【英論抄読】バッティングのスイング速度を上げる方法
▼ 文献情報 と 抄録和訳
少年野球選手のバッティングのスイング速度に関連する身体的特徴の同定
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[背景]
バッティングパフォーマンス向上のためには、スイング速度に関連する身体機能や筋力の特性を明らかにすることが必要である。本研究の目的は、少年野球選手におけるスイング速度に関連する因子を明らかにすることである。
[方法]
7~13歳の少年野球選手191名が参加し、ティーボール部門とメジャー(≧9.5歳)部門に分けた。バッティングパフォーマンスについてはスイング速度、身体機能についてはメディシンボール(MB)バックスローとmodified star excursion balance test(SEBT)、下肢筋力については股関節筋力トルクを測定した。
[結果]
身体機能では身長とMBバックスロー(β=0.403と0.380)、下肢筋力では身長とステップ脚の内旋(IR)トルク(β=0.620と0.216)が重回帰分析の関連独立項目として抽出された(R2=0.616)。さらに,メジャー部門では身長,MBバックスロー,ピボットレッグの修正SEBT(β=0.420, 0.324, 0.218),ティーボール部門ではピボットレッグとステップレッグのIRトルク(β=0.555, 0.525)(R2=0.568)などが選ばれていた。
[結論]
少年野球選手において、スイング速度は身長と、身体機能ではMBバックスローと、下肢筋力ではステップ脚のIRトルクと関連することがわかった。したがって、スイング速度を上げるためには、爆発的なパワーと打球方向と逆向きに体を止める筋力が必要であると考えられる。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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ピッチングとバッティングは、動作の制御方法が非常に似ていると感じた。
あくまでイメージだが、軸足で踏ん張ることによって得られた床反力の水平成分(爆発的なパワー)を、ステップ側の股関節内旋によりキュッと止める(打球方向と逆向きに体を止める筋力)ことで骨盤が回旋する軸となり、強力な骨盤回旋(スイング速度⤴)が起こる。そんな感じに解釈した。
この制御の仕方が、強い骨盤の回旋を生み出す過程として、ピッチングと非常に似ていると感じるし、強い力を生み出す基本的な制御なのであろう。バイオメカニクスに詳しい方からすれば、当たり前、もしくは間違った考えなのかもしれない。しかし、ここまで単純に落とし込むと、理学療法介入の中で、様々なアイデアが生まれそうだ。
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