📝退職エントリと、今後のこと

昨年末のことになりますが、７年間勤めた会社を退職しました。
そのことを最初の記事のテーマにしようと思っていたのですが、その前に露出狂に遭遇してしまい、その様子を書いてしまったので、個人的に気持ちがややこしいことになっています。
長文になってしまいましたが、下記もご一読いただけたら幸いです。

退職エントリ自体、書くかどうか最初はちょっと悩んでいたのですが、私の周囲のごく近い人たちから「結局のところ、なんで辞めたの？」とか「これからどうするの？」とかを聞かれるうちに、「自分の頭のなかの整理も兼ねて書いてみよう」と思うようになりました。
あとは、聞かれたら「コレ読んで」と言える何かがあったら便利かな、とか。

誰かや何かを悪く言うつもりはないし、感謝すべきさまざまなものを守りたいという思いもあり、ぼかして書く箇所がありますが、ご了承いただきたく思います。

自己紹介

専門学校を卒業してからこれまでずっと、出版系の会社に身を置いてきました。
専門学校も出版系だったので、他の業界を知らず、この業界にどっぷり漬かってきました。
業務内容としては、１社目ではデザインとDTPがメイン、２社目では編集とデザイン、DTP、３社目（昨年末退社した会社）では、編集メインでDTPもやる、たまにデザインも、と、さまざまなことを経験してきたので、一通りのことはできるんじゃないかな、と思っています。
媒体は、週刊誌、月刊誌、季刊誌、単行本、シリーズ物の書籍から、パンフレット、チラシなど、紙のものについてはだいたい何かしらに携わってきました。

さまざまな経験をしてきたなかで、何が自分に向いているかというと、ごちゃごちゃした文章を整えていく編集作業や、校正・校閲のような地味な作業、ある程度決まったルールを守りつつ、臨機応変にぽちぽちと組み上げていくDTP、などが楽しくやれていたかな、と思います。
実務以外では、後輩が少しずつできるようになっていくのを見るのが好きでした。
そのことに関しては、専門学校で勉強してきたとはいえ、実務のことをなんにもわかってないまま入社した私を見守ってくれた１社目の社長もこんな気持ちだったのかな、と思うことがあります。
成長させてくれたという意味では、めちゃくちゃ感謝してます。

逆に苦手だったのは、オジサン集団のなかに行ってお話をうかがわなければならないとき。
これはいつか別の記事で書けたら……と思っているのですが、祖父と父がとにかく大きな声を出す人だったので、大人になったいまでも「大きな声を出す男の人が怖い」というトラウマがあるせいかと思います。
たとえ相手が好意的に話しかけてくれていたとしても、「怖い」という感情が先に来てしまい、耳を完全にシャットダウンしてしまって結局話を聞いてなかった……ということもしばしば。
訴えても、同じような症状を抱えた人以外にはなかなか理解されないことが多く、困ることが多いです。
みんなどうしてるんだろ。

そんなわけで、オジサン集団への取材が苦手だったことに関して、前職のみなさまに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
何度かお会いして慣れれば大丈夫だったり、最初からまったく問題ない人もいるんですけどね……。
逆に、女性の集団への取材は楽しかったです。
これは、女子校経験が活きたかな、と思います。

退職した理由

不満だらけだったかというと、そんなことはなく。
仕事に関しては、ほんとうにいろいろな経験をさせてもらいました。
出張であちこち行かせてもらったのも良い思い出です。

気持ちが切れてしまったきっかけのひとつとして、１人の後輩が急に飛んでしまったことがあるかな、と思います。
急にいなくなってしまったことそのものよりも、１人欠けたことによる不足分をなんとか埋めようとがんばったものの、どうにもならず、最終的に私の体が限界をむかえてしまったのです。

在籍した７年間で15kgも太ったのですが、そのなかでも、最後の２年間で増えたのは９kg。
入社時のスーツは当然着れない。
仕事は好きだけど、仕事って、ここまで自分が醜い姿になってまでやることじゃないな、って思ったのが大きかった。

