「起立性調節障害」に負けないために…①病状・原因編
前書き ~はじめまして~
初めまして、note初投稿の「隣の芝生は隣の芝生」です。突然ですが、「起立性調節障害」という病気をご存知でしょうか。
またご存知ない方は、字面だけでどんな病気だかイメージが付きますでしょうか。ちょっと仰々しい名前ですよね。
最近ではこの病気も認知が進みつつあるようで、たまーにテレビで特集を見かけたり、実際に当事者の方が映画を自主制作されたりと、時代が理解へと向かいつつあるように思えますが、まだまだ世間に浸透しているものではないなと感じております。この病気に罹った人が、"負け犬"とは呼ばれない域まで、就活で不利に扱われなくなるまで、みっともなく足掻いてみたいので、自ら筆を取ることにしました。
私はお医者様ではないので、「こういうメカニズムでこの症状が~」なんて完全に正確なことは言えないですが、最低でも言えることはこの病気の経験者です。長文にはなりますが、今回は私の自分語りに、最後までお付き合い頂けたら幸いです。事実に即してお話しますので、途中何かしら自慢っぽく聞こえるとこや、明らかに病気が理由ではなく、私の判断ミスで墓穴を掘った箇所もあるかとは思いますが、大目に見てやってください。
きっと同じ病気のお子様の進路選択や、全ての人の学生生活や就職活動の充実などの面で、何かしらお役に立てると思います。まぁ… 就職に関しては受かってないので"反面教師として"ですけども。
そこで、このシリーズの前半は
「起立性調節障害は何たるか」
「どのようにして病気と付き合い、周囲からの理解を得たか」
後半は
病気で学生生活が満足が送れなかった人が回復後にやるべきこと
自身の経験を通じた就活での立ち回りや注意点
についてお伝えしたいと思います。
筆者、及びこのシリーズは、あらゆる思想・立場・進路/職業選択などについて、支持・反対する物では無く、その貴賤や優劣を論ずるものではないことを予め申し上げます。ただし、一部の事象をご説明する上で、私に功罪両面で影響を与えた人物について、どうしても触れざるを得ない点がございます。個人が一切特定できないレベルにまで、最大限配慮をして更新して参ります。
皆様は「私が何者か」がまず気になるでしょう。症状や出来事の掘り下げは後にして、最初に前半のあらすじだけ手短にお伝えしますね。今回更新分の目次は以下の通りです。
第1章 "華の学生生活"は5・2・1+3で11年
まずは全8回更新のあらすじからサラッと触れることにしましょう。私は中学3年生の初めに起立性調節障害を発症しました。最初の数ヶ月は軽度の症状だったのですが、半年も経たないうちに登校もままならない状態となりました。
ここから成績や内申に懐疑的な中学を説き伏せ、何とか高校受験だけ合格し、無事に普通科高校へ進学。めでたしめでたし。
…で終わったらここでお話する意味が無いですよね。そんな高校に入った途端にいきなり病気が好転するはずもなく、出席日数が足りず、単位をボロボロと落としました。厚意で受け入れてくださった進学先の高校も、さすがに単位を取れなければ進級・進学は厳しいという立場です。そのため、入学早々6月に、高校側から転学や退学の話が持ちかけられます。ここでなんやかんやあって、交渉力と熱意で何とか転退学の危機は脱したものの、翌年3月までの休学と降級が確定。交渉の場では咄嗟に、「来年頑張ります」と言葉を発したものの、ここから約1年掛けて治る保証も無いなかで、大博打とも言える復帰に賭けることになります。
おお…。なんだか重い話になってしまった。小中高の期間を指して「6・3・3で12年」と、CMで歌われていたのが記憶に新しいですが、この時点で私は5・2・1+3という異常事態。学習机メーカーも腰を抜かすだろうな。
次の章では、自分が起立性調節障害を発症する前に引き金になったと思われる事象や、症状について詳しくお話したいと思います。なるべく客観的事実ベースでお伝えしたいと思っておりますが、人間なのでどうしても主観が入ってしまうと思います。ご了承ください。
また、重ねて申し上げますが、私はお医者様でも何でもなく、あくまで経験者として体験記を書き上げているまでです。きちんと症状やメカニズムについて学びたい方は、改めてお調べください。
