共同創作サイト『SCP財団』で活動しています。 様々な理由で上記サイトに載せるには至ら…

共同創作サイト『SCP財団』で活動しています。 様々な理由で上記サイトに載せるには至らなかったおはなしや、怪談関係の二次創作などを、此処に掲載しています。

記事一覧

禍話リライト: 忌魅恐NEO「地蔵の写真を集めている奴の話」

友達と袂を分かった。 って話なんですよ、簡単に言うとね。 高校時代に結構ワルな友達がいて。 小中は違って高校ではじめて知り合って、 僕は悪くもなく普通の生徒だった…

梨
1か月前
362

梨 制作物アーカイブ(2023)

この記事に書けそうなものを羅列します そのため割愛しているものもあります 制作物ではないですが、ことしからリトリンをハブとして設置しました 小説 単著『6』(玄光社…

梨
4か月前
187

禍話リライト「飛び込みの石」

昔々の話なんですけど。 田舎の山奥の方に線路が走ってて、 そこにとある踏切があったんですって。 それが、悪い意味でちょうどいいところにある踏切で。 列車からはよく…

梨
1年前
318

禍話リライト: 忌魅恐NEO「現実の残酷さを知る授業の話」

とある方の思い出の話、なんですけどね。 仮に、その男性の名前をGさんとしておきます。 今は大学生のGさんには、中学時代の変な思い出があって。 なんでも、授業で変な…

梨
1年前
589

梨 制作物アーカイブ(2022)

この記事に書けそうなものを羅列します そのため割愛しているものもあります 見出し画像にはこちらを加工したものを使用しています(もし冬コミに出ていたら出す予定だった…

梨
1年前
390

第三回「梨雪」怪談文学賞 選評

はじめに(本ページの説明) 「梨雪」怪談文学賞とは。 共同怪奇創作サイト、SCP財団で筆者が主催している非公式のコンテスト。 「怪談」をテーマに一定期間作品を募集し、…

梨
1年前
154

禍話リライト「なぞる部屋」

骨折しちゃいましてね、足首を。 その体験者の方、Fさんっていう女性なんですけど。 会社でばりばりに仕事されてる、今は四十くらいの方で、 その方が三十五、六ぐらいの時…

梨
1年前
591

禍話リライト: 忌魅恐「ただ静かに見ている人たち」

これは、関東地方の話、ということにしましょう。 関東のとある地域に、安めのアパートが乱立しているような場所がありまして。 車が一台通れるかな、みたいな狭苦しい道に…

梨
1年前
497

禍話リライト「娘のいない家」

「どこの県の話かは知らないんですけど、 この話をしたひとの訛りはたぶん九州なんですよね」 そう前置きして、Kさんはとある家──正確には団地、の話を始めた。 そのま…

梨
2年前
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瘤談

※この記事内に登場する人名などは、一部を除き仮名にしています。 みないことえ それわだめだあよ昨年の十一月某日。私は、福岡県でフリーランスのWebライターをしてい…

梨
3年前
4,411

むこう側の顔

よく怪談で、パソコンで深夜に怖い話のサイトとか見てたりすると、たまに聞く話なんですけど。 さあもう寝ようってシャットダウンして、画面が暗転したらそこにいるはずの…

梨
3年前
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呪詛代行

呪詛代行、という言葉がある。 誰かを不幸にしたい、呪いたいという人々の依頼を請け負い、代行してその対象に呪いをかけるというもので、インターネット上で検索を書ける…

梨
3年前
581

正月に食べたもの

郷土料理、という言葉がある通り、料理には地域性や家族単位での文化の違いが出るものである。 例えばお雑煮。長崎では「具雑煮」という、大根やら魚やら鶏肉やら白菜やら…

梨
3年前
394

或る体験談

私もよく心霊スポットとかに行くんですけど、何かが起こることって滅多にないんですよね。 その時も九州にある某スポット、まあトンネルですね。山道を入ったところにあっ…

梨
3年前
491

整体師の見た痣

私、もう怪談を書いたり喋ったりするのが好きなんで、旅行先とかで仲良くなった人とかにも、「なんか怖い話とか不思議な話ってありませんか?」とか、聞いちゃうんですよね…

梨
3年前
375

サンルーフの上で

これはですね。私の友人から、実際に聞いた話です。 私の友人、男性なんですけど、仮にAさんとしておきます。大学の同期何人かで、今年の2月ぐらいに、男性3女性2って言っ…

