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笑うな、全力で怒れ【映画「ずっと独身でいるつもり?」】

iPhoneを掴んだ指先が力みすぎて白くなってる。
今でも心臓がバクバク言ってて自分でもビックリしています。

「ずっと独身でいるつもり?」を観ました。

結婚に捉われず自分の生き方を模索する女子を鼓舞する書籍で一世を風靡するも、10年経ち、独りは寂しいと感じる、本田まみ。
結婚を考えていた恋人との別れから立ち直れずTwitterで毒を吐いていいねを稼ぐ、由紀乃。
インスタで丁寧な暮らしを発信し、絶大な人気を誇るも、実際はなんちゃってイクメンの旦那に不満を持つ、彩佳。
パパ活やギャラ飲みで生計を立てるも、年齢から上手くうまくいかなくなってきた、と感じる美穂。
4人の女性達がそれぞれの生きづらさと闘いながら、自分の幸せを追求していく物語です。


誰とでもいいから、結婚すれば孤独じゃなくなる?
孤独になるのが怖いから、求めてもらえるようにいつも笑ってれば、ハッピーエンドは訪れる?
今ある平穏を壊さないように、本音を言わないのが幸せ?
みたいな問いかけが終始聞こえて来るようでした。

寂しいのは怖い。
でも、寂しさを埋めるために、違和感を感じても、自分らしくいられなくても、笑って、笑って、笑って、笑ってれば、一緒にいてくれる人はいる。
でも、寂しさって、誰かと一緒にいることで解消されるものなのでしょうか。
寂しさって、誰かと一緒にいても、無くならないものなんじゃないかって、思います、というか、この映画も、そのように描いています。
世界で一番大好きな人と、温かいベッドに一緒にくるまっていても、
世界で一番大好きな人に抱かれているその瞬間であっても、
寂しくて、悲しくて、どうしようもなくなることはあります。
あるいは、激しく求められている時は満足できても、終わった瞬間に寂しくなる、とか。
多分、答えは、他人が持っているものではないんだと思います。
答えは私の中にあって、私だけが私を寂しくさせないことが出来るんじゃないかって、思います。
でも、その方法ってなんなのか、私にもわかりません。
よく、自分を愛すること、とか、言うじゃないですか。(私もよく言いますが)
でも、自分を愛せる日もあれば、愛せない日だってある。
孤独は容赦なく隙を見て襲いかかってきて、何度もやっぱり私はダメなんだ、って挫折させる、の繰り返しのような気がします。

この映画を見て、そして私が今まで孤独と戦ってきて、思うことです。
孤独には勝てない。
そう思います、敗北宣言というか、もう、そういうものなんだと思います。孤独には、勝てないもので、孤独を感じる日もあれば、感じない日もある、そういうものなんじゃないかって、受け入れることが、今の私に出来る精一杯なんじゃないかと。
一番孤独を加速させる方法は、誰でもいいから一緒にいてもらうために、自分を消費すること。
自分を愛していないのに、一緒にいてくれるから、一時的に愛してくれる(肉体的に…みたいな…心からではない意味でです)からという理由で、他人を自分のそばに置き、その人が離れていかないように、その人の欲求を叶え、その人に尽くし、その人のために自分を殺すことだと思います。
私は世界で一番大好きだった旦那さんが不倫していた時、旦那さんの喜ぶこと、家に帰ってきたいと思ってもらえるようなことばかり考えて、私の生活や選択はそれが中心になっていました。
帰ってこないことも、帰ってきても嘘の笑顔と嘘の会話だということも、全部分かっていて、そして、帰ってこないことよりその嘘の空間こそが私の孤独を加速させることも分かっていて、ずっと繰り返していました。
自分で自分を一番苦しめていた、もうこんなことやめたいって声を聞いてあげられなかった、ずっと自分を無視してた。
でも、ある日爆発しました。
もう無理、もう限界、全部終わりにしたいって思いました。
だから部屋中の、幸せな結婚生活を夢見て買ったもの、飾ったもの、旦那さんの好きなもので埋め尽くされた冷蔵庫の中身も捨てました。

怒りを外に出すのは、苦手でした。
怒ったり泣いたり、自分の本当の感情に向き合うのをなるべくずっと避けて生きてきました。
人生短いし、毎日笑って生きていきたいって思ってたから、苦しんだり悲しんだりするのは無駄すぎる、時間もったいないって思ってました。
ヒステリックって言われるのがいやだったし、取り乱したりする人はダサい、何事も、本当の感情を表に出さずにやり過ごせる人がかっこいい大人なんだって思っていました。
全部違った。
今は全部、私はそうは思わない。
自分の苦しみや孤独にちゃんと向き合って、ちゃんと泣いて、ちゃんと怒って、ちゃんと周りに助けを求めることこそ、大切なんだって思います。
そういう人の方が、かっこいいよ。
そして、そういう人は、ちゃんと生きてるよ、私は尊敬する。

そういう人でも、孤独に負けちゃう日はあると思う、どんな人にも、孤独は訪れる。
でも、ちゃんと自分の気持ちに誠実に生きていたら、向き合おうと努力していたら、他人に解決の糸口を探して苦しんで自分を殺していくのと、違う苦しみだと思う。
その苦しみは自分を殺すものなんじゃなくて、自分を成長させるものだって、気づけると思う。
誰かに気に入ってもらうためにもう笑わなくていい。
その笑顔より、自分の怒りとちゃんと向き合って、それを外に出すことの方がよっぽど価値がある。
それはもちろん、誰かを抑圧したり、傷つけるための手段としての怒りではなく、自分の感情とちゃんと向き合うための怒り。
嘘ついて笑うより、本気で怒ろう。

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