第2章 起立性調節障害とは何者なのか
私がこの病気を発症したのは、先述の通り受験を1年以内に控えた中学3年の頃です。みんなが受験を強く意識し始めて、ピリピリしてる時期ですよね。中学2年の頃から前兆はあったように思うのですが、本当に学校に通えなくなったのは中学3年の頃です。
初めのうちの症状は
何だか朝シャッキリと起きられない
なんだかお腹のあたりがモヤモヤする
なんだか頭が少し痛くて倦怠感がある
立ち上がった時に若干フラフラする
くらいの物でした。
それが徐々に悪化していき、半年程度経った頃には
とにかく吐き気やめまいがする(特に朝方ですがほぼ終日)
とにかく朝起きられない
頭痛の頻度が高くなる
立ち上がった時に視界がホワイトアウトする/フラつき
朝方に食欲が出ない
気分が塞ぐ
…などかなりしんどい物になっていきました。一番辛かったのは吐き気ですね。満腹になるまで迂闊に食べられないですし、病院行くために電車に乗るにも、数駅ごとに降りて、その都度…と行った感じでした。乗り物が動いている間は、いざ強い吐き気が来た時に駆け込めないという不安感も、余計に症状の悪化に拍車を掛けてたんじゃないかと思います。乗り物酔い自体もこの病気の特徴の一つだそうですが、それは小さい頃からあったので、取り立ててここで強調はいたしません。
起き抜けに最も症状が出る上に、最初のうちは発現がほぼ朝方だけだったので、なんだか自分でも妙にリアリティのあるサボり癖でも付いたんじゃないか?(ちょっとそう思ってた)と楽観視してたとこはありました。しかし、確実に悪化の一途を辿っていったので、私も両親も病気なんじゃないかと疑い始め、満身創痍で病院を受診したところ、「起立性調節障害」と診断されました。
検査については、アームバンド型の血圧計を付けて行いました。仰向けの状態を数分間継続してから、いきなり立ち上がり、その後数分間、東海林太郎のように直立不動を続けて、血圧の変化を見る「起立検査」を実施しました。確か一番症状が重い時は"上が"80台でした。これは関係あるかはわかりませんが、脈が速いのも地味にしんどかったですね。
第3章 発症の原因として考えられるもの
こちらをお読みになさってる方の中では、いまのところ健康そのものの学生さんや、この病気に全く縁がなく大人になられた方もいらっしゃると思います。この章では、どのような原因で病気を発症したかを、「個人的な体感」を基にお話致します。もちろん、医学的には、身体の成長に自律神経系の成長が追い付かなくなるなどの、複合的な要因が考えられるそうですが、今回は込み入った話には触れません。
私の体感では、主に①受験直前という心理的ストレスと体力的な消耗、②対人関係によるストレスの二つが考えられました。特に②が強烈に効いたような印象です。
①については「誰もが受験は避けて通れないんだから、そりゃキミが弱いだけじゃんか」と言われてしまえば最後なのですが、起立性調節障害を発症する子は生真面目で手抜きができない気質の子がなりやすいと聞いております。私も例外ではなく、親がお金を払って塾に通わせてくれているのだし、先生方も熱心に楽しい授業を展開してくださるから、自分も期待に応えなきゃいけないと強く考えていました(そんなによくできた子か?)。
まぁせいぜい中学生の解像度ですから、この時は「少しでもいい高校に行って、いい大学を出て、きちんと生計が立てられる仕事に就こう」程度の物だったとは思いますが、私は結構頑張りました。数学が本当に壊滅的にできないのは最後まで治りませんでしたが、英語は全国模試で塾内1位(あるいは満点での1位)を何度か取り、残りの教科も上位10%くらいに食い込むくらいには頑張りました。
誰も信じてくれないんですが、3ヶ月くらい連続で5教科平均で、早慶の附属校や、居住地域の御三家の8割判定が出るくらいには熱心に取り組みました。数少ない学生生活で自慢できることかな。就活に至るまで何一つとして進路選択に役立ちませんでしたが…。
しかし、このなかなかハードな追い込み方は体力的に凡人がやるには無理がありました。塾が22時台に終了が故に、コーヒーを飲んで集中力を上げることも多く、寝る時間が遅くなっていきました。さらには、受験という遠い目標に向かって、残り300日以上努力を続けなければいけないという長期戦というのを考慮せずに、無謀な勢いで突き進んでいた面にも問題があったように思えます。いまでいう"持続可能性"ってこのことか。
②については、あまり主観を交えて話をすると問題になってしまうので、事実ベースで慎重にお話致しますが、とあるクラスメイトが大きく関係していると思います。仮にXくんとしましょう。私もnote規約に準じて最大限の配慮を致しますので、個人が絶対に特定されないように配慮致します。しかし、どうしてもこの話をする上で、触れざるを得ない点については、ご了承頂きたく存じます。
3-2 対人関係のストレス
Xくんは2年生のクラス替えで初めて会いました。最初のうちから私に少し話しかけてくれる程度の子だなと思ってはいたのですが、数日経ってから、何だか前の学年で彼と同じクラスだった男子生徒は、Xくんを忌避してるように思えました。女性陣に至っては露骨に彼を避けていました。
私はあまり先入観で人を差別しないタイプなので、とりあえず常識内の会話は、全て無視しない程度には付き合いを始めることにしたのですが、問題はこの後です。
彼は休み時間だろうが、授業中だろうが、先生が他の生徒に説教してる緊迫感のある時間であろうが、何もお構いなしに常時話しかけてくるのです。例によって僕は非常に堅い人間なので、「いまは授業中だろ」とか「また後でな」と毎度注意するのですが、向こうの行動は徐々にエスカレート。
Xくんは、休み時間に不意打ちで、彼の脇を私の顔の前に持ってきて無理やり嗅がせてきたり、白目を剥きながら「アウーン! アウーン!」と自作ネタ(完全にアイーンのコピーだった)を反応して貰えるまで披露し続けるなど、ここではお伝えできないような内容も含めて、数えきれないほどの問題行動を起こします。
私は小学生の時も、ほじった鼻くそを飛ばし、指で口を掃除するタイプの子や、気に入らないことがあると大声を出すタイプの子に、何もしていないのに気に入られたことがあったので、またこの手のタイプかと正直ちょっと思いましたが、今回はさすがにおかしくなりそうだったので、先生に相談しました。
しかし、先生としても直接的に言葉にはしないにせよ、「Xくんはクラスメイトのほとんどに相手して貰えないんだから頼むよ」という旨のご意向であり、私になんとか我慢して欲しいとのことでした。
割と生徒思いの良い先生だったので、クラスとしての体裁を保つには、それが最善の策だと心の底から思っていたのでしょう。しかし、さすがにここまでやられたら面倒は見切れないため、相手に伝わるように、いじめにならない範疇で、さらに距離を置くようにしました。事件はこの後に起こります。
3-3 なんで君がここに
私はとある休日に、同じ趣味の友人たちに誘われて、その趣味のイベントに行くために100km程度離れた場所に日帰り旅行をすることになりました。大人の100kmなら新幹線や飛行機で一瞬でしょうが、中学生のそれはもう大冒険です。メンバーは同じ趣味のA・B・C・Dくんと、僕の幼馴染で別の趣味だけど旅行には興味あるEくん。なぜこのお話をしているか、察しの良い方ならお分かりいただけると思います。
当日、とにかく楽しみに駅に向かうと、A・B・C・D・Eの五名に加え、なんとそこには本来いるはずのないXくんの姿が。私が到着するやいなや、他のメンバーから「なんでXを連れてきた」とお叱りを受けましたが、聞きたいのはこちらの方だ。周りから事情を聞いてみると、どうやらXくんは、我々が小旅行に行くことを、メンバーの誰かの学校内の会話で知り、集合場所・時間を盗み聞きしたらしい。これには開いた口も塞がらないどころか、その執念に顔から顎が取れるレベルです。
さらに、Xくんは恐ろしいことに100km分の旅費としては十分なお金も持っていました。おそらく、親御さんには「隣の芝生くんに誘われて旅行に行く」くらいの報告はしてから家を出てきてることが予想でき、彼はおそらく交通にも詳しくない。もしここで彼を放置して、彼が帰れなくなった場合は、監督責任は我々にあることになってしまいます。
また仮に「僕だけ省かれたイジメだ」と後で報告されても、加害者は我々になってしまいます。せっかくの旅行が興冷めