というか、表面的な友達は自分の人生の時間とお金の自由を奪うとかそういう話をしている。

そしてその論はたいてい批判を浴びる。金も信用もあって社会で金もうけをしてきた人間が言うことかよと、怒る人がたくさんいる。

俺からしてもそれは正論ではあるけれど、一般論にするのは

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「奥さん」と呼んではいけない

「奥さん」と呼んではいけない

他人の配偶者について、なんという呼び方をしていますか?

ある女性の配偶者について、一昔前なら「ご主人」「旦那様」などと言ったものです。

しかし「ご主人」という言い方には主従関係を想起させるし、「旦那」というのはあまり品のいい言葉ではありません。

そもそも旦那という言葉はサンスクリット語で「ダーナ」であり、僧侶の金銭面での面倒を見る人という意味。つまりパトロンのことです。配偶者を旦那と呼ぶのは

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