見出し画像

【「意見を言わないひともいる」、ということ。】カルチャーコレクション#1-2【オープン社内報】

▼ 前半戦はこちら

前半戦では、PHONE APPLI(以下、PA)が「何もなかった」創業当時からどのように「組織」として成長してきたのかを振り返りながら、これからの課題についてもお話ししていただきました。いよいよ後半です。


PHONE APPLIは「心理的安全性の高い」組織?


石原
 幸いにも、うちの会社は心理的安全性がかなり高いと思っていて……、いや、思っているんだけど、どう?

譜久元 高いと思いますよ。まぁ、俺だからなんでも言えるのか? 新卒メンバーとかだったら、違うのかな。

澁市 ちょうど、カメラ担当の石井さんが今年の新入社員なので、ちょっと聞いてみたいのですが、いかがでしょう。

(みんなで星奈さんを見つめる)

星奈 あ、私ですか?(笑) えーと、高いと思います。

澁市 どんなところで、高いと思いました?

星奈 私は普段けっこう、出しゃばりだと思われないように周りの目を気にして、自分の意見を言わないこともあるんですけど、PAでは研修中も、何か意見を言うとみんながすごくポジティブな反応をしてくれるから、みんなのためにもっとできることないかな~と思って、発言したり行動したりできたので。

「幸せの4つの因子」とウェルビーイング推進


石原
 よかった、ありがとう。やっぱり下地はあるんだね。その下地の上で、どうやってカルチャーを育んでいくか、ってところだと思う。ちなみに、カルチャーとは別側面でいいなと思っている要素があって。

澁市 別の要素、ですか?

石原 前野隆司先生〔編注:PAがウェルビーイング経営を推進において多くのご協力をいただいている幸福経営学の第一人者〕の、幸せの四因子。「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」という。

慶應義塾大学大学院教授・前野隆司「幸せの4つの因子」
https://news.mynavi.jp/article/20200918-1313798/より引用(2022/8/10)

澁市 おぉ~、なるほど。

石原 まぁ、これだけ会社が大きくなると全部が「やってみよう!」「なんとかなる!」では済まなくなってはきているんだけどね(笑)。

澁市 会社の意思決定としてすべて「やってみよう!」は現実問題難しいかもしれませんね。(笑)ただ、PHONE APPLI のサービスはすべて「人の力を引き出す」ものだからこそ、わたしたち自身が幸せで、よりいきいきと働いていける状態を推進していきたいですね。

心理的安全性とコミュニケーション


川嶋
 心理的安全性について僕が思うのは、それでも「意見を言わないひともいる」、ということ。僕は、「違うな」と思ったらけっこう率直に言うほうなんですが、意見を言わない/言いたくないという声もちらほらあって。立場上、代わりに言ってほしいということもあるので、そんな状況に出会うと、心理的安全性がないのかなと思ってときどき悩んでいます。

澁市 私も、「これって私が言っていいんでしょうか」という趣旨の質問を受けることがあったりします。そのときはいつも「もちろん、ぜひ、言ってほしいです!」とお答えしますが、これは役割や責任が不明瞭だから生じる疑問なのかもしれないとも、感じます。

石原 役割・責任でいうと、「責任が伴うから余計なこと言えない」という面は、あるかもね。1人1人の仕事のキャパシティが100%を振り切っちゃってるときに、これ以上自分が何か言っても自分では動けない、という不安があるとか。

譜久元 それはあるかもね。言ったらやらなきゃいけない、みたいな心配。

澁市 あとは、言う前から諦めてしまっているパターンとか。最初からそうであるというのではなく、誰かに言っても変わらなかった、という経験を積んでいくと、もう誰にも言わない、という選択をしてしまうようになる、みたいな。

​​​​​​​石原 自分の望みどおりに相手が動いてくれないことは往々にしてあると思うんだけど、…というのも、相手にはそれが「できない理由」があって。まぁ、それでも頑張って交渉して、相手が、もしくは会社が目指しているゴールと、自分のやりたいことが一致すると思わせることができたら、相手の了承を得られる、という例もあるもんね。

