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Surf the Powder | 白馬の極上パウダースノー

パウダースノーの上を板で滑ると、それはもう忘れられない浮遊するような感触で。

長野県白馬村にあるスキー場には、この極上感を味わえる数々のゲレンデがあり、降雪の翌日にはスキー場上部リフトには国際色豊かな面々が長蛇の列をつくる。北アルプスの山々の最北端エリアの麓。長野県でも北部に位置していて豪雪地帯と呼ばれる北陸にほど近いこの地域は冬季には雪が降りやすい。白馬村の麓の標高は700mほどで平均気温が低いので、そこに降る雪は軽く、握っても球ができないほどにサラサラとしている、文字通りのパウダースノー。これがトップシーズンには3m程も積もっている日本でも有数のウィンタースポーツのメッカだ。

1998年に冬季オリンピックが開催された名残り
白馬八方尾根の上部エリア。風景が雄大で思わず息を呑む美しさ。

そんなパウダースノーの魅力に取り憑かれている私。1月下旬から2月のトップシーズンになると、毎日天気予報のチェックは欠かさない。フレッシュな新雪パウダースノーを滑るベストなタイミングは前日午後に雪+翌日が晴れまたは晴れのち曇り+風が弱い日。この三つの条件が揃う日は1年でも数日だけで、パウダー好きは「The day」と呼ぶ。前日が雪でも、当日が雪だと視界が悪く、風が強いと上部リフトは確実に止まり悔しい思いをすることになる。

PEBLWEARの拠点にしているここ松本市は長野県の中部地方。標高は白馬村と同じくらいで冬の寒い日はマイナス15℃を超える日もあるほど冷え込む。ただ晴天率は沖縄に次いで高く、高い山に囲まれているため、雲が遮られて雪が極端に少ない。地元エリアではパウダー好きにとっての好条件は滅多に揃わないので、白馬村まで北へ2,3時間車を走らせてこのパウダースノーを味わいに行く。

全く雪のない松本から1時間ほど走ると白銀の世界に

2月のとある日にこの好条件がぴったり当てはまる予報が出たのでドキドキしながら夜の早めに布団に入った。翌朝5時の天気予報は晴れ時々曇り。いける、と判断してサッと朝食を済ませ、スノーウェアをまとって車に乗り込む。辺りはまだ暗い。

スキー場のリフトは朝8時半から動き出す。この時間には同じ類の人たちが集まり駐車場は6割ほど車で埋まる。スキー場の安全確認の都合などもあり新雪フカフカ非圧雪エリアのあるコース上部のリフトが動き出すのは9時前後が多い。まずは中腹辺りのコース脇に溜まった新雪をまったりと味わい、9時に動き出すリフトの列に並ぶことになる。大抵こういった日には新雪狙いの人々が大勢集まっているので、長蛇の列が出来上がる。

圧雪していないフワフワの新雪の上には、板で滑った後に30㎝位の凹み跡ができる。基本的にはこれを避けたり、凹みの段差を越えたりしながら滑るのだが、滑り跡のないエリアに一番乗りできた場合には自由にコース取りができる上に、段差を越える衝撃が無い。パウダースノーの浮遊感を、滑っている間ずーっと味わえるのでパウダー好きは皆このファーストトラックの体験を求めている。非圧雪エリアのあるリフト前には運行前から我先にと列をつくり、リフトを降りると急いでコースへと滑り出していく。そういった意味で少し血の気の高い雰囲気になる。そして一度コースを滑り出すと、並んでいた時のぎゅうぎゅうとした雰囲気から解き放たれ、広大なゲレンデと雄大な風景が迎え入れてくれる。

方々から「ヒャッホー」といった叫び声が聞こえてくる。普段、こんなにも気持ちが高揚している人々が集まっている状況はなかなかない。その後のリフトでも高揚感を共有しているので、見ず知らずの他人でも自然と会話が弾んだりする。不思議で幸せな時間。

一通り新雪エリアを滑り終えたら、気持ちよくまたまったりと圧雪エリアを滑る。おなかが空くまで、思うままに滑ったりターンの感触を確認しながらエッジを効かせて滑ってもいい。

そんな気持ちのいい午前中。音楽を聴きながら滑ると尚心地いい時間が過ごせるのではと思い、PEBLWEAR Wearable Remoteをウェアのポケットに入れ、スマホのスピーカら音楽を流しながら滑ってみた。これがすごくいいので少しだけご紹介。

小石のようなミュージックリモコン Wearable Remote をウェアの袖ポケットに、スマートフォンを胸ポケットに入れ、スマホ内蔵スピーカーでカジュアルに音楽を聴く
Wearable Remoteはポケットの薄い生地の上から、タッチ対応のグローブで快適に操作できた。手元を見ずに曲送りや音量調整、再生停止ができるので、好みの曲にしたり、サッと再生停止したりできたりと、音楽を聴きながら心地いいライドが楽しめた。
流れる雄大な風景と空気に溶け込む音楽に合わせてターンを切るとそこには至福の時間が流れていた

その後は空腹感と共にスキー場を離れ、簡単に昼食を済ませて昼下がりには自宅に到着。ここ数年は温暖化が進みを感じる気候で、白馬でのベストシーズンも短くなりつつあることを感じる。あと何度これほどに心地いい時間が過ごせるだろうか。自然と関わるアクティビティーを通して、今の地球環境に対して何ができるのかを考えたりもする。

スキー人口が減少していると言われる中でもインバウンド需要もあり白馬の冬は半分海外のような雰囲気に包まれつつ、心身ともに元気になれる場所。皆さんも一度、いや何度でも、ウィンタースポーツと白銀の大自然を楽しみに出かけてみませんか。

PEBLWEAR | クリエイター
赤塚 雄平


今回も独自に開発したプロダクトのフィールドテストがサブの目的。実際のフィールドで実際に役立てることで見えてくる使い方や気づき。そこから生み出される、ミニマルで心地いいプロダクトを目指して、日々開発と制作を行っています。もしご興味ありましたらPEBLWEARついてもご覧ください!

現代のデジタルUIを物理デバイスとして仕立てたオーディオコントローラー。2022年度グッドデザイン賞受賞。ポケットの上からスマホの音楽アプリをサッと操作できる。立ち止まったりスマホの画面を確認する必要がなくなり、気持ちよく音楽を楽しめた。

PEBLWEARついて
プロダクト作家がつくった2022年度グッドデザイン賞受賞のプロダクトブランド。適量生産で1点ずつハンドメイドで組み上げるウェアラブルリモコンなど。リンク先から製作オーダー頂けます。
Made in Matsumoto Nagano Japan.

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