梨
3年前
440
禍話リライト: 忌魅恐NEO「地蔵の写真を集めている奴の話」

禍話リライト: 忌魅恐NEO「地蔵の写真を集めている奴の話」

友達と袂を分かった。
って話なんですよ、簡単に言うとね。

高校時代に結構ワルな友達がいて。

小中は違って高校ではじめて知り合って、
僕は悪くもなく普通の生徒だったんだけど、
すごく馬が合ったんです。
家にお互い行き来して泊まったりするぐらい仲良くて。

その人の家ではお父さんが明るく迎えてくれて、
そこはそれなりに広い家なんです。

あ、家がお金持ってるタイプのヤンキーか、
とか思ったのを覚え

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梨 制作物アーカイブ(2023)

梨 制作物アーカイブ(2023)

この記事に書けそうなものを羅列します
そのため割愛しているものもあります
制作物ではないですが、ことしからリトリンをハブとして設置しました

小説

単著『6』(玄光社)
共著『その怪文書を読みましたか』(太田出版)
翻訳本『真可憐(笑)』(皇冠文化出版)
※『かわいそ笑』の繁体中国語訳
短篇「民法第961条」(アンソロ『ジャンル特化型 ホラーの扉』)寄稿
短篇「LOGGED IN」(『怪と幽 v

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禍話リライト「飛び込みの石」

禍話リライト「飛び込みの石」

昔々の話なんですけど。

田舎の山奥の方に線路が走ってて、
そこにとある踏切があったんですって。

それが、悪い意味でちょうどいいところにある踏切で。
列車からはよく見えなくて、山奥で人も通らないから、
飛び込み自殺の名所になっていたらしくて。
年に一、二回、そういうことが起こってたんですって。

今だったら然るべき人たちが後処理をするんでしょうけど、
これは昔の、田舎の話だから。
みんなで後処理

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禍話リライト: 忌魅恐NEO「現実の残酷さを知る授業の話」

禍話リライト: 忌魅恐NEO「現実の残酷さを知る授業の話」

とある方の思い出の話、なんですけどね。

仮に、その男性の名前をGさんとしておきます。

今は大学生のGさんには、中学時代の変な思い出があって。

なんでも、授業で変なことをした記憶がずっとあったんですって。

というのも、ある日の授業時間中にわざわざ特別教室に行って。

そこで黒い遮光カーテンで窓を閉め切って、

プロジェクターでスライドを見せられたらしくて。

そのスライドを使って、クラスの皆

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梨 制作物アーカイブ(2022)

梨 制作物アーカイブ(2022)

この記事に書けそうなものを羅列します
そのため割愛しているものもあります
見出し画像にはこちらを加工したものを使用しています(もし冬コミに出ていたら出す予定だった怪談本の宣伝画像のひとつです)

SCP関連

1: Tale「カンテサンス」及び関連画像「███████画像1-37-5」
2: niconico「カンテサンス動画2-14-3(1)」

オモコロ関連

3: にま
4: く
5: うす

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第三回「梨雪」怪談文学賞 選評

第三回「梨雪」怪談文学賞 選評

はじめに(本ページの説明)

「梨雪」怪談文学賞とは。
共同怪奇創作サイト、SCP財団で筆者が主催している非公式のコンテスト。
「怪談」をテーマに一定期間作品を募集し、サイト内の投票制度によって得られた点数の合計が最も高かったものが優勝となる。
SCP財団における執筆ジャンルの一つ「依談」の創設者が開催しているため、第二回大会以降は部門賞として「泥梨」依談文学賞を併催している。

SCP財団という

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禍話リライト「なぞる部屋」

禍話リライト「なぞる部屋」

骨折しちゃいましてね、足首を。
その体験者の方、Fさんっていう女性なんですけど。
会社でばりばりに仕事されてる、今は四十くらいの方で、
その方が三十五、六ぐらいの時の、だから四、五年前の話なんです。

不慮の事故で足首を骨折してしまって、一か月自宅療養という話になったんですけど、
それまでばりばり仕事してた人が突然の事故でそうなっちゃったから、
急にやることがなくなったんですよ。
家で勿論仕事もす

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禍話リライト: 忌魅恐「ただ静かに見ている人たち」

禍話リライト: 忌魅恐「ただ静かに見ている人たち」

これは、関東地方の話、ということにしましょう。
関東のとある地域に、安めのアパートが乱立しているような場所がありまして。
車が一台通れるかな、みたいな狭苦しい道に、
三、四階建ての古いアパートが密集してる、そういうところ。
住んでる人は外国人労働者とかが多いらしくて、
“ATTENTION”とか貼り紙がしてあるような。
まあよくある安アパートですよね。

そのうちの一棟に引っ越した奴がいて。
まえ

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禍話リライト「娘のいない家」

禍話リライト「娘のいない家」

「どこの県の話かは知らないんですけど、
この話をしたひとの訛りはたぶん九州なんですよね」

そう前置きして、Kさんはとある家──正確には団地、の話を始めた。

そのまあ、たぶん九州のどこかに、古い団地があって。
古い団地だから、今までに何度も改装が入ってるんですって。
集合玄関にスロープが出来たり、
階段が老朽化して流石にやべえだろってなって、エレベーターを入れたり。
そういうふうに内装は結構変わ

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瘤談

瘤談

※この記事内に登場する人名などは、一部を除き仮名にしています。

みないことえ それわだめだあよ昨年の十一月某日。私は、福岡県でフリーランスのWebライターをしている四津さんという友人から「相談したいことがある」とメールを貰いました。

四津さんは私よりも数個年上の男性で、怪談やホラーばかりを執筆している私とは違って、生活に根差したエッセイやテック関係のコラムなどを書いている方です。彼と何かの趣味

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むこう側の顔

よく怪談で、パソコンで深夜に怖い話のサイトとか見てたりすると、たまに聞く話なんですけど。

さあもう寝ようってシャットダウンして、画面が暗転したらそこにいるはずのない人の影が映ってた……みたいな話、あるじゃないですか。

これは、私の友人から聞いた話なんですけど。

その人を、仮にMさんとします。Mさんは、とある男性アイドルグループが好きで。もうCDとかライブのDVDは揃えてるっていうのは当たり前

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呪詛代行

呪詛代行、という言葉がある。

誰かを不幸にしたい、呪いたいという人々の依頼を請け負い、代行してその対象に呪いをかけるというもので、インターネット上で検索を書けると幾つかの業者が見つかる。

実は、そういったことを本業にしている人は余り居らず、基本的には厄払いなどを本業にしている人が、その傍らで「どうしても厄払いでは気持ちが収まらない」或いは「どうしても誰かに不幸になって欲しい」という依頼者のため

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正月に食べたもの

郷土料理、という言葉がある通り、料理には地域性や家族単位での文化の違いが出るものである。

例えばお雑煮。長崎では「具雑煮」という、大根やら魚やら鶏肉やら白菜やら、色んな物をごちゃごちゃに、「あごだし」と呼ばれるトビウオの出汁で煮る。冬場に冷蔵庫の余り物を一気に消費する、といった意味合いがあってのものと思われる。どちらかというと、飲むための汁物というよりも、食べるための煮物に近い。

地域に根差し

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或る体験談

私もよく心霊スポットとかに行くんですけど、何かが起こることって滅多にないんですよね。

その時も九州にある某スポット、まあトンネルですね。山道を入ったところにあって、ライトを消すとやばいとか、繋がらないはずのラジオから知らない声が聞こえるとか、まあよくあるやつですよ。で、そこに三、四人で深夜行った事があるんですけど、特に何も起きなくて。
何十分か山道をぐるぐる回ったりもしたんですけど、ほんとに何も

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整体師の見た痣

私、もう怪談を書いたり喋ったりするのが好きなんで、旅行先とかで仲良くなった人とかにも、「なんか怖い話とか不思議な話ってありませんか?」とか、聞いちゃうんですよね。
で、その中で、そういう体験をしやすい職業っていうのが、なんとなくの傾向としてあるなーって思ってて。ほら、よくタクシー運転手とかが怪談を持ってるみたいに言われたりするじゃないですか。
でも私が聴いていく中では、意外とタクシー運転手の方って

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サンルーフの上で

これはですね。私の友人から、実際に聞いた話です。
私の友人、男性なんですけど、仮にAさんとしておきます。大学の同期何人かで、今年の2月ぐらいに、男性3女性2って言ってましたね、5人乗りのレンタカーを借りて。九州から確か名古屋だかに、何泊か旅行に行ったらしいんですよね。

で、まあ旅行自体はそれなりに楽しく、特に異常もなく終わって。何日かたった後にですね。旅行から帰ってきた、そのAさんが、私にちょっ

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