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子どもが田んぼからおもちゃを作る?!〜中編〜

みなさまこんにちは!

前回に引き続き、先日”ピープル農場”でおこなわれた子どもたちを巻き込んだ田植えイベントについてお伝えしたいと思います。

前回の記事は以下からどうぞ!

北陸193号

さて今回は、子どもたちとおこなった田植えの様子を詳しくお届けしていきたいと思いますが、まずはじめにちょっとした前置き情報から。

”ピープル農場”で育てるお米は、やがておもちゃとなるお米。
通常よく目にする食用のお米とは品種が異なります。

昨年は”新潟次郎”という名前の工業用米を育てたのですが、今年は品種を変え”北陸193号”というお米に。
こちらも同じく工業米ですが、”新潟次郎”とは栽培期間が異なります。
一般的に早生(わせ)といわれる、田植えから収穫までの期間が短い”新潟次郎”に対して、”北陸193号”はその期間が長い晩生(おくて)といわれる品種です。
今回はスケジュールの都合上、晩生を採用することになりました。

この”北陸193号”が”お米のおもちゃ”の原料として使われることになりますが、これだけではなく、全国各地のお米がその原料として用いられています。
その中には、米菓を作るときに発生した砕米などのもともと食用として使われるはずだったお米も含まれますので、同じお米でも品種が異なるものがさまざま”お米のおもちゃ”の原料となっているわけです。

”ピープル農場”のお米はあらかじめおもちゃの原料として栽培しているため工業米を使うのですが、食用と違って生育にあまり手間がかからないのがその特徴。
ですが、実はメリットはそれだけではありません。
昨今取り沙汰される、農家不足やお米の消費量の減少、それにともなう耕作放棄地の増加といった課題に対して、食用以外でのお米の活用というのは一つの解決策となります。
使われない土地を活用することができ、効率よく生産され、新たな販路を開拓してくれる工業米は、日本の農業問題にとっての一つの明るい兆しとなりうるのです。

「”北陸193号”の苗(23年5月)」

子どもたちとの田植え体験

前回の記事も含め、すこし前置きが長くなりましたが、、
いよいよ田植えの様子について。

「大自然の中の”ピープル農場”(23年5月)」

朝早くに首都圏近郊から新潟県まではるばるやってきた一同ですが、現地に着くやいなや興奮気味の様子。
普段見慣れない大自然に、それだけでテンションが上がってしまいます。

子どもたちは田んぼに向かうまでの畦道ですでにはしゃぎつつあり、道中の虫やカエルに早くも気を取られます。
中には虫取り用の網を持参してきた子も。
子どもたちの張り切り具合に喜びつつも、本題である田植えに意識を向けようと生き物たちから注意をそらしながら、なんとか目的の田んぼまでたどり着きました。

それぞれ用意してきた田植え用の服装(汚れてもいいTシャツ&短パン)に着替え、タオルや帽子などの暑さ対策もおこない、裸足になったら準備完了!

今回も、普段から”ピープル農場”でのお米の栽培をしてくださっている農家の高野さんに田植えのやり方をレクチャーしていただきました。

「田植えのレクチャーを受ける子どもたち(23年5月)」

レクチャーを聞く子どもたちは、はしゃぐ心をおさえてか、とてもまじめな様子。
近くに親の目があるせい?かはわかりませんが、みんなとてもいい子たちです。笑

ちなみに今回参加してくれた子どもたちは全員、社員や同行してくださったカメラマンさんなどのご家族。
下は1歳から上は12歳までの幅広い年齢層の子どもたち11人が集まり、当日初めて会う人たちばかりの中で、みんなのびのびと元気に参加してくれました。

レクチャーを終え、いざ田んぼに入る時がやってきました。
学校の授業で経験がある子もいましたが、大人も含めてその場にいるほとんどが田んぼ初体験。
初めての田んぼに一体どんなリアクションをするのだろうと楽しみにしていましたが、聞こえてきたのは慣れない泥の感触に対する子どもたちの「キャー」という悲鳴や「気持ち悪い」という率直な感想でした。

しかし、素直なだけでなく、順応がはやいのも子どもたちならでは。
最初は抵抗感があったものの一度入ってしまえばあっという間に慣れた様子で、ずかずかと田んぼに入っていきます。

「植える位置に目印をつける高野さん(23年5月)」

今回我々が植えやすいように農家の高野さんが前もって田んぼの泥に、植える位置の目安となる跡をつけてくれました。
みんなその目印に合わせて、一人一列ずつまっすぐに植えていくのですが、なんと子どもの方が大人よりも植えるのが圧倒的に速い!
これも子どもの順応力の高さゆえなのか、子どもたちのポテンシャルに驚かされました。

「どんどんと植え進める子どもたち(23年5月)」
「子どもに置いていかれる大人たち(23年5月)」

田植えの最中には、畦道でも出会ったカエルなどの生き物たちとも再び遭遇。
苦手そうな子もいましたが、生き物たちとの触れ合いも楽しみながら田植えをおこないました。

「カエルと触れ合う子ども(23年5月)」

今回、さすがに1歳の子は田んぼには入れませんでしたが、田んぼの傍でパパやママと一緒にみんなが植える様子を見守ってくれました。

そして大人よりもいち早く植え終えた子どもたちはというと、休むことなく今度は大人たちのお手伝いを始めます。
手持ちの苗がなくなったところに新しい苗を運んで届けるという大変な役回りを自ら進んでおこなってくれたのです。
このあたりの子どもたちの自主性にも驚きと感動がありました。

そんなこんなで1時間以上がたち、大人たちも自分の列を植え終えたのですが、終わってみると田んぼのほぼ一面を植えつくすという想像以上の結果に!

「総勢33名で田んぼのほぼ一面を手植え(23年5月)」

当初は1時間くらいで半分植えられればいいかなぁくらいの想定でしたが、全員が熱中し取り組んでくれたおかげで、いい意味で予想外の成果を得ました。
植えられなかった一部は後で高野さんが植えてくださることに。

田植えを終えた一同は、田んぼの脇に流れる用水路で手足を洗い流しひと段落。
途中田んぼの中で転んだ子もいましたが、泥だらけになりながら最後まで一生懸命やったおかげか、なんだかみんな充実感ある顔つきをしているように見えました。

お米の青空教室

そして、たくさん体を動かした後は少しだけお勉強の時間。
「お米についてもっと知識を深めよう!」ということで、お米に関する疑問を高野さんにお答えいただくコーナー、題して「お米の青空教室」を開催!
子どもたちからの質問に、高野さんが分かりやすくお答えしてくれました。

「お米の青空教室を開催(23年5月)」
「高野さんの話を熱心に聞く子どもたち(23年5月)」

子どもたちからは、「ごはんはなんでもちもちでおいしいんですか?」、「おこめをつくるのでいちばんたいへんなことはなんですか?」、「おこめのねだんはむかしは何円でしたか?」などなど、素朴なものから具体的なものまでさまざまな質問が飛び出しました。
普段の幼稚園や保育園、学校では教わらないような話を真剣なまなざしで聞く様子はとても印象的でした。

体験を通して

そうして”ピープル農場”での田植え体験を一通り終えたのですが、この体験の中だけでも、はしゃいだり、真剣になったり、嫌がったり、驚いたり、楽しんだり、落ち着いたりといろんな表情を見せてくれた子どもたち。
子どもって本当に豊かな感性をそれぞれ持っているんだなぁということを再認識させられました。
そして大人にはまねできないような、大人をも上回るような、そんな彼らにしかないパワフルさを子どもたちが秘めていることを知りました。
親の目線からでも自分の子どもへの新たな発見があったようで、普段とは違う非日常の体験が新鮮な姿を見させてくれたのかもしれません。
短い時間の中でしたが、子どもたちのいろいろな姿を見て大人たちはたくさんのいい刺激を受けました。
子どもたちにとってもきっと価値ある体験になったと思います。

実はこのあともさらにイベントは続き、そこでも子どもたちはいろいろな表情を見せてくれたのですが、今回の記事でまとめきれず、、
そちらについてはまた次の記事でご紹介させていただきます。

ですが、その田植え体験後のイベントの様子も含め、この日の一日をまとめたダイジェストムービーがございますので、最後にそちらをぜひご覧ください!
ここまでお読みいただいた方ありがとうございました!
それではまた!

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