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陽気なおじちゃんが英語学習へのモチベーションを上げてくれたのです。

ヒューストンでの学会期間中の昼食は、大きなパーティルームに着席して小洒落たランチコースを食べることになっていた。

7人掛けの丸テーブルが会場内に無数にあり、そこに各自が自由に着席して食べる方式だった。

テーブルの上にはすでに前菜のサラダとデザートが並べられており、私と同行した後輩2人の3人で、先んじて誰もいないテーブルに座ると、ウェイターが近づいてきて、サラダにドレッシングをかけてくれた。

それらを嗜むように食べ進めていると、どこからともなく1人のノリの良い気さくな英国風のおじちゃんが現れ、我々に話しかけてきた。

それぞれの名前を聞いて握手すると、私の隣に座った。こういう学会のランチタイムでは、これまで全く面識のなかった知らない人と同席する感覚が新鮮である。

それから、どこから来たのかとか、普段はどこで何をしているのかとか、いくつか挨拶代わりの会話を交わした。

また、私はその日の午後に、後輩2人は翌日に発表を控えていたので、緊張するなぁと言うと、「大丈夫だ、完璧な発表などない、気負いせずにやりなさい」という主旨のことを言ってくれた。

ここでの会話を通して、ある程度簡単な英会話であれば、話せばきちんと通じるのだ、という実感を得ることができた。

もちろん、そのおじちゃんがしっかり聴こうとしてくれている、という姿勢のおかげもあると思うが、なんだかこれがコミュニケーションの本質なのではないか、と思った。

旅費や参加費は誰が出したのか、と聞かれたから、研究室のお金で来ている、というと、「それは良い投資だ」と言われた。

ここでもやはり、「教育とは投資である」ということが語られた。今回の学会はかなり規模が大きかったこともあり、会場内には我々のような若手世代の人間は少なかったように思う。色々な幸運が重なって今回の渡航が実現したことには、本当に感謝しなければならない。

ランチタイムの後半に差し掛かったあたりで、例のおじちゃんから、今度は、日本の今後のエネルギー政策や環境政策がどうなっているか、と聞かれた。

それについて丁寧に答えることはできなかったが、こういうトークを自然に英語でできるようにならなければならない、と思った。

しかし、総じて言えば、ここに来る前の自分に比較すれば、英語が「伝わる実感を得られた」という観点で学びと前進があったと思う。

なぜだかわからないけれど、これを得たことで、少し英語学習へのモチベーションを持ち直したかもしれない、と思った。

停滞していた英語力を前に進めるために必要だったのは、「自分の英語で自分の意図が確かに伝わっている」という実感を持つことだったのだと思う。

この感覚を大事にして、自分のまだまだ低い英語レベルを少しずつ上げていきたいと思った。

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