その間会社は、他部所から優秀な後輩を借りパクしたり、新人を採用したりといろいろと動いてはいたのですが、やってもやっても「もっとやれ」「まだできるだろ」という何かが降ってきて呼吸が苦しくなり、最終的に「辞める」ということは社内外の誰にも相談せず、ひとりで決めました。

ただ、辞めるにしても、「私が急にいなくなったら、後輩が飛んだとき以上のヤバい状態になる」という思いはあったため、長い時間をかけてゆっくりと減速する感じにしよう、と考えました。
自信過剰というわけではなく、会社が発行しているメインの雑誌の巻頭特集を編集長とともに担当していたということもあり、私が抜けるとなったら方々に迷惑がかかると思ったし、それは絶対に避けたい、という思いからでした。
2018年の夏ごろのことです。

退職した理由のほんとのとこ

「自分の醜さに耐えられなくなった」はもちろん大きな理由のひとつですが、そのほかには、「私はＪリーグを見にいくという最高の週末のために働いているのに、働いているせいでＪリーグを見に行けないという矛盾はどうしたものか」というものもありました。
土日に取材が入ってしまうことは仕方ないとしても、代休をとる時間もなく、それどころか、有給も数日無駄にしました。
終電間際まで会社にいることも多く、仕事が終わる前に試合が終わっているから、プロ野球を帰りの電車でDAZN観戦することすらできない。
「仕事だから仕方ない」と思える範囲を超えてしまったことが、みなさんに説明して納得いただける理由かな、と思います。

もっと言うと、
「会議が長い」とか、
「というかこれは会議ではなく報告会だ、名を改めよ」とか、
「年下と女に横暴な態度で怒鳴り散らして目上と外部の人にだけへこへこするやつなんなん」とか、
「名選手名監督にあらずってあるよね」とか、
「編集部は工場じゃねえんだよ」とかのほうが共感いただけるかもしれません。

でも、私のなかでの最大の理由はそれらではありませんでした。

少し早く帰れたある日のこと。
地元の駅前の大型書店の明かりがついていることに気づいた私は、ものすごい久々にその書店を訪れました。
いつもの平日ならとっくに閉店しているので、なかなか立ち寄ることがなかったその店内は、夢みたいな場所でした。

雑誌、小説、実用書、コミック、学参書……。
端からずっと見て回りました。
立ち読みをするわけではなく、平積みされた本の装丁を見て、棚に並べられた本の背表紙のタイトルと著者を見て。
閉店の音楽に気づき時計を見ると、それだけで１時間以上が経っていました。

本って楽しい！

忘れていた感覚でした。
本ってこんなに楽しかったんだ。
せっかく子どものころに憧れていた本を作る仕事に携われているのに、いまの私はちっとも楽しいなんて思えてない。
仕事だからとりあえずがんばりましょう、って思ってる。
「楽しい」と思って作ってないものが、響くわけがない。

かなり衝撃的な出来事でした。
そして、気づけてよかった。
「○○だからヤダ」っていう後ろ向きの感情を言い訳にするのではなく、「楽しい」と思える精神状態にもっていけるまで、少し、仕事から離れよう。

これが、ほんとうにほんものの、退職した理由のほんとのとこです。

退職報告

会社に退職したい旨報告したのは、2019年の春、「これが最後の大仕事だ」と思って仕上げた本を編集長とともに献本に行った帰り、ランチを食べながらでした。

ここからはもうほんとうにありがたさしかないのですが、編集長と取締役から何度も何度も引き止めの説得がありました。
時にランチをしながら、時にお酒を飲みながら。

「どうしても出ていくんだね……」
「もう無理なんです……」

隣のテーブルの人からしたら別れ話にしかみえないだろうな、と思いつつ。

こんなに引き止めてくれる人たちとまだがんばりたいという気持ちと、自分の外見的醜さに耐えられないという気持ちが入り混じってぐちゃぐちゃになりながらも、最終的に、私が考えていたより少し先、2019年の末に退職することを受け入れてもらいました。

延長したことにより、最後に、連載でたいへんお世話になった著者の本にかかわれたこと、「最後の大仕事だ」と思って仕上げた本の増刷作業にかかわれたことはとってもうれしかったです。

