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炎裂き、風を断ち、その先へ②

選ぶのは2人、選ばないのが8人


前回の記事で「アルバイト10人でスタートしてもおよそ1年後には2人ほどになる」という話を書きました。

これは実際に“そう”なのでそのまんま記事として取り上げました。

アルバイトを開始しておよそ1年ぐらいで任期満了に伴い終了するタイミングで全員と面談をして『残るか否か?』を問いかけるのです。

そうするとだいたい8人くらいは「いや、いいです、このまま辞めて別の道を選びます」と言っていなくなります。

アルバイトなりに一年間、傍でゲーム制作のプロの現場や闘い方を目の当たりにして「やはり自分には出来そうにない・もっと気楽にゲームは遊ぶ側として接していたい」と思われるようです。

それはそれで仕方がないことだと思いますし、生半可な覚悟で「え、やります」と言われて少し経ってから「やっぱり辞めます」と言われてもこっちも迷惑ですからね。

「やってみて初めてわかること」というのは、それがアルバイトであっても感じ取れるはずです。

知ることによって学ぶ、というのは何事も基本ですし。

やってみて更にその先のヴィジョンがより明確に見えるようになったということだと思います。

その時点で己を知り、理解したうえで別の道を行くというのはある意味で賢明な判断なのかもしれませんね。

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いまだにアイデア一つで何十億円と思われている

先日の記事や(記事内にある元となったツイート含めて)その内容を読んだ人から色んな意見が寄せられたのですが、大きくは二通りの意見というかほとんどの人はこんな感じの意見が多かったです。

「せっかくのチャンスなのに勿体ないなぁ、絶対やるべきでしょ」

これは、ねぇ、正直こういった意見が出ても仕方がないかな、と私は(いつも)思っています。

だって、やったことが無いんだから。(多くの人たちは)

傍目にはゲーム業界で働くこと自体が「アイデアひとつで何十億円も稼げる夢のある職業」といまだに思われているフシはありますからね。

こういった誤解のようなものはある種「仕方がない」と諦めてしまっているところも否めませんね。

ある意味で芸人さんやアイドルなどの仕事が簡単にまるで遊んで稼いでるように華やかな世界だけに見えてしまっているのと同じ感覚かもしれません。

決してそんなわけないのにね。

華やかな側面の裏側には、常軌を逸した百億万の血の滲む努力と呪いのような執念と人生や家族のすべてをベヘリットに丸ごと捧げる狂った覚悟が不可欠で、それでもまだ「いけるかどうかわからない五分の賭け」という現実を誰も知りませんからね。

片足を突っ込んだ人間にだけ、その沼の深さを知ることができるのです。

けどまぁ、こればっかりは知りようが無いので仕方がないです。

先ほども申し上げました通り、知らない人には理解のしようがありませんからね、なので大丈夫、慣れていますよ。

別にいいです、ただ、どちらかというともう一つの意見のほうが私は気になるんですよね。

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外野がごちゃごちゃ言ってんじゃないよ

実はこの手の話をすると必ずと言っていいほど飛び出してくる(もう一方側の)トンチキな意見もあるのです。

「むしろ選ばなくて良かったよ、選ばないことこそ勇気だよ!」

ニュアンスはともかくだいたいこういった意見も一部で必ずと言っていいほど出てくるのです。

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