見出し画像

【どこか温かい雰囲気を描く】岩瀬由布子 インタビュー


岩瀬由布子 個展「懐かしちょこんと神獣たち」を、2025年1月1日(水)  – 1月19日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。
※2025年1月1日(水) – 1月3日(金)は 13時 – 18時 営業

今回は、岩瀬由布子さんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


自己紹介をお願いします

東京在住の絵描きです。約10年あまりゲーム会社での勤務を経て、現在はご依頼をうけて風景イラストを制作したり、オリジナル作品の個展を各地で開催したりしています。デジタルと手描き、両方の制作スタイルがありますが、いずれもどこか温かい雰囲気を感じられるというのが共通の特徴です。今回の個展では、新年にふさわしい、縁起の良い神獣たちと、どこか懐かしい風景、そしてその中に佇むちいさな妖精「ちょこん」たちのイラストを展示します。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

今回、ピカレスクギャラリーさんで個展をさせていただくのは4回目になりますが、作品のスタイルは毎回変化しています。しかしそのすべてに共通しているのは、木や花や岩など、身近なものが主なモチーフである、ということと、そこに白くて小さな妖精がいる、ということです。これまで自分が描いてきたものを踏まえて、自分が力を発揮しやすいモチーフ、且つ描きたいものは何だろうと考えた時に、昔から私の身近にあった何気ない風景や自然物にスポットを当てたいと思いました。そして、その傍らに、もしかしたら私たち人間には見えない妖精が潜んでいるかもしれない、という空想をこめて、一連の世界観が生まれました。

現在使用している素材で作品を作る理由を教えてください。

手描き作品は、木の板に、主にアクリル絵の具で描いています。去年の展示で使っていたポスターカラーよりも耐久性が高いため、今回はこの画材にしました。主な画材としてアクリル絵の具を使うのは今回の展示が初めてでしたが、自分が描きやすいような絵具の濃度を研究したり、いろいろなアクリル絵の具を試して自分に合うものを見つける過程が楽しかったです。デジタル作品には、今回初めてジークレープリントという印刷方法を使いました。通常の印刷よりも幅広い色で作品を味わっていただけると思います。

普段、何からインスピレーションを受けていますか?

やはり一番大きいのは、草や、木、石、水、などの自然物です。幼少期は田舎で育ち、よく草むらや田んぼや小川で遊んでいたからか、自然に囲まれた場所に立つと、その風景やにおいで、安らぎと懐かしさを覚えます。道端の草や、地面や、木の中に、素敵だなと感じる表情を見つけたら、写真をとって、作品制作の際の参考にしています。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

いろいろな作品がありますが、特に男鹿和雄氏の背景美術にはとても影響を受けています。小さい頃も映像作品の一部として触れてきて、学生になってからも画集などで常に見ながら、絵の練習をしていました。紙に描かれる技術的な素晴らしさはもちろん、見ているだけでその土地の匂いを感じるような風景画の魅力は、いつまでも色褪せないと思います。

これからどんな作品をつくりたいですか?

作品の中だけでなく、絵の外の空間や、風景や、登場する生き物たちの物語を想像して、みてくださる方それぞれの楽しみ方ができるようなものを作っていきたいです。また、作品を購入してくださるお客様には、その作品のある空間で長い間生活していきたい、と感じていただけるようなものを作れたら嬉しいです。これからもモチーフや描き方など作品のスタイル自体は少しずつ変化していくと思いますが、根底にはそのような思いが変わらずにあります。

ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

龍とちょこん 昇松

今回の個展で一番大きい作品、頭が梅で体が松の昇龍です。力強さと優しさを兼ね備えた龍の体の上では、ちょこん達がしがみついて遊んだり、背中に住み着いて龍とおしゃべりしたりしています。龍の体は盆栽から着想を得て描きました。龍、松、梅など、縁起の良いモチーフが一つの絵に詰まっており、新年に相応しい一作です。

ポストとちょこん

私にとって懐かしい風景、それは、小さい頃に育った田舎や、どこか昭和を感じる建物や小物がある風景です。この作品では、古いポストや看板がそれを感じさせてくれます。そして雑然と置かれた植木の数々が、今は亡きおばあちゃんと一緒に過ごした縁側を思い出させてくれます。こうした穏やかな風景のどこかに、小さな妖精達がちょこんと寄り添ってくれているかもしれません。

鳳凰とちょこん 白姫

鳳凰は、孔雀に似た架空の生き物で、日本含む東アジアでは、とても高貴でおめでたい伝説の霊鳥とされています。この作品では、白い衣をまとったお姫様のように、上品な鳳凰が佇んでいます。ちょこん達は、姫と仲良くなりたくて、お気に入りの美味しい木の実を差し出しています。優しい白さの中の微妙な色のハーモニーを味わっていただけると幸いです。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!

いつも絵を見てくださり誠にありがとうございます!普段、私のファンタジーな風景の作品のほうを見てくださっている方は、手描き作品の方もご覧いただき、いつもと一味違う作風を楽しんでいただければと思います。また、在廊中はゆるくライブペイントを行っていますので、制作の様子を直接ご覧いただけます。ご来場お待ちしております。

※作家在廊日時
1月4日(土) 11時 – 14時
1月5日(日) 11時 – 14時
1月11日(土) 11時 – 14時
1月12日(日) 11時 – 14時
1月18日(土) 11時 – 14時
1月19日(日) 11時 – 14時

⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰

岩瀬由布子さん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?

ピカレスクスタッフは、岩瀬さんがご自身の作品はデジタル、原画問わず「どこか温かい雰囲気」を持っているというエピソードが印象に残りました。

デジタル作品はその制作工程から機械的で無機質な印象を、原画作品は神獣が今回のテーマになっていることから豪奢で優美な印象を持たれる傾向にあると思いますが、確かに岩瀬さんの作品の魅力はこれらの要素だけでは語れないかもしれません。

デジタル、神獣たちの原画それぞれに岩瀬さんオリジナルのキャラクター「ちょこん」が佇むことで、自然と「どこか温かい雰囲気」が生まれているように感じられます。

幼少期に慣れ親しんだゲームを彷彿とさせる風景、神獣たちの幻想的な様相、それぞれの魅力と「ちょこん」の温かい雰囲気があわさることで生まれる岩瀬さんの唯一無二の世界観は、見れば見るほどその虜になります。

岩瀬由布子さんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

岩瀬由布子 個展「懐かしちょこんと神獣たち」

〈会期〉2025年1月1日(水) – 1月19日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/iwase_yuko_exhibition_2024/
〈岩瀬由布子 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/ucoume1210
Instagram https://www.instagram.com/yukoiwase2017/
HP https://yukoiwase.jp/index.html

⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰

【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/


⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰


いいなと思ったら応援しよう!