川嶋 先日も、僕と石原さんとで、似たことがありましたね。予算の件で。

石原 そういうコミュニケーションができているか、は大事だね。提案する側の慣れも必要だし、努力も要るかもしれないけど。

譜久元 言ったことがないからドキドキしちゃうというのもあると思う。慣れてきたら言えることもあるし。

石原 そう、そのために1on1を毎週やってるんだよ。

PHONE APPLI では、マネージャーとメンバー間での「毎週1回30分」の1on1をルール化
発話量を測定し、マネージャーの喋りすぎを防止する仕組みも


譜久元
 関わっているプロジェクト次第でもあるかもしれないけどね。どうしても守らないといけない納期があったり、どうしても自分がやるしかない状況があったりすると、自分の思いは飲み込んでしまうかもしれない。

澁市 それはとてもありそうですね。

譜久元 そこは定期的に役割をシャッフルしてあげるのは必要だと思う。「いつ不具合が起きるだろう」と思いながら生活しているような案件を抱えていると、心の余裕がなくなるし。でも、永遠に続くものではないと思ったら耐えられる。もし上司に「ずっと担当して」と言われたら、……俺なら「嫌です」と言えるけど、誰でも言えるわけじゃないかもしれない。

マネージャーに期待したいこと


石原
 心理的安全性っていうけれど、全員が全員に対して心理的安全性を感じることってとてもむずかしいと思うんだよね、たとえば、新入社員が役員に対して、会ってすぐに心理的安全性を感じるかというと、ハードルが高いと思う。

澁市 緊張してしまいそうですよね。

石原 そう、だからこそ、全員に対してはむずかしくても、最低限マネージャーと本人の間では心理的安全性は担保されていてほしいし、その関係性を作る役割をマネージャーに期待したい。

石原 そういった環境を作ることこそ、組織づくりの観点で努力すべきところだと思うし、努力で変えられるところでもあると思う。その点、PAでは、1on1やスキップ1on1、WCS等※のサーベイとか、制度や仕組みを整えることで、まだ完全ではないにしてもそれなりの状態に持ってこれていることは、お客様に対してもアピールできることだと思うんだよね。

※Well-being Company Score(通称:WCS)毎月1回「心の健康診断」として、従業員や組織の活性度について測定している


いまは、それぞれに専門家がいるから


譜久元 昔は、言いたいことは好きに言えたけど、いろいろな外部要因が強くて「わかるけど無理(問題も気持ちもわかるけど、改善できない)」ということが多かったと思う。それと比べたら、いまのほうが、言った結果としてどうにか対処できる可能性が高いと思うな。リソースも、上司からのサポートも昔よりあるし。

石原 それに昔は、それぞれの部門の専門家がいなかったから、「これでいいのかわからないけど想像で動く」ことも多かった。いまは、営業も開発も、人事も、カスタマーサクセスもすべて、それぞれに専門家がいるから安心感、信頼感がある。お客様にも高いクオリティで対応できるしね。

譜久元 当時は、素人なのにいろんなことをやったね。面接もしたし、電話工事の業者ともやりとりしたし、価格表も作った、保守要綱も作った。法務チェックとかも自分で必死にやったし。

石原 昔の「やってみよう!」「なんとかなる!」を全員でやっていた時代と比べてしまうと、1人1人の「なんでもやってやる!」ような熱量は小さくなったかなと思う面はあるね。

譜久元 PAは、いまが転換点だと思う。一般的にはもっと役割ごとの壁があってもいい規模だと思うから。

​​​​​​​​​​​​​理想の組織とは?


