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【私が自由でいられる理想の世界】金田花季 インタビュー

金田花季 作品展「猫と世界」を、2024年6月26日(水) – 7月7日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、金田花季さんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


自己紹介をお願いします。

金田花季(かねだはなき)です。東京都生まれ、現在は茨城県在住で、自宅で制作をしています。

猫を中心とした動物画を描いています。実家で飼っていた猫の花子や、自宅で飼っているオカメインコのプータンが主なモデルです。制作の合間に動物園や水族館に行って、動物の写真を撮るのが好きです。そこで出会った動物たちもモデルとして登場します。

動物全般好きですが、特にアムールトラ、ホワイトタイガー(ベンガルトラ白変種)、パンダが好きでよく描きます。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

楽園や天国などを理想の世界としてよく描いていますが、前提として、私にとって現実の世界がとても生きにくく、しんどいものであるという思いがあります。

幼少期から親との関係がよくなかったこと。学校などでも交友関係を構築することがうまくできなかったこと。その結果、思春期に精神を一度壊し、もとに戻すのにとても長い時間がかかってしまったためです。

現実の世界は私にとってとても厳しいもので、そこから逃避する意味で幼少期から絵を描いていたように思います。絵の中では私は自由に振る舞うことができます。なので絵の中に現実の厳しさは入れたくありませんでした。

逃避としての絵は、明るく楽しい、キラキラとした夢のような世界でなければならなかったのだと思います。

現在使用している素材を選んだ理由を教えてください。

現在は主にキャンバスにアクリルガッシュで制作をしています。アクリル絵具だと乾くのが早いので、絵具が乾くのを待つ時間が短く、制作が早く進められるのが主な理由です。

マットな質感が好きなので、アクリルガッシュを選択しています。またキラキラした世界観を表現するには煌めく画材が必須です。いろいろと試した結果、ラインストーン、ネイル用のグリッターやホログラム、金箔、最近は荒めの粒子の岩絵具も使用しています。

普段、何からインスピレーションを受けていますか?

動物園や水族館で動物の動きや仕草を見て、インスピレーションを得ることが多いです。好きな動物の前でほぼ一日とか、ずっと見ていると色々アイディアが浮かんできます。

スケジュールが厳しくて行けない時は、書店に行きます。自然科学や歴史宗教、美術や実用書など一通り見ていくと、何かしらのヒントを得ることができます。

外出が厳しい時は、自宅にある画集や、以前撮った動物写真を片っ端から見ます。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

蜷川実花(にながわ みか)さんです。私が学生時代の頃は若い女性写真家がブームで、当時彼女の写真の色彩に強く惹かれました。私の作品の色使いにかなり影響していると思います。

あとは河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)です。動物の特徴を生かしつつ擬人化する表現が本当に素晴らしいです。今でも迷った時に作品集を開いたり、展示があれば見に行きます。

あと好きな作家は月岡 芳年(つきおか よしとし)伊藤 若冲(いとう じゃくちゅう)アルブレヒト・デューラーオーブリー・ビアズリー。線で表現する画家が好きです。

これからどんな作品を作りたいですか?

最近宗教画や神話、怪物などをモチーフにした作品や本に惹かれて、見たり読んだりしているので、それらをかわいい動物たちと絡めて描いてみたいと思っています。

画材に関しては、今年に入ってから岩絵具を使うのがおもしろく感じてきました。もっと作品に使っていきたいです。

久しぶりに、大きいサイズの作品も描きたいです。できれば一枚の作品にもっと時間がかけられたらいいな、と思っています。

ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

妖精休憩所

「かわいい可憐な妖精も、『かわいい』を休憩したい時もある」というコンセプトで描いています。

猫のお腹で2匹の猫妖精が「ずっとひらひら飛んでいるのもしんどいよな」「そうそう」などと会話をしている様子です。同じく飛びまわる鳥やリスも猫に留まって休憩して、猫妖精同士の話を聞いています。

この作品はキャンバスにアクリル絵具で描いています。花の中を飛び回っている妖精なので、猫の周りは花で埋め尽くしました。

ここはとてもあたたかな場所


「安心できる、リラックスできる場所」をイメージして描いた作品です。キャンバスにアクリル絵具、岩絵具、グリッター、ラインストーンを使用しています。

ふわふわの白いペルシャ猫をメインに、ピンク色の羽毛を持つ鳥(モモイロペリカン、オオマシコ、クルマサカオウム、アキクサインコ、オオバタン、ベニヘラサギ、コフラミンゴ)たちを登場させています。

花もピンクで統一しました。捕食者と被捕食者が幸せに共生している、楽園をイメージしています。

甘いねこになりたい

ラグドールの猫ちゃんにスイーツをいろいろ乗せています。甘いものをたくさん食べると幸せな気持ちになりますが、かわいい猫とセットならますます幸福感が上がるような気がして、猫とスイーツを一緒にした作品はよく作ります。

実際猫をクリームまみれにしたら大惨事ですが、絵の中ではいくらでも妄想や願望が実現可能です。こちらの作品もキャンバスにアクリル絵具で着彩し、グリッターとラインストーンで仕上げています。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!

いつも応援ありがとうございます。ひとりで作品を作っていると「誰も観に来ないのではないだろうか」と孤独感に苛まれることがよくあるのですが、足をお運びくださるお客様や、作品を手に取ってくださるお客様のおかげで、絵を描き続けていてもいいんだと大変励みになります。

今回もべらぼうにかわいい作品をご用意してお待ちしております。楽しんでいただけますように!

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金田花季さん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?

ピカレスクスタッフは、「妖精休憩所」のストーリーがお気に入りです。作品だけ見るとお花に囲まれた可愛らしい印象を受けますが、猫妖精さんたちにそんなお悩みがあったとは。「『可愛い』のお役目、お疲れ様です…!」と声をかけたくなります。

金田花季さんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

金田花季 作品展「猫と世界」

〈会期〉2024年6月26日(水) – 7月7日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/kanedahanaki_exhibition_2024/
〈wamratory 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/hanakikaneda
Instagram https://www.instagram.com/hanaki_kaneda/?hl=ja
HP https://penguin-cat.com

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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/


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