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2018年11月の記事一覧

君と乾杯

君と乾杯

君の好きな酒で乾杯しよう。せっかくだから。

寿司屋じゃちょっと、落ち着かないね。やっぱり居酒屋がいいかな。

魚がおいしいお店、どうかな。焼き鳥なんかもいいかもね。寒いときなら、おでんもあるね。

おいしいものつまみながら、はなしをしよう。

君のカサブタと、僕のカサブタ。見せあったなら、酒もすすむだろ。
そんでベロベロになっても、次の店にいこう。

僕の好きな酒で乾杯しよう。せっかくだから。

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夕焼けのカクテル

夕焼けのカクテル

夕焼けのカクテル 作ってくれよ

俺はそれを飲み干して 空へ溶けるから

夕焼けのカクテル 作ってくれよ

菫の心を彩った 海の向こうの誰かのように

枯れた空気 冷えた耳 心の奥で切れる粘膜

夕焼けのカクテル 作ってくれ

俺は空を飲み干して それに溶けるから。

帰路

帰路

そして踏切が開いた。もはや向こうへ行ってしまった電車を横切るようにして、車はゆっくりと加速していく。
山から流れてくる暗闇。どこか抗うようなヘッドライトと、共に流れていく。
田んぼ。青信号。気持ち。霞。
お墓。赤信号。疲れ。未来。
まだ、終わりかけの1日。