澁市
 これまでのお話しをふまえて、みなさんの「理想の組織」とはどんなものでしょうか。

石原 いろんなことを自分で作れる"余地"があるといいと思う。例えば、プログラマーが、出社時にランチする人をマッチングするアプリとか、面白いアプリを「ちょっと作っちゃおうかな」というような余裕が。メインのプロダクトの開発に常に追われている状態だと難しいのだけど。

川嶋 "成長"とか、"楽しさ"、といったところは大切にしたいですね。そのためには、進捗や成果を、ちゃんと可視化することが大事だと思います。よい方に進んでいるのかどうかをわかるようにすること。ゲームのように楽しくなる仕掛けを作って、しっかりサポートしていけるといいです。その取り組みが最終的には、例えば、社外から「PAのマーケはすごい」と見えて、「PAでマーケを経験すると転職に困らない」とか、そういうブランドになっていくといいなと思います。

澁市 いいですね。​​​​​​​​​​​​​​

川嶋 余白がある組織は、僕も大賛成です。ゴールは決めても、そこへ行く手段って一つじゃなくて、自分で考えてたどり着く方法を見つける楽しさがあるから。

譜久元 僕は、住宅手当がほしい。

石原 住宅? それは不思議だな。どこでも働ける時代になってきているのに。むしろワーケーション手当とかじゃない?


譜久元 ワーケーションでもいい。というのも、生活にそういうゆとりを持つための支援をしてあげたいんですよ。デカイ風呂でゆっくりできますとか、散歩を楽しめますとか、マッサージ受けられますとか、何でもいいんだけど。若い人たちって、そういう「プラスアルファ」を生活に取り入れるための経済的余裕がないと思うので。

石原 なるほど。その意味だと、めっちゃいい寮を作ってあげたいという気持ちはある。いつか萩※にある借家を建て直したいな~と思ったりね。ワーケーションで、平日も含めて萩に行って、社員本人は昼間に仕事をするけど、夜や週末には家族と遊べるとか。

※PHONE APPLI  萩明倫館アプリ開発センター
山口県萩市で、グローバルで活躍できる人財の育成と地方での就業機会の創出を目的に、誰もが質の高い教育を平等に受け、働いていくことを支援しています。
※PHONE APPLI  萩明倫館アプリ開発センター(廊下)

現在のカルチャーについて


川嶋
 カルチャーについて言うと、1つ、石原さんに相談したいことがあるんです。

石原 いいよ、何かな?

川嶋 「スピード」の説明にある「即断、即決」の部分について。ここだけ、いまのPAにしっくりこない気がしていて。「即断、即決」ではなく、例えば「最短距離で」とかに変えてはどうかと思うんです。

石原 なるほど~、我々のスタンスとしては、即決できる情報がそろっていれば即決していると思うんだけどね。

川嶋 小さな組織であれば、問題がそれほど込み入っていないので即断・即決でうまくいくと思うんですが、大きい組織、大きいプロジェクトになってくると、即断・即決を積み重ねた結果として余計に時間がかかってしまう事態もあるので。例えば丁寧に考えることで手戻りが少なく結果的には最速になるパターンもあると思っていて。

石原 それはそうだね。

川嶋 全社でのサーベイ※に寄せられたコメントなどを見ていると、経営陣が決めることが、「スピード感」があるいっぽうで、一部のメンバーには「朝令暮改」に見えている、結果的にそうなっているものもあると思います。組織が大きくなるに合わせて伝え方・とらえ方を変え、より良い方向に変わらないかなと思ったりもしているんです。最近のモヤモヤとした悩みですね。

石原 そうだね。カルチャーの表現を今の組織の理想的なあり方に変えるのはいいと思う。

※全社会議では、毎回かならず匿名のサーベイを実施し、
寄せられたコメントには経営陣からフィードバックをおこなう仕組みをとっている。


再び、心理的安全性について


澁市 サーベイといえば、現在PHONE APPLI のサーベイは多くが匿名式が多いですよね。それについてはどう思いますか?

石原 サーベイはいつでもだれでも、自由に率直な意見が言えるいっぽうで、匿名での批判的なコメントが寄せられることで、「経営陣たちの心理的安全性」は低くなってるんじゃないかと思うときはある。経営陣が思っていることを言えなくなると、会社としての面白みも失われちゃうんじゃないかと思ったりするね。

譜久元 「匿名」でのアンケートをやめるのはどうなのかな。

石原
 うーん、サーベイを記名にしてはどうかという意見も出ていて、俺としては、いまは(記名にしても)いいと思っているんだけど。マネージャーたちは真剣に未来を考えてるし、メンバーの意見を聞こうという姿勢もあるから。でも3年とか5年後に、もしそうじゃなくなっていたら?その時、記名の意見しか受け付けないとしたら、どうなるんだろうと。そういう懸念があって、匿名アンケートは残したいと思ってるんだよね。

