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【ひらひらと灯りに集まる蝶はまぶしくて】小山佳菜子 インタビュー


小山佳菜子 個展「Lighthouse」を、2024年12月18日(水) – 12月29日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催しております。

今回は、小山佳菜子さんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


自己紹介をお願いします

小山佳菜子と申します。小さい山と書いて「おやま」と読みます。
パステルとジェッソ を使って制作をしています。主に平面ですが、形があるものも好きで、たまにこねこね手を動かしてます。
群馬生まれで、一度群馬を離れましたが、今もまた群馬在住です。動物と植物が好きで、群馬へ帰ってからずっとやりたかった畑作りにも最近勤しんでます。作品に命を吹き込むのと一緒で、命のそばで暮らすことが眩くて、幸せを感じます。お空組のコーギー犬ムーニーと、猫のちーちゃんと暮らしてます。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

昔から、おとぎ話や神話などの物語が好きで、空想したり夢見がちに生きてきました。
見えないものに、期待とおもしろさ、怖さも含めて、心躍るお話の世界へ入るのが好きで、自分でも表現できたらと、物語をそえながら作るようになりました。やわらかなパステルを使うようになってから、ますます表現しやすくなってきたように思います。

現在使用している素材で作品を作る理由を教えてください。

パステルを使う前は、アクリル絵の具を主に使っていました。自分では扱いきれず、自分が思うように表現できないことにずっと悩んでました。
ふと、長年持っていたパステルを使ってみると自分が描きたいように描けると気づきました。自分が描く5B鉛筆の線が好きで、それと同じように、色を塗り広げられることに感動しました。あわせて、粒子の粗いジェッソを使うことで、パステルの表現が広がりました。

普段、何からインスピレーションを受けていますか?

ふと拾った言葉や名前からの空想が多いです。文字をすぐ画像にするくせがついてます。群馬に帰ってからは、空気や自然への輝きに目を奪われることが多く、このきらめきを描きたいと思って制作をしています。まわりにあるものが、インスピレーションを受ける大切な存在です。特に、お空へと旅立ったムーニーと過ごす散歩や庭での時間がそうでした。彼との生活は制作にあたり、大切で大事な、宝物の時間でした。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

あげるとあげきれないほどです。制作をすることへは奈良美智さん、世界観では藤本将さん、ユーリー・ノルシュテインさん。パステルではペーター佐藤さん、ものを作る気持ちではターシャ・テューダーさん。文学は、アンデルセンの物語や「ハリー・ポッター」「どろぼうの神さま」、ゲームの「幻想水滸伝」など、現実であり、夢であり、さまざまな国の文化がまざったような作品に、心奪われ影響を受けてきました。今の自分へと、つながっていると思います。

これからどんな作品をつくりたいですか?

色の奥行きを深めていきたいです。
ユーカリの葉を水につけたときにできる銀色や、ガラスの反射で生まれるプリズムのような、きらりと気持ちをときめかせてくれたときのような色を作りたいです。ムーニーがくれた光のかけらたちを集めて、表現できたらと願います。
例えるなら、大好きなクリスマスのように、きらきらと輝く世界を描きたいです。

ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

灯り。

ひらひらと灯りに集まる蝶はまぶしくて。

DM用に制作した作品です。描くことへの道標を求めて、描きました。夏場に制作したので、ひらひらと光を求める蝶を思い出しながら描きました。描いていたときは、まさに光を求める蝶のようでした。光をちょうだいって。私にはこの作品を描くことが必要でした。発光しているこの子は、まさに私の灯台です。

虹輪

その虹とともに見守ってくれますか。

高校時代のクリスマスページェントの天使の衣装が心に強く残っていて、あんな天使を描きたいとずっと過ごしてきました。天使は神々しく、ずっと思うように描ける存在ではありませんでした。愛犬を亡くした1週間後に、ハロ が現れました。太陽のまわりに出るハロは「神様や天使の知らせ」という意味があるんだそうです。今までも虹はモチーフとして描き続けていましたが、より一層に愛おしいものとなった瞬間でした。愛犬を亡くして、ふと、久しぶりに天使を描きたくなりました。

nest

気持ちがあふれるたまごをかえそうよ。

ミュージカルのアニーのように、もじゃもじゃヘアーだったときのある私は、いろいろ気持ちをもじゃもじゃの中におさめたくなります。あふれる気持ちをもじゃもじゃヘアーであっためているのです。小学生の頃に読んだ少女漫画に、少年が電車の中で、体も髪も身につけている全てのものが白い青年に会う物語がありました。結果は未来の自分に会ったという話でしたが、小学生向けの少女漫画っぽくないSFストーリーで、タイトルも作者さんも思い出せないけれど、印象深く心に残っています。その想いをのせて、今まで白い少女を一回描いたことがありました。「nest」は、あの時の想いをのせて、白い人をまた描こうと誓った作品になりました。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
私にとって、人を描くときも、コーギーを描くときも、どちらもかけがえのない時間です。そして、大切な存在です。見失いかけたときに、灯台という存在が今の私には必要でした。そばで見守って、寄りそってくれる子たちに心を寄せてもらえたら嬉しいです。ピカレスク さんの優しい雰囲気につつまれながら、ぜひご高覧ください。

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小山佳菜子さん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?

ピカレスクスタッフは「ムーニーがくれた光のかけらたちを集めて、表現できたらと願います」という言葉が深く印象に残りました。

「お空組のコーギー犬ムーニー」と小山さんがこれまで共に紡いできた想いが、今回の個展の作品に込められていることを思うと、胸がいっぱいになります。
愛犬に最後まで心身ともに寄り添い、世界をから目をそらさず表現を続けたことで生まれた小山さんのきらきらと輝く作品たちを、愛おしく思わずにはいられません。

小山佳菜子さんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

小山佳菜子 個展「Lighthouse」

〈会期〉2024年12月18日(水) – 12月29日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/kanacooyama_exhibition_2024/
〈小山佳菜子 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/ribboncurtain
Instagram https://www.instagram.com/oyamakanaco/
HP https://oyamakanaco.com/

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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/


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