編集部って、工場ではないから。
きちんと人と向き合って、その人のさらに向こう側にいる人のことまで考えて、いかに愛を注げるか。
そこのところを見誤っちゃいけないと思います。
それでこそ応えてくれるし、それでこそ響く。

これからのこと

「なんで辞めたの？」とともに聞かれるのが「これからどうするの？」ということ。

当初の目標としては、「失業給付金をもらいながらちょっとのんびりして、Jリーグが開幕したら、ここ２年間忙しすぎて全然行けなかった地方遠征に行きまくって、合間にジム通いして体重を戻し、給付が終わったら独立する」ことを考えていました。

……が。

新型コロナウイルス感染症の影響で、明治安田生命Ｊ１リーグ、Ｊ２リーグは第２節から、Ｊ３リーグは第１節からの試合と、YBCルヴァンカップはグループステージ第２節からの試合が中止。
暇だから別のことするか、というわけにもいかず。
ジムは当然休館、Nintendo Switchのリングフィット アドベンチャーをやったら新垣結衣になれるかもしれないと思っても、本体もソフトも売り切れで買えない。
できることといったら、人ごみを避けて近所をふらふら散歩するくらい。
これを書いている2020年５月21日現在、私の住んでいる東京都はまだ緊急事態宣言が解除されておらず、なにもかもの見通しが立っていません……。

念のため記載しておきますと、今後の選択肢の一つとして＆失業保険給付のため、就職活動はしていましたが、びっくりするほど新着求人が出ていません。
当たり前といえば当たり前ですが。
以前から掲載されていた求人だけ。
転職一択で考えていたらどうしようもなくなっていただろうな……と思います。

ということで、当初の予定どおり、独立することにしました。

不安定なほうに向かっていってどうするんだとかいう人もいますが、この数ヵ月、たった数ヵ月の間に、世界中が、会社員だからって安定しているとは言いきれない現状に陥っています。
仕事の仕方も変わっていくでしょう。
だったらもう、やりたいことをやって生きてゆきたい。
私の性格をよく知る人たちは「会社員でいるよりそのほうがいいよ」と言って後押ししてくれているのも心強い。

業務内容としては、やっぱり私は出版・マスコミ業界の人間なので、編集、校正・校閲、DTP、デザイン、ライティングなどなどをメインに、やったことがないことでも、おもしろそうなものやことがあったらどんどん勉強していきたいな、と思っています。
お仕事ください☺︎☺︎☺︎

あとは、あまり利益として考えてはいませんが、BASEでネットショップを開設して、趣味のハンドメイドアクセサリーを売ろうかな、とか。
以前から自分で使用するものはほとんど手作りしているのですが、その様子を知っている人たちから「売ってほしい」という声があるので……。
Ｊサポ女子向けのものとかをたくさん作れたらいいな。
BASEのCM、「かよちゃん」なの最高にかわいいですよね。

さいごに

退職するまでの最後の２年間で９kg太った私ですが、毎日それなりに歩いたり、趣味・特技のひきこもりがはかどっていてあまりストレスがかかってないせいもあってか、なんとか７kg戻しました……。
あと２kg……だけど、入社時から考えるとあと８kg……。
なんにせよ、心も体も健康でないと何にもできないし、何にも考えられなくなっちゃうし、できることから少しずつはじめていこうと思います。

６月頭に開業届を提出する予定なので、その様子なんかもここにメモしていく予定です。
後続のどなたかの参考になればいいな。

さいごのさいごに、先人のみなさまにならって、ほしいものリストを載せちゃおうかと思います。
まだまだ備品が揃っていない現状、ご支援いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします(ﾉ*ﾟｰﾟ)ﾉ💕

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さいごのさいごのさいごに……。
2019年の忘年会と同時に、私の送別会もしていただいたのですが、何度も何度もひきとめてくださった取締役から、
「どういうのがいいかわからないから、お店の人に聞いてつくってもらった」
って言って花束をいただいたの感動した……。

これからも「またお願いしたい」とか「また一緒に仕事したい」とか言ってもらえる人でありたいな、と思います。