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めざせぺぺぺのさいこう傑作『斗起夫』

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2022年12月28日(水)〜12月30日(金)に上演する『斗起夫ー2031年、東京、都市についての物語ー』の創作過程をお伝えします。
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#戯曲

「統べて認める/られる」小池舞

「統べて認める/られる」小池舞

書かなければいけないものほど書けない。
書くためにコーヒーを淹れ、焼き菓子を用意した。
思考はビタ1mmも働いてくれやしない。
逃げ道としての煙草を吸っていればよかったと思う。

判を押したような日々の繰り返しが嫌になって、映画館に逃げていた。
田舎のイオンシネマは空いている。
日中か、夜の変わった時間に行くと、2,3席しか埋まっていない。
世界一美味しいポテトフライが売っていたから、さみしさを紛

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『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑦

『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑦

「今作『斗起夫』について〜情報過多な今を表したい〜」

みやざわ:少し話が変わっちゃうかもしれませんが、動作とかで思っていること。
例えばNのセリフで「司会者が手をたたいた」というセリフがあるのですが、そういうのはいちいち言わなくてもいいじゃないですか。パンパンと手を実際にたたけばいい。

でも、それがいちいち言葉で発語されて説明されるって、なんかすごく、アイロニーかもしれませんが、今っぽくないで

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『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑥

『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑥

「今作『斗起夫』について〜より上演することを意識した戯曲をつくる〜」

なかじま:この8月のワークインプログレスまでで、小説を戯曲にするとお聞きしていて、この後に戯曲を上演作品にする調整があると思うんですけど、

戯曲としての流れや構成も皆でつくったのでしょうか。それとも宮澤さんがつくったのを戯曲として皆が読む形になったのでしょうか。

みやざわ:後者ですね。構成自体は小説と変えてなくて、シーンの

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『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑤

『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑤

「今作『斗起夫』について〜この作品をあつかう集団って?〜」

さとう:このあたりで『斗起夫』について、内容のことや作り方でも構いませんので、感想や質問があったら、聞いてみてもいいですか。

じんぼ:このテキストを渡したときに、俳優陣を含めて意見交換はしたのですか。

みやざわ:渡してからは、1日30分ほど稽古の最初に、テキストから取り上げた1トピックを、車座になって「私はこう思います」という風に意

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『斗起夫』ワークインプログレス座談会③

『斗起夫』ワークインプログレス座談会③

「劇作家の苦悩〜書けない!ときの対処法〜」

さとう:たくさんメモを取ってくれてるんですけど、戯曲書くときもメモを書くんですか?

じんぼ:いやー…。どんだけメモがあっても、(戯曲を)書き始めちゃわないと、書き始めらんないって思います。逆に書き始めてみたら、意外に書けるってことも、ある。

さとう:書けないなって思う時は皆さんどうしてますか?

なかじま:書き始めてこれ以上先に進めないって時と、こ

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『斗起夫』ワークインプログレス座談会②

『斗起夫』ワークインプログレス座談会②

「劇作家の苦悩〜登場人物の登場させ方〜」

さとう:逆に、こういう人物にしようって作り出しているのですか?

みつはし:役割じゃないかな。今回の作品(『斗起夫』)もそうだけど、役割が過多な人が多かった。役割を担うひとっていう感じで作品につれてきて配置するから、別に名前よりも役割で人物を作っています。

さとう:物語をこっちの方向に進めていきたいから、この登場人物を出そうってことですか?

みつはし

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『斗起夫』ワークインプログレス座談会①

『斗起夫』ワークインプログレス座談会①

ぺぺぺの会では、2022年の7月から12月にかけて、『斗起夫ー2031年、東京、都市についての物語ー』の創作に取り組んでいます。

7月から8月のワークインプログレスでは、『斗起夫』を小説から戯曲にしました。12月では戯曲から演劇を立ち上げて、上演します。ワークインプログレスでは、出来上がった戯曲の感想をみなさんに伺い、劇作家の方々が、どうやって戯曲を作っていくのか、戯曲をつくるためにどのような準

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