エッセイ詩 | 私は何者でもない | I'm Nobody.

わたしって何者？

朝起きた瞬間に
わたしはわたしではなくなる
朝起きた瞬間に
わたしは妻となり母となる
せわしく朝食を作り
夫と子どもに食べさせ
二人分のお弁当を作る
そして夫と子どもを見送る

その後　掃除したり
アイロンをかけたり
布団を干したり
買い物に行ったり、、、
なんて家事をしていると
あっという間にお昼頃になる

お昼ご飯を食べ終わった頃に
やっと主婦から
「わたし」になれるような気がする

晴れた日には
わたしはわたしとして
公園のベンチに座る

ボーッとできる日は
ほんとうに心地よい
一瞬ではあるけれど
解放感を感じられる
雨の日は最悪だけど… …

でもボーッとできる時間なんて
束の間のこと

このベンチから
立ち上がった瞬間に
わたしはまたわたしではなくなり
帰ってくる夫の妻になり
帰ってくる子どもの母になる

一人でいるときが
ほんとうのわたしなのに
わたしがわたしである時間は
１日の中で微々たるものに過ぎない

わたしって一体何者なのだろう？
自らの過去の決断によって
今のわたしが形作られているのは
理解できる

でも自分で決断したことが
増えれば増えるほど
わたしはますます
わたしではなくなる

わたしって何者だろう？
わたしはわたしの人生を
生きているのだろうか？

何者にもならないことが
わたしであり続けることだろうか？
それとも
わたしの中の「分人」を
増やし続けることが
わたしであり続けることだろうか？

最近わたしが何者なのか
本当に分からなくなってきている
わたしって一体何者？

さまざまな糸で織り成される
ひとつの集合体がわたしのなのか？
わたしは唯一無二の
原子になることは
できないのだろうか？

なにもわからない
わからない… …
I'm Nobody… …

寝ていて
意識をなくしている時だけが
わたしがわたしであるような
そんな気もする
I'm Nobody… …

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