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「おもちゃとジェンダー」子どものアイデアが爆発!『ピートラ』Vol.82

ピープルで商品企画をずっとやってきて20年の、イノベ乗組員ましもんです。
ピープルのパーパス「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい」
を実現するため、ピープルがおもちゃメーカーとして解決の一端を担いたい社会課題「おもちゃとジェンダー」について、小学生と一緒に考えて世の中に発信する活動を今年挑戦し始めました!

「おもちゃとジェンダー」課題とは?
おままごと、お人形遊び、のりもの、ピンク色など、おもちゃや遊びや色等の記号に対して、なんとなく「男っぽい、女っぽい」イメージがついているものがあり、その逆の性の子ども達が選べない(選ぶことに抵抗がある)という問題。ピープルでは、子ども達が性差関係なく、やりたい遊びを誰に恥じることなく遊べる世の中を実現するため、研究と活動を行っています。

今回は、さくらインターナショナルスクール初等部のサマースクールで、1日2時間半を4日間という、濃いワークショップの時間を小学校1〜6年生約40名と過ごしてきました。

ジェンダーバイアスは商品によってつくられる!?

おもちゃに男・女があるか?
子ども達で自分たちが考える「男用おもちゃ」「女用おもちゃ」を分類してもらうと、なんと、ほぼどのチームも同じ結果に!
低学年も高学年もこちらが用意したジャンルはほぼ同じように分けており、ジェンダーバイアスは自然と根付いていることに改めて気づかされました。

おもちゃを 男・女・どちらでもない で分類

すぐにチーム一致で分類できるものもあれば、迷うものもあり、
「〇〇のロボットは男用だけど、〇〇の女用のロボットもあるよね」
「にんぎょうは、キャラクターによっては男も買える」
など、おもちゃ(商品)の具体的な共通イメージによって、男・女を分けており、子どもたちの中で、どちら向けもあると判断されたものは真ん中に分類されました。
世の中のおもちゃ売り場・商品そのものが与える印象や種類によって子どものジェンダーバイアスを作っていると実感させられる子どもたちのディスカッション。おもちゃメーカーとしての責任を改めて感じました。

こちらが用意したもの以外にも、いろんなおもちゃを分類してくれました。

ジェンダーバイアスの矛盾を発見!

その後、
男の子が女の子用のおもちゃで遊ぶこと、女の子が男の子用のおもちゃで遊ぶことが良いことなのか悪いことなのか聞いてみると、8割以上の子どもが、良いこと!と回答。

ほぼみんな、男の子が女の子のおもちゃで遊ぶことは良い!と回答

理由を聞いてみると、
「自分が好きなおもちゃで遊べばいい」「男も女も関係ない」
高学年は、
「そもそも、男・女の2択で分けることがおかしい」
一方で、男、女で遊びを諦めたことあるか?の問いに対しては、
「妹のままごとで遊びたかったけど、ちょっと男は違うかなと思った」
「親に水色は女の子と止められた」
など、ジェンダーバイアスで周りの影響や自分の判断で諦めている環境があるという声がでてきて・・・
子ども達の中でも、「好きなおもちゃで遊ぶことは自由」という願望(建前)と、世の中のジェンダーバイアスとの間での葛藤が見られ、気持ちがいったりきたり、困惑の様子が伺えました。
まさに、現状の世の中のジェンダーバイアスの縮図(建前では平等だが実態は矛盾)であり、とてもリアルだなと感じました。

ジェンダーバイアスを解決するおもちゃ発明

今あるおもちゃラインナップでは、ジェンダーによって遊ぶのを躊躇してしまったり諦めてしまう現実があること、ただ気持ちとしてはジェンダーで制限されたくない!とジェンダーバイアスの課題になんとなく気づいた子どもたち。
そこで、本題のおもちゃ発明ミッション!!
今、男だから(女だから)と諦めているおもちゃを男(女)でも買えるアイデアを考える!!
自分がままごとを諦めたからままごとを考える男の子
男女ペアで、お互いの意見を取り入れながらどちらでも選択しやすいメイク道具を考えるグループ
女の子でも買いたいロボットを女の子の意見を聞きながら一緒に考える男女ペア

自分とは違う性の子(男の子なら女の子)に意見を取材したり、世の中の男女のバイアスを客観的にインターネットで調べたり、ジェンダーバイアスを意識し多様な視点を取り入れながら、
また、手を動かして制作しながらアイデアを膨らませていった子どもたち。制作時間は2時間弱でしたが、子どもたちの発想力と集中力には脱帽!
エビデンスも捉えつつ試行錯誤でスピーディにいったん時間内でアイデアを形にしていく姿とそれを楽しむ姿に、おもちゃメーカー社員として、おもちゃづくりの楽しさの原点を思い出すと共に、学ぶべき視点がいっぱいありました。

ジェンダーで制限されないおもちゃの選択肢を!

最終的にできたアイデアは、たった2時間で考えたとは思えないくらいの完成度!

・男の子がパスタ作りを熱狂的に楽しめる「あめふりパスタ」ままごと
・女の子でも楽しめるキラキラしたちゃんばらの剣
・女の子でも欲しい着せ替えができてアクセサリーをつけられるロボット
・男・女関係なく好きな色からメイクを提案してくれるメイクグッズ
・男・女関係なく感触を楽しめるボックス

出てきたアイデアの例

考えている途中でも、都度都度ジェンダーを意識して取り入れているアイデア作品は、子どもたちのジェンダーバイアスに対する思いとメッセージがたくさん詰まっています!

子どもたちのアイデアの一部

おもちゃメーカーとしてできること

この取り組みから、まだまだおもちゃメーカーとジェンダー課題で取り組むべきことはたくさんあると感じました。
①ジェンダーにより遊びたいおもちゃで遊べない事実が現状のおもちゃ市場のラインナップによってある
②こうだったら男・女でも選びたいという、性差による好み・関心がある

上記が、子どもたちの声によって明確に意識でき、
自由に選んでいい!と発信し続けるだけでなく、今我慢している遊びが選べる選択肢を商品=おもちゃとして提供したい!と強く思うと同時に、とてもチャンスにも感じました。
ピープルにとって、子ども達の素直な声、アイデアは貴重な財産です。参加してくれた子どもたち、本当にありがとう!
おもちゃメーカーとして「おもちゃとジェンダー」の課題解決に向けて、できることを楽しく考えて続けていきたいな!というパワーを、子どもたちからたくさんもらえた4日間でした!!


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