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【英論抄読】「できるだけ高く跳べ」「できるだけ高く、速く跳べ」この違いがパフォーマンスに影響

▼ 文献情報 と 抄録和訳

バスケットボール選手の反応性筋力指数修正と時系列波形に及ぼす言語指示の影響

Sánchez-Sixto A, McMahon JJ, Floría P. Verbal instructions affect reactive strength index modified and time-series waveforms in basketball players. Sports Biomech. 2021 Jan 6:1-11. 2.8

[ハイパーリンク]

DOI, PubMed, Google Scholar

✅前提知識
反応強度指数
爆発強度の尺度として開発され、深度ジャンプ(DJ)中の地面接触時間で割ったジャンプ高さを評価することによって導出される。
・・・引用サイト

[目的]


本研究は、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)実行時間に影響を与えることを意図した異なる言語指示が、反応強度指数修正(RSIMod)および時系列波形に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。

[方法]


男子バスケットボール選手13名が、フォースプレート上で6回のCMJを行い、2種類の異なる言語指示を与えた。
口頭指示
・「できるだけ高く跳べ」(CMJhigh)
・「できるだけ高く、速く跳べ」(CMJfast)

の2種類の口頭指示で、フォースプレート上で6回のCMJを行った。フォース、パワー、速度、変位の各波形、RSIMod、ジャンプの高さを、統計的パラメトリック・マッピング法を用いて条件間で比較した。

[結果]


CMJfastでは、ジャンプの高さに差がないにもかかわらず、RSIModの値が大きくなった(p = 0.002)。アンウエイティングフォース(総時間の18%から33%の間)は、CMJhighと比較してCMJfastで低かった。CMJhighと比較してCMJfastでは、力(総時間の53%~63%)、速度(総時間の31%~48%)、パワー(総時間の43%~56%)が大きくなっていることがわかった。

[結論]


これらの結果は、アスリートにできるだけ高く速く跳ぶように命令することで、急激な力の発生が増加することを示唆している。さらに、この結果は、ジャンプにおけるカウンタームーブメントフェーズの関連性を強調し、これまでの研究でRSIMod推進パワーとの正の関連が報告されているにもかかわらず、推進時のパワー出力の修正なしにRSIModが増加する可能性があることを示している。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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「できるだけ高く跳べ」というコマンドに「速く」が追加されるだけで、これだけの変化が生じるのは驚きだ。
リハビリテーションの観点で考えると、こうした練習を行う際は、「できるだけ高く跳べ」→「できるだけ高く、速く跳べ」の順序で行うことが重要だろう。

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