譜久元 うーん、記名だと本当に誰も言ってくれないのかなぁ。

石原 言ってくれればいいけどさ、今はできていても、いつかのマネージャー陣が「聞く耳を持たない」感じになっていたとしたら、メンバーもあえて記名で発言する気持ちになるかな。

澁市 あらためて心理的安全性とは何か、という話をしてもいいと思います。心理的安全性は「どんな言い方をしてもいい」わけではなくて、突き放すような言い方だったり、対話ができないような伝え方であれば、それはむしろ相互理解を阻害するし、心理的安全性に寄与しているとは言えないんじゃないか?と。

川嶋 僕は、匿名サーベイは残すべきだと思っていて。書き方が「これはどうかな」と思うコメントはありますが。ただ、チェンジマネジメントの考え方で、ケアすべきなのは何か言ってくれる人というのがあって。何も書かない人が一番怖いなと思います。要望や批判を書く人は、変わってほしいとか、その人なり思いがあって書くので、対応の仕方によっては、ファンになってくれる可能性もある。

石原 建設的な批判を、増やしていきたい。会社として、仲間として同じビジョンをめざしたうえでの意見の違いは推奨したいと思うな。

自分たちにとってよい環境を作るために


澁市
 第三者からのフィードバックをふまえた改善はぜひ続けていくべき、と思うのですが、最終「自分にとっての“いい”環境」は、経営陣でも、マネージャーでもなく、自分自身でしか作れないと思います。なので、誰かにフィードバックをするいっぽうで、自分自身でもできることをして、自分で変えていくという思いをもってやっていきたい気持ちがあります。

譜久元 自分の関わっているプロジェクトとか、チームをよりよくしようとみんな思っていれば、全体がだんだんとよくなってくると思う。

澁市 なるほど、「会社を」ではなくまず「身の周り」にフォーカスする、というのもいいかもしれませんね。

譜久元 そのくらいの規模でちゃんとした信頼関係があれば、もし変なこと―たとえば、身に覚えのない「譜久元さんはぜんぜん○○してくれないじゃないですか」とかを言われても、ぜんぜん会話できるし対応できると思うから。全員が、自分が関係する人とその家族くらいまでのことは、大切に考えたほうがいいと思う。

澁市 いいですね。全員が全員に対して心理的安全性を感じることってとてもむずかしい、という意見もありましたものね。​​​​​​​全員に向けて、というのは頑張りすぎているかもしれない。まず、目の前のひとやことにフォーカスして、信頼関係を築くことから始めていくという。

石原 心理的安全性にも、TPO(時間、場所、場面に合わせて言動を使い分けること)があるってことかな。

川嶋 そうかもしれませんね。

澁市 「この人になら、この状況でなら言える」はきっとあるでしょうね。

閉会


澁市
 ありがとうございます。本日はお時間なのでここまで。今回は、前半では「PHONE APPLIの昔と今」について、そして後半では「これからどんな会社でありたいのか」や会社の課題感を話し合っていただきました。

個人的には、”コミュニケーションを円滑に進めることによって「働き方改革」の導入を実現をサポートする会社”であるだけに、コミュニケーションを中心においた話題が多いように感じました。

カルチャーは会社が意図的に作るものもありますが、同時に自然発生的に作り上げられるものがあります。このカルチャーコレクションでは、これからさまざまなメンバの価値観や考えを深掘りしながら、「PHONE APPLIのカルチャー」を形作っていきたいと思います。本日はありがとうございました!


この記事に関する問い合わせ先


株式会社PHONE APPLIは、人の価値を高め、生産性を向上させる”人”中心のクラウドサービス「PHONE APPLI PEOPLE」を主軸とした、コミュニケーションの効率化、働き方改革を実現するサービスを展開しています。

▼ PHONE APPLIコーポレートサイト
https://phoneappli.net/


この記事が参加している募集

人事の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?