自分の世界を守るのは、自分。

新卒で入社して数ヶ月、あの時の彼女の言葉が今も頭の片隅に残っている。

会社は何も守ってくれない。誰も、守ってくれない。自分を守るのは自分しかいない。やってらんない。

当時の私は、「そんなこと感じたんだ。なんか大人だなー。何があったのか知らないけど、良からぬことに首を突っ込んだのかな。」くらいにしか思っていなかった。
そして彼女もまた、詳しい内容までは口に出さなかった。


あの言葉を聞いて数年、何度も自分に言い聞かせている。
『自分を守るのは自分。』

世の中を悲観に感じる?それとも楽観的に捉えた?

物事や案件がスムーズに進まなかった時やキャリアプランに納得がいかなくてもがいた時期、当時の彼女と同じように溜め息をついた。あの言葉は、悲劇の戯れだと思っていた。


体調が思わしくなく、休職をしようか退職にすべきか悩んでいた時に彼女から言われた。

仕事のことを考える必要はない。あなたの人生を守るのは、あなただけ。申し訳ないとか頭を抱えちゃいけない。会社は何も守ってくれないよ。

本音か建前か、同僚としてなのか友人としてなのか、いろんな気持ちを省いて良い言葉だけを掛けてくれたのか正直分からない。分からないけど、とても救われた。

学校も会社も同じように苦しい時があった。
どんな顔であの扉を開ければいいのか分からない、迷惑や心配ばかりかけて申し訳ない、恥ずかしい。
毎晩毎晩、扉を開ける瞬間を想像して苦しくなる。逃げ出したくなり、布団の中だと思い出して安心する。そんな繰り返しだった。


こんな思考を持つことは成人した社会人としてダメかもしれない。けど、どうにかして毎日しあわせだと感じる日々に戻りたいからわたしは言い聞かせる。

そして、もし同じように乗り越えたい人がいたら背中を押したい。大丈夫だよと少し強めに叩いてあげたい。わたしもいるよ、同じ世界にいるよと感じて欲しい。


迷惑も心配もたくさんかけてしまっているけど、自分を守るのは自分。休むことも復帰できたことも何も悪くない。自分を守るために少し長めに休みましたが、お陰さまで復帰しました。
ただ、それだけ。

会社や学校や友人から関係性を替えよう、と向こうから提案されたら考えよう。その時に、考えよう。


どうか、自分で自分を守ることに負けないで欲しい。
わたしもいつか誰かを守れる大人になれるよう、いまは言い聞かせて踏ん張る