共同創作サイト『SCP財団』で活動しています。 様々な理由で上記サイトに載せるには至ら…

共同創作サイト『SCP財団』で活動しています。 様々な理由で上記サイトに載せるには至らなかったおはなしや、怪談関係の二次創作などを、此処に掲載しています。

最近の記事

梨 制作物アーカイブ(2023)

この記事に書けそうなものを羅列します そのため割愛しているものもあります 制作物ではないですが、ことしからリトリンをハブとして設置しました 小説 単著『6』(玄光社) 共著『その怪文書を読みましたか』(太田出版) 翻訳本『真可憐(笑)』(皇冠文化出版) ※『かわいそ笑』の繁体中国語訳 短篇「民法第961条」(アンソロ『ジャンル特化型 ホラーの扉』)寄稿 短篇「LOGGED IN」(『怪と幽 vol.13 2023年5月』寄稿) オモコロ関連 ふり Araneid CR

    • 禍話リライト「飛び込みの石」

      昔々の話なんですけど。 田舎の山奥の方に線路が走ってて、 そこにとある踏切があったんですって。 それが、悪い意味でちょうどいいところにある踏切で。 列車からはよく見えなくて、山奥で人も通らないから、 飛び込み自殺の名所になっていたらしくて。 年に一、二回、そういうことが起こってたんですって。 今だったら然るべき人たちが後処理をするんでしょうけど、 これは昔の、田舎の話だから。 みんなで後処理の手伝いをする、 地域で協力し合う、って習慣があったんですって。 いまはもう定年

      • 禍話リライト: 忌魅恐NEO「現実の残酷さを知る授業の話」

        とある方の思い出の話、なんですけどね。 仮に、その男性の名前をGさんとしておきます。 今は大学生のGさんには、中学時代の変な思い出があって。 なんでも、授業で変なことをした記憶がずっとあったんですって。 というのも、ある日の授業時間中にわざわざ特別教室に行って。 そこで黒い遮光カーテンで窓を閉め切って、 プロジェクターでスライドを見せられたらしくて。 そのスライドを使って、クラスの皆は次々と───家族写真を見せられた、と。 最初は大家族の集合写真だったのが、段

        • 梨 制作物アーカイブ(2022)

          この記事に書けそうなものを羅列します そのため割愛しているものもあります 見出し画像にはこちらを加工したものを使用しています(もし冬コミに出ていたら出す予定だった怪談本の宣伝画像のひとつです) SCP関連 1: Tale「カンテサンス」及び関連画像「███████画像1-37-5」 2: niconico「カンテサンス動画2-14-3(1)」 オモコロ関連 3: にま 4: く 5: うすねぶり 6: が ほか 7: 璃々菓 本名 8: おにかいぼ 漫画 9: 漫

        梨 制作物アーカイブ(2023)

          第三回「梨雪」怪談文学賞 選評

          はじめに(本ページの説明) 「梨雪」怪談文学賞とは。 共同怪奇創作サイト、SCP財団で筆者が主催している非公式のコンテスト。 「怪談」をテーマに一定期間作品を募集し、サイト内の投票制度によって得られた点数の合計が最も高かったものが優勝となる。 SCP財団における執筆ジャンルの一つ「依談」の創設者が開催しているため、第二回大会以降は部門賞として「泥梨」依談文学賞を併催している。 SCP財団という枠組みの中で、最も怖く面白い怪談を決めるための催しである。 第三回「梨雪」怪談

          第三回「梨雪」怪談文学賞 選評

          禍話リライト「なぞる部屋」

          骨折しちゃいましてね、足首を。 その体験者の方、Fさんっていう女性なんですけど。 会社でばりばりに仕事されてる、今は四十くらいの方で、 その方が三十五、六ぐらいの時の、だから四、五年前の話なんです。 不慮の事故で足首を骨折してしまって、一か月自宅療養という話になったんですけど、 それまでばりばり仕事してた人が突然の事故でそうなっちゃったから、 急にやることがなくなったんですよ。 家で勿論仕事もするんだけど、例えば日中、 平日の昼間にぼおっとワイドショー観ることなんてそれまで

          禍話リライト「なぞる部屋」

          禍話リライト: 忌魅恐「ただ静かに見ている人たち」

          これは、関東地方の話、ということにしましょう。 関東のとある地域に、安めのアパートが乱立しているような場所がありまして。 車が一台通れるかな、みたいな狭苦しい道に、 三、四階建ての古いアパートが密集してる、そういうところ。 住んでる人は外国人労働者とかが多いらしくて、 “ATTENTION”とか貼り紙がしてあるような。 まあよくある安アパートですよね。 そのうちの一棟に引っ越した奴がいて。 まえのアパートの別の階が火事になっちゃったらしくて、 それで引っ越さざるを得なくなっ

          禍話リライト: 忌魅恐「ただ静かに見ている人たち」

          禍話リライト「娘のいない家」

          「どこの県の話かは知らないんですけど、 この話をしたひとの訛りはたぶん九州なんですよね」 そう前置きして、Kさんはとある家──正確には団地、の話を始めた。 そのまあ、たぶん九州のどこかに、古い団地があって。 古い団地だから、今までに何度も改装が入ってるんですって。 集合玄関にスロープが出来たり、 階段が老朽化して流石にやべえだろってなって、エレベーターを入れたり。 そういうふうに内装は結構変わってるらしいんですけど、 何故か大通りに面したとこの外壁だけが、ずうっとそのまま

          禍話リライト「娘のいない家」

          瘤談

          ※この記事内に登場する人名などは、一部を除き仮名にしています。 みないことえ それわだめだあよ昨年の十一月某日。私は、福岡県でフリーランスのWebライターをしている四津さんという友人から「相談したいことがある」とメールを貰いました。 四津さんは私よりも数個年上の男性で、怪談やホラーばかりを執筆している私とは違って、生活に根差したエッセイやテック関係のコラムなどを書いている方です。彼と何かの趣味の話をすることはあっても相談を受けたりすることはまず無かったため、少しばかりの驚

          瘤談

          むこう側の顔

          よく怪談で、パソコンで深夜に怖い話のサイトとか見てたりすると、たまに聞く話なんですけど。 さあもう寝ようってシャットダウンして、画面が暗転したらそこにいるはずのない人の影が映ってた……みたいな話、あるじゃないですか。 これは、私の友人から聞いた話なんですけど。 その人を、仮にMさんとします。Mさんは、とある男性アイドルグループが好きで。もうCDとかライブのDVDは揃えてるっていうのは当たり前で、タペストリーみたいなやつとかタオルとかポスターとか、そういうのを部屋の壁とか

          むこう側の顔

          呪詛代行

          呪詛代行、という言葉がある。 誰かを不幸にしたい、呪いたいという人々の依頼を請け負い、代行してその対象に呪いをかけるというもので、インターネット上で検索を書けると幾つかの業者が見つかる。 実は、そういったことを本業にしている人は余り居らず、基本的には厄払いなどを本業にしている人が、その傍らで「どうしても厄払いでは気持ちが収まらない」或いは「どうしても誰かに不幸になって欲しい」という依頼者のために呪詛代行を兼業しているというパターンが殆どなのである。 また、そういった人た

          呪詛代行

          正月に食べたもの

          郷土料理、という言葉がある通り、料理には地域性や家族単位での文化の違いが出るものである。 例えばお雑煮。長崎では「具雑煮」という、大根やら魚やら鶏肉やら白菜やら、色んな物をごちゃごちゃに、「あごだし」と呼ばれるトビウオの出汁で煮る。冬場に冷蔵庫の余り物を一気に消費する、といった意味合いがあってのものと思われる。どちらかというと、飲むための汁物というよりも、食べるための煮物に近い。 地域に根差した食生活には当然、その気候や風土による違いが出てくる。そういったものを調べてみた

          正月に食べたもの

          或る体験談

          私もよく心霊スポットとかに行くんですけど、何かが起こることって滅多にないんですよね。 その時も九州にある某スポット、まあトンネルですね。山道を入ったところにあって、ライトを消すとやばいとか、繋がらないはずのラジオから知らない声が聞こえるとか、まあよくあるやつですよ。で、そこに三、四人で深夜行った事があるんですけど、特に何も起きなくて。 何十分か山道をぐるぐる回ったりもしたんですけど、ほんとに何も無くて。正直もう、ただ疲れるし眠いし、っていう状態で、解散になったんです。 で朝

          或る体験談

          整体師の見た痣

          私、もう怪談を書いたり喋ったりするのが好きなんで、旅行先とかで仲良くなった人とかにも、「なんか怖い話とか不思議な話ってありませんか?」とか、聞いちゃうんですよね。 で、その中で、そういう体験をしやすい職業っていうのが、なんとなくの傾向としてあるなーって思ってて。ほら、よくタクシー運転手とかが怪談を持ってるみたいに言われたりするじゃないですか。 でも私が聴いていく中では、意外とタクシー運転手の方って怪談を持ってなくて。私の経験則では、意外に不思議な話とか怪談を持ってるのが、マッ

          整体師の見た痣

          サンルーフの上で

          これはですね。私の友人から、実際に聞いた話です。 私の友人、男性なんですけど、仮にAさんとしておきます。大学の同期何人かで、今年の2月ぐらいに、男性3女性2って言ってましたね、5人乗りのレンタカーを借りて。九州から確か名古屋だかに、何泊か旅行に行ったらしいんですよね。 で、まあ旅行自体はそれなりに楽しく、特に異常もなく終わって。何日かたった後にですね。旅行から帰ってきた、そのAさんが、私にちょっとその旅行のことで話したいことがあるんだけどって、ファミレスに呼び出したんですよ

          サンルーフの上で