週刊少年松山洋_タイトル_修正

ゲームタイトル(商品名)の決め方

ゲームソフトのタイトルを決定する時には商標登録というものを行います。

これは他に類似した商品とお客様を混同させないために行う、という側面とその類似タイトルを先に商標登録されている別のメーカーから訴えられないようにするためという側面があります。

では我々ゲームクリエイターが企画を立案する時にはどれくらいそれを意識してタイトルをつけているか?というと、ほとんど意識していません。

まずは中身。企画の内容が第一なのでそこを一番に考えて。その内容に見合ったタイトルを企画者がノリでつけることが多いです。

企画の内容が具体的に決まって前に進めることがだいたい濃厚になった時点で改めて“コレ、商標取れるんだっけ?”みたいな形で簡易調査をかけます。

その後、メーカーと相談して詳細な調査を行った上で決定後に商標登録、という流れです。

改めて振り返ってみると、我々が企画立案した時から最終的な商標登録までにストレートで行ったタイトルがひとつもないということに気づきました。

せっかくなので今回は今までにサイバーコネクトツーが手掛けたタイトルの始まりから決定までを思い出しながら紹介していこうと思います。

『テイルコンチェルト』『サイレントボマー』『.hack』『Solatorobo それからCODAへ』『アスラズラース』などのオリジナルタイトルを順番に紹介します。

ゲームタイトル(商品名)の決め方

『テイルコンチェルト』
企画立案時は『リトルテイル』。“小さいしっぽ”と“ほんの小さな物語”のふたつの意味を掛け合わせていたのですが。当時のバンダイの役員の方から“過去に『リトル』とついた商品でヒットしたことが無いから駄目だ!変更しろ”って言われて速攻でボツになりました。結局、“テイル”だけ残して音楽用語の“コンチェルト(協奏曲)”と組み合わせて『テイルコンチェルト』になりました。

『サイレントボマー』
企画立案時は『ボンバー・エクスプローラー』。もうこれはヒドイ。もちろん当時のバンダイのプロデューサーから即座に“ダサいから変更して!”って言われました。完全にウチが悪いですね。猛省しました。それから、主人公の寡黙なイメージから“サイレント”。そして爆弾者=“ボマー”を組み合わせて『サイレントボマー』になりました。

『.hack』
企画立案時は『トレジャーハッカー』。これも当時のバンダイのプロデューサー内山大輔から“ダサい。死ね。ありえない、やり直し!誰も見たことも聞いたことも無いインパクトのあるやつ!出して!”って言われて、社内で100個くらいアイデア出しました。その中から生まれたのが『.hack(ドットハック)』というタイトルでした。ただ、いまだに皆さんなかなか『.hack(ドットハック)』と読んでくれなくて『ハック』って言われちゃうのが困りモノです。

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