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【英論抄読】 大腿五頭筋!? いや、、、六頭筋!?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

共存する中間広筋の二層膜張力と新型大腿四頭筋第6頭の解剖学的変異について

Ruzik K, Olewnik L, Westrych K, Zielinska N, Szewczyk B, Tubbs RS, Polguj M. Anatomical variation of co-existing bilaminar tensor of the vastus intermedius muscle and new type of sixth head of the quadriceps femoris. Folia Morphol (Warsz). 2021 Sep 30.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅前提知識
Tensor of Vastus Intermedius(TVI)
外側広筋と中間広筋の間にある独立した筋肉。スイスのチューリッヒ大学で解剖学講座に所属するDr. Grobらの研究グループが2016年に発見。
・大腿五頭筋とは正式には言わない(私が勝手に命名)ためご注意を。
・TVIの機能に関して、Dr. Grobらは、TVIの中間広筋腱膜との癒合や膝蓋骨上内側への付着から、中間広筋の筋張力発揮の補助作用や膝蓋骨の安定化作用などを有すると述べている。
・・・参考サイト

[背景]
大腿四頭筋にTVIと新型第6筋頭を併発した症例を報告する。

[方法]
Lodz医科大学解剖献体部において、研究および教育目的で72歳の左大腿部の死体解剖が行われた。左下肢は厳密に規定されたプロトコールに従い、標準的な手法で解剖された。筋の各頭部は写真撮影され、さらに測定が行われた。

[結果]
解剖中、珍しいタイプのTVI筋が観察された。それは表層と深層の2つの表面から構成されていた。また、QF筋の6番目の頭部がVM筋から伸びていた。

[結論]
筋緊張の診断において,QF筋の付加的な頭部の存在とその変異の可能性を知ることは必要である.また,腱の走向からすると,QF筋は膝蓋骨の安定化に関与している可能性がある.

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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療法士にとって馴染みの深い『大腿四頭筋』。その新知見を知ることは、非常に興味がそそられる。まだまだリハビリテーションに臨床応用させていくにはエビデンスが不十分かもしれないが、今後の動向を楽しみにしていよう。

『TVI』の詳細に関しては、以下のサイトが分かりやすい。
「大腿四頭筋、実は第5の筋肉が存在する」理学療法士 飯島弘貴先生のコラム | 解剖実習アカデミー (kaiboac.com)

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