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【素敵で不思議な世界「空想絵画物語」】なお インタビュー

なお【空想絵画物語】 個展「地図のない国の旅行展」を、2024年4月3日(水) – 4月21日(日) の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、なおさんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


自己紹介をお願いします

はじめまして、こんにちは。
「空想絵画物語」という屋号で、長いあいだ絵を描いております。

自分のアタマと心の中にある素敵で綺麗なもの、美しいもの、楽しいことを形にして、多くの人にも観てもらいたいという最初の気持ちを忘れず大切にして、絵を描いています。

よく昔の作品や言動を「黒歴史」「厨二病」と呼んで恥ずかしい過去扱いしますが、自分も中学生・高校生の頃の思い出すと、身悶えしてしまうオリジナル世界のイラストや設定集を毎晩せっせと創っていたものでした。

あれから20年、30年と時間が経ちまして、今一番必要だなと思うのは、厨二病の頃の想像力や自分の世界に酔いしれる万能感だなぁと思います。

「あの頃」の自分にはまだ及びませんが、そろそろ50歳を迎える人間にふさわしい「黒歴史」を創り出したいと日々思いながら、絵を描いております。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

小学4年生だったかな?金曜ロードショーで観た「天空の城ラピュタ」がとても大きな転機でした。ストーリーや雄大な空の冒険に魅力されました。

それまで僕にとって、テレビというのは電源を点ければ何か面白い番組が観られる箱でしたが、「画面の向こうで1枚1枚セル画や背景の絵を描いて動くアニメを作っている人がいるんだ!」と思いを巡らせてくれた大切なきっかけとなりました。

ラピュタやナウシカ、トトロの頃の宮崎駿アニメに、とても大きな影響を受けました。

現在使用している素材を選んだ理由を教えてください。

アクリルガッシュ絵具とアルコールマーカーを主に使用しています。
一番使い慣れていて、一度一通り絵具を揃えればしばらくは買い直さなくても制作し続けられる経済性も助かりますし、100円ショップで売っている食品用タッパーをパレット代わりに使えばアクリル絵具は1週間は乾燥せずにいつでも作業を再開できるので利便性が自分にとても合っています。

普段、何からインスピレーションを受けていますか?

ありとあらゆる物事からです。音楽、言葉、雑誌、漫画、写真、感情、散歩(趣味)で眺める現実の風景などなど。

毎日、生きて目にして耳にして身体で感じて、心で感じること、アタマで思考して導き出されるもの、ふと閃くアイデア。

それらをなるべくたくさん、アイデア帳に描き記して、あらためて眺め直してまた沸き上がる感情やアイデアを練って練って浸って、少しずつでも新しいものを積み上げていきます。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

まず「天空の城ラピュタ」の頃の宮崎駿アニメ映画です。

あと「ファイブスター物語」(永野護)という漫画です。30年以上連載していてロボットやキャラクターがとにかく最先端な凄味あるデザインで有名な作品です。今も月刊誌で連載中で、毎月ドキドキハラハラしながら読んでいます。
初期の頃の神秘的で雄大なイラストに影響を受けていまして、その頃の感覚や感動を思いだそう取り戻そうと意識しています。

これからどんな作品を作りたいですか?

空想の素敵で不思議な世界を描いていきたいです。
それはそれで続けていきますが、もっと現代のファッションや実在する場所をモチーフにしたスマートな画風にも挑戦してみたいです。人物の顔や指先だけで成り立つような画風・作品だったり、です。

あと1枚4000円ぐらいの作品が多いのですが、1枚1枚もっと時間をかけてアイデアを込めて値段は高くても満足感の大きな絵をもっと描かなくては!とも思っています。

ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

『ファンタスマゴリア オードリーピサロ10歳』

ビル街の陰と、地面に反射した陽射しで下から照らされる少女の美しさが上手く出た絵で、自分でも気に入っています。
手に持ったたくさんの風船、なびく髪やスカート、白い細いペンで書き入れた図形や文字なども「なにか想像力を掻き立てる」要素が目立ち過ぎず良いバランスで収まっていると思います。

絵の中のオードリーピサロちゃんは、将来の夢はシンガーソングダンサーになる事です。成長して活躍する姿も描いていきたいですね。

『アイザック・バロック博士、星の心臓への人工三日月接合実験』

今回の個展でも何枚か登場する「アイザック・バロック博士」の何か怪しげな実験の様子を描いた絵です。僕たちには分からない何か未知の解析されてない新しい事象・原理・摂理を解き明かす挑戦の実験だと思います。

果たしてこの実験がこの先どんな結果をもたらし、世界がどう変わっていくのか、それとも変わらないのか?

今の僕には想像がつきませんが、いつかそれが分かる絵を描くと思います。それまで空想絵画物語を追ってくださると嬉しいですね。

『花潜りのアマンドラ・アルマンドラ』

黒い小さな「ハエトリグモ」の絵です。小学生の僕を知ってる人からしたら「クモの絵を描くなんて!」と驚くほど、僕はクモが苦手です。
小さなハエトリグモならまだ平気ですが、夏場に出現する大きな動きの速いアシダカクモが部屋に出るものならヒイヤァ!!と叫び声が出ます。

大の苦手なクモですが、制作期間中に放送していた「王様戦隊キングオージャー」に出てくるゴッドタランチュラという白いクモ型のロボットがカッコ良くて可愛らしくて好きになってしまい、クモの絵にも挑戦してみました。

このクモのキャラクターに「アマンドラ・アルマンドラ」という厳めしい名前を付けて、この子もこの先どういう場所に登場するかのアイデアも考えておりますので、それまで追ってくださると嬉しいです。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!

ピカレスクギャラリーに御来場くださり、本当にありがとうございます。

じつは、去年の11月に直腸癌が見付かりました。今回の個展の期間も抗癌剤治療真っ最中でごさいまして、とても苦しい副作用を引きずっての開催となりました。

正直、「個展開催を断念するかも」と一瞬あきらめモードになりましたが、不思議なことに身体は苦しく吐き気に悩まされながらも、精神は「過去のあの頃と比べれば、今のところ癌治療の苦しさなんて全然たいしたことない。あの頃の方がもっと辛かった!」と、不思議にエネルギーが沸いてきて挫けず負けず、個展に向けて毎日絵を描いてこられました。

追い詰められて、そこで出てくる人間の創作へのエネルギーを感じ取っていただけたら、「僕もまだまだ捨てたもんじゃないな」と誇れると思います。

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なおさん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。

皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?
ピカレスクスタッフは、「そろそろ50歳を迎える人間にふさわしい『黒歴史』を創り出したい」という言葉が印象的でした。
「黒歴史」とは必ずしもネガティブなものではなく、今の自分が圧倒されてしまうほど濃厚なエネルギーが詰まっている証なのかもしれません。

なおさんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

なお【空想絵画物語】 個展「地図のない国の旅行展」

〈会期〉2024年4月3日(水) – 4月21日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/nao-koten-2024/

〈なお 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/nao4179
Instagram https://www.instagram.com/kuusoukaigamonogatari
HP http://blog.livedoor.jp/kuusoukaiga/


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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/


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