共同創作サイト『SCP財団』で活動しています。 様々な理由で上記サイトに載せるには至ら…

共同創作サイト『SCP財団』で活動しています。 様々な理由で上記サイトに載せるには至らなかったおはなしや、怪談関係の二次創作などを、此処に掲載しています。

最近の記事

新作『お前の死因にとびきりの恐怖を』note版ポータルページ

イースト・プレス様より、 全八章からなる単著 『お前の死因にとびきりの恐怖を』 が発売されます。 発売に際し、 本文の内容、改行位置、助詞などを note用に全文改稿したものを公開しました。 これらは、小説版における 「第一章: REPLAY」および 「第二章: REWRITE」に該当します。 note記事版の全文は以下から読むことができます。 1 ██の██に████の██を 2 お前の██に████の██を 3 お前の死因に████の██を 4 お前の死因に

    • お前の死因にとびきりの恐怖を

      新聞部OGへの聞き書き記録 ──とまあ、ここまでが、 大体私の知っている情報で。 まず一つ目が、 現役の新聞部の子に聞いた話の内容と、 お蔵入りになったウェブ記事の文章データ。 彼も言ってたけど、新聞部が ネット上でも記事を載せるようになって、 広報用のアカウントでOBOGのインスタも いくつかフォローしてたから、 その流れで私のアカウントも 見つけたんでしょうね。 私も最初は懐かしいって思って、 その記事の写真とかを見させて もらったりとか、ちょくちょく 追っていた

      • お前の死因にとびきりの██を

        ????? - スキャニングデータ ????? - スキャニングデータの文字起こし 真はそこでようやく、 自分が本当にどうしようもない 状況下にあることを悟った。 いま自分がいる小屋、 そのちいさな窓の向こうに何がいるのか、 もはや確認することすらできなかった。 何故ならそれを確認しなくとも、 自分の周りにあるものの状態を見れば、 今自分が置かれている状況を 否が応でも悟ることができるからである。 高名な神主に教えてもらった 盛り方で部屋の四方に置いた塩は、 その

        • お前の死因に████の██を

          続・高松さんへの聞き書き記録 すぐにその記事の連載をやめろって言われたんすよ。 いや、もうちょっと言葉遣いは優しくて、 この内容はちょっと載せらんないから 別の内容考えよっか、って言い方だったんだけど。 でも、 「この記事は学校のサイトに出せない」 って態度だけは有無を言わさないレベルで 一貫してて、結局最後まで 変わることはありませんでした。 最初は、そういうオカルティックな 特集を公認の部活動としてやっちゃうのが 駄目だったのかな、って思ったんすよ。 だから例え

        新作『お前の死因にとびきりの恐怖を』note版ポータルページ

          お前の██に████の██を

          【特集】葬られた闇……この学校に伝わる怪談話「きれいな本」 あなたは、「きれいな本」と題された 本校の怪談話を知っているだろうか。 筆者も寡聞にして詳細は 知らないものの、例えば 「トイレの花子さん」や 「口裂け女」などの、 有名な怪談話とは異なる、 恐らくはこの学校固有の噂である。 一見しただけでは、 怖い話であるとすら 判別できないようなタイトルだが、 この名付けには恐ろしい言い伝えがあるのだ。 いま筆者が筆を執っている新聞部、 その向かい側に部室を構える文芸部

          お前の██に████の██を

          ██の██に████の██を

          序文 以下に掲載するのは、 ある時期の██高校文芸部の部室から 発見されたというUSBメモリに 保存されていたデータの一部です。 当時、その文芸部においては 共用のパソコンが数台設置されており、 部活動中はそれらを使って 執筆をしてもよいという 規則が設けられていました。 ただし全員分のパソコンが 用意されているわけでもなく、 そうでなくとも各員が、 共用パソコンのローカルデータとして 文章を保存するわけにもいきません。 そのため、部員は各自が購入した USBメモリ

          ██の██に████の██を

          禍話リライト: 忌魅恐NEO「地蔵の写真を集めている奴の話」

          友達と袂を分かった。 って話なんですよ、簡単に言うとね。 高校時代に結構ワルな友達がいて。 小中は違って高校ではじめて知り合って、 僕は悪くもなく普通の生徒だったんだけど、 すごく馬が合ったんです。 家にお互い行き来して泊まったりするぐらい仲良くて。 その人の家ではお父さんが明るく迎えてくれて、 そこはそれなりに広い家なんです。 あ、家がお金持ってるタイプのヤンキーか、 とか思ったのを覚えてます。 普通にいいお父さんで、 一緒にご飯とか食べてるときも楽しくて。 で

          禍話リライト: 忌魅恐NEO「地蔵の写真を集めている奴の話」

          梨 制作物アーカイブ(2023)

          この記事に書けそうなものを羅列します そのため割愛しているものもあります 制作物ではないですが、ことしからリトリンをハブとして設置しました 小説 単著『6』(玄光社) 共著『その怪文書を読みましたか』(太田出版) 翻訳本『真可憐(笑)』(皇冠文化出版) ※『かわいそ笑』の繁体中国語訳 短篇「民法第961条」(アンソロ『ジャンル特化型 ホラーの扉』)寄稿 短篇「LOGGED IN」(『怪と幽 vol.13 2023年5月』寄稿) オモコロ関連 ふり Araneid CR

          梨 制作物アーカイブ(2023)

          禍話リライト「飛び込みの石」

          昔々の話なんですけど。 田舎の山奥の方に線路が走ってて、 そこにとある踏切があったんですって。 それが、悪い意味でちょうどいいところにある踏切で。 列車からはよく見えなくて、山奥で人も通らないから、 飛び込み自殺の名所になっていたらしくて。 年に一、二回、そういうことが起こってたんですって。 今だったら然るべき人たちが後処理をするんでしょうけど、 これは昔の、田舎の話だから。 みんなで後処理の手伝いをする、 地域で協力し合う、って習慣があったんですって。 いまはもう定年

          禍話リライト「飛び込みの石」

          禍話リライト: 忌魅恐NEO「現実の残酷さを知る授業の話」

          とある方の思い出の話、なんですけどね。 仮に、その男性の名前をGさんとしておきます。 今は大学生のGさんには、中学時代の変な思い出があって。 なんでも、授業で変なことをした記憶がずっとあったんですって。 というのも、ある日の授業時間中にわざわざ特別教室に行って。 そこで黒い遮光カーテンで窓を閉め切って、 プロジェクターでスライドを見せられたらしくて。 そのスライドを使って、クラスの皆は次々と───家族写真を見せられた、と。 最初は大家族の集合写真だったのが、段

          禍話リライト: 忌魅恐NEO「現実の残酷さを知る授業の話」

          梨 制作物アーカイブ(2022)

          この記事に書けそうなものを羅列します そのため割愛しているものもあります 見出し画像にはこちらを加工したものを使用しています(もし冬コミに出ていたら出す予定だった怪談本の宣伝画像のひとつです) SCP関連 1: Tale「カンテサンス」及び関連画像「███████画像1-37-5」 2: niconico「カンテサンス動画2-14-3(1)」 オモコロ関連 3: にま 4: く 5: うすねぶり 6: が ほか 7: 璃々菓 本名 8: おにかいぼ 漫画 9: 漫

          梨 制作物アーカイブ(2022)

          第三回「梨雪」怪談文学賞 選評

          はじめに(本ページの説明) 「梨雪」怪談文学賞とは。 共同怪奇創作サイト、SCP財団で筆者が主催している非公式のコンテスト。 「怪談」をテーマに一定期間作品を募集し、サイト内の投票制度によって得られた点数の合計が最も高かったものが優勝となる。 SCP財団における執筆ジャンルの一つ「依談」の創設者が開催しているため、第二回大会以降は部門賞として「泥梨」依談文学賞を併催している。 SCP財団という枠組みの中で、最も怖く面白い怪談を決めるための催しである。 第三回「梨雪」怪談

          第三回「梨雪」怪談文学賞 選評

          禍話リライト「なぞる部屋」

          骨折しちゃいましてね、足首を。 その体験者の方、Fさんっていう女性なんですけど。 会社でばりばりに仕事されてる、今は四十くらいの方で、 その方が三十五、六ぐらいの時の、だから四、五年前の話なんです。 不慮の事故で足首を骨折してしまって、一か月自宅療養という話になったんですけど、 それまでばりばり仕事してた人が突然の事故でそうなっちゃったから、 急にやることがなくなったんですよ。 家で勿論仕事もするんだけど、例えば日中、 平日の昼間にぼおっとワイドショー観ることなんてそれまで

          禍話リライト「なぞる部屋」

          禍話リライト: 忌魅恐「ただ静かに見ている人たち」

          これは、関東地方の話、ということにしましょう。 関東のとある地域に、安めのアパートが乱立しているような場所がありまして。 車が一台通れるかな、みたいな狭苦しい道に、 三、四階建ての古いアパートが密集してる、そういうところ。 住んでる人は外国人労働者とかが多いらしくて、 “ATTENTION”とか貼り紙がしてあるような。 まあよくある安アパートですよね。 そのうちの一棟に引っ越した奴がいて。 まえのアパートの別の階が火事になっちゃったらしくて、 それで引っ越さざるを得なくなっ

          禍話リライト: 忌魅恐「ただ静かに見ている人たち」

          禍話リライト「娘のいない家」

          「どこの県の話かは知らないんですけど、 この話をしたひとの訛りはたぶん九州なんですよね」 そう前置きして、Kさんはとある家──正確には団地、の話を始めた。 そのまあ、たぶん九州のどこかに、古い団地があって。 古い団地だから、今までに何度も改装が入ってるんですって。 集合玄関にスロープが出来たり、 階段が老朽化して流石にやべえだろってなって、エレベーターを入れたり。 そういうふうに内装は結構変わってるらしいんですけど、 何故か大通りに面したとこの外壁だけが、ずうっとそのまま

          禍話リライト「娘のいない家」

          瘤談

          ※この記事内に登場する人名などは、一部を除き仮名にしています。 みないことえ それわだめだあよ昨年の十一月某日。私は、福岡県でフリーランスのWebライターをしている四津さんという友人から「相談したいことがある」とメールを貰いました。 四津さんは私よりも数個年上の男性で、怪談やホラーばかりを執筆している私とは違って、生活に根差したエッセイやテック関係のコラムなどを書いている方です。彼と何かの趣味の話をすることはあっても相談を受けたりすることはまず無かったため、少しばかりの驚

          瘤談