ぴのこ

ぴのこのnoteです。これまでの人生の整理。

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記事一覧

いつか、お嫁に行く日

幼い頃の思い出は、悲しく彩られたものばかりではない。 わたしは第一子として生まれた。 弟や妹よりもはるかに多くのアルバムが残されていて、生まれたばかりの頃の1冊…

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3年前
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いじわるな子

わたしにはひとつ年下の弟と、4歳下の妹がいる。 弟は生まれつき体が弱く、当時は「寝たきりの子どもになる」と医者から言われたらしい。ミルクを飲んでは吐き、泣いては…

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3年前
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原風景

物心ついた時の鮮明な記憶がある。心の奥の引き出しにしまって鍵をかけた記憶。 黄緑色の絨毯の上で、つけっぱなしのテレビになんとなく目をやりながら、佇むわたし。横で…

ぴのこ
3年前
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こわれた精神とわたし①

もうかれこれ20年、精神を患っている。現在の診断名は不安障害と、複雑性PTSD、パニック障害。かなりベテランの域に入った精神疾患者である。ボーダー(境界性人格障害)と診…

ぴのこ
3年前
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なぜ教員になったのか

幼い頃から、幼稚園に通えば幼稚園の先生に憧れ、小学校では、小学校の先生になりたいと真似事をする子どもだった。漠然と人の前に立つ仕事に憧れていただけだけど。 小5…

ぴのこ
3年前
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はじめまして、ぴのこです

ぴのこ
3年前
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いつか、お嫁に行く日

いつか、お嫁に行く日

幼い頃の思い出は、悲しく彩られたものばかりではない。

わたしは第一子として生まれた。

弟や妹よりもはるかに多くのアルバムが残されていて、生まれたばかりの頃の1冊目のアルバムには、それはそれはたくさん、両親からのメッセージが残されている。

「パパからのメッセージ」の欄に、父はこう綴っている。

「ぴのこ、生まれてきてくれてありがとう。今からおまえが、いつかお嫁さんに行くことになって『お父さん、

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いじわるな子

いじわるな子

わたしにはひとつ年下の弟と、4歳下の妹がいる。

弟は生まれつき体が弱く、当時は「寝たきりの子どもになる」と医者から言われたらしい。ミルクを飲んでは吐き、泣いてはひきつけを起こした。ちなみに今は痛風を抱えた、お腹の出たおじさんである。

弟が生まれた時にまだオムツをしていたわたしは、弟の存在を受け入れられなかった。よく父親の膝の上を弟と取り合いしたことを覚えている。そういう時は必ず言われた。「お姉

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原風景

原風景

物心ついた時の鮮明な記憶がある。心の奥の引き出しにしまって鍵をかけた記憶。

黄緑色の絨毯の上で、つけっぱなしのテレビになんとなく目をやりながら、佇むわたし。横ではソファに座った母がわたしに向かって叫んでいる。母の膝の上にはふにゃふにゃの赤ちゃんの弟(ひとつ年下)。母の顔は恐ろしく歪んでいる。その内容はよくわからなくて、わたしはただ怒り狂う母の前でどうすれば、母を笑顔にできるかと考えていた。

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こわれた精神とわたし①

こわれた精神とわたし①

もうかれこれ20年、精神を患っている。現在の診断名は不安障害と、複雑性PTSD、パニック障害。かなりベテランの域に入った精神疾患者である。ボーダー(境界性人格障害)と診断されたこともあるが、もう病名はどうでもよくなった。

初めて精神の苦しさから逃れたい、このまま死んでしまいたいと願ったのは、小学4年の時。校舎の3階に教室があり、吹き抜けの廊下から地面が見えた。人目を盗んで、手すりに足をかけて、何

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なぜ教員になったのか

なぜ教員になったのか

幼い頃から、幼稚園に通えば幼稚園の先生に憧れ、小学校では、小学校の先生になりたいと真似事をする子どもだった。漠然と人の前に立つ仕事に憧れていただけだけど。

小5の頃だったと思う。担任の先生に突然、母が呼ばれた。「ぴのこさんは将来、教職につけばいいと思う。そのために、教育大附属の中学校を受験しないか?」というものだった。母は喜び、わたしは予想もしなかった中学受験の戦争に駆り立てられた。

今だから

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