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【「ささやかな幸せ」を生むことができたら嬉しいです】竹下 芽衣 インタビュー

竹下 芽衣 個展「となりの風景」を、2024年6月26日(水) – 7月7日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、竹下 芽衣さんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


自己紹介をお願いします。

1996年生まれ、千葉県勝浦市出身です。長岡造形大学 美術工芸学科 クラフトデザインコース ガラス専攻を卒業後、「軽井沢ガラス工房」や「彩グラススタジオ」での勤務を経て、現在は週2日勤務をしながら作家活動をしています。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

私の出身地は千葉県の南側の外房というところで、 自然の多い場所です。
子どもの頃は野花を摘んだり、友だちと種合戦(種をもぎとって投げる遊び)したり、道端の植物と触れ合う機会が多かったです。

植物たちは私の遊び道具であり、好奇心を刺激するものでもありました。昔から身近にあったので、つい見てしまう癖がついたのかもしれません。

今は種合戦をすることはありませんが、道端の植物たちを見て「今日も元気だな」と思い、花が咲いていれば「可愛いな」と思います。

それで特に何かする訳でもなく、毎日通り過ぎて行くのですが、それが突然無くなってしまったらちょっと寂しいです。

多くの人には、「あったら嬉しいけどなくてもいいよ」と言われそうな些細な存在に焦点を当て制作したいと思いました。

現在使用している素材を選んだ理由を教えてください。

高校生の時、あるイベントでフュージング(電気炉で板ガラスを熔かして器やアクセサリーなどを作る技法)のワークショップがありました。そこで好きな色のガラス板とムリーニ(金太郎飴のような小さいガラスのパーツ)を選び、焼成し、ペンダントを作りました。

その時はじめて「ガラスで作品を作ることができるんだ」と知り、ガラスという素材にとても興味を持ちました。元々ものづくりが好きで、美術系の進学を考えていたため、ガラスコースのある大学を選びました。

子どもの頃はミニチュアが好きで、粘土で細部を作りこんだり小物をコレクションしていました。自分のことながら当時の熱量を羨ましく思っており、ミニチュア(≒ムリーニ)とガラスへの興味が結びついて、ガラスを使って制作したいと思いました。

普段、何からインスピレーションを受けていますか?

ムリーニのモチーフは、実物や画像を参考にして特徴をとらえて、そのモチーフが何なのか、見た人に伝わるように意識しています。ムリーニのクオリティによって作品の出来栄えが決まります。

作品全体の色合い・形は、自然の風景や使っているムリーニの柄、またはテーマに合わせ決めています。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

ウィリアム・モリス(デザイナー)、スピッツ(ロックバンド)、『星の王子さま(書籍)』です。

ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

花たまり ペーパーウェイト

〝ムリーニ〟という金太郎飴を作るような技法で制作した花柄のガラスのパーツを閉じ込め、全体の形は手に持った時に手に馴染む水たまりのような柔らかなフォルムを目指し制作しました。

なるべく自然の形に近づけたかったので明確な〝底〟は作っていません。ペーパーウェイトと名前にはついていますが見て楽しむ、触って楽しむようなオブジェ的要素が強いかもしれません。

ムリーニは一粒5mm程度の小さなガラスの立体物です。透明なガラスで包んだムリーニはさらに立体的に見えます。ぜひ手に取って眺めて見てください。

ノノハナゴブレット

どこか懐かしいノスタルジックな雰囲気で、かつ日常使いしやすいゴブレットを目指しました。カップは丸みのある形、でも洗いやすいようくびれを閉じすぎないように…。

ステムとフットは丈夫になるようにしました。ステムの玉は地上の色でグリーンやブラウンなど、カップの口巻き(飲み口の部分)は空のイメージでブルーやオレンジ系の色を選んでいます。

道草ランプシェード

ムリーニと気泡入りのランプシェードです。ライト系作品の好きなポイントは、シェードの凹凸や泡の影が天井や壁に映って幻想的な雰囲気になるところです。

ライトが壁に近くなるように設置すれば、ムリーニの色や模様の影も映ります。1つのシェードに4〜5種類の模様があるので、壁に近づける面を変えることでより楽しめます。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!

私の作品を通じて、日常にささやかな幸せや楽しさが生まれましたらとても嬉しいです。

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竹下 芽衣さん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?

ピカレスクスタッフは「『あったら嬉しいけどなくてもいいよ』と言われそうな些細な存在に焦点を当て制作したいと思いました」という言葉が心に残っています。竹下さんが制作されるガラス作品の優しく柔らかな雰囲気に通じている気がするのです。

竹下 芽衣さんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

竹下 芽衣 個展「となりの風景」

〈会期〉2024年6月26日(水) – 7月7日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/meitakeshita_exhibition_2024/
〈竹下 芽衣 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/mei_takeshita09
Instagram https://instagram.com/mei_glass09?igshid=Mzc1MmZhNjY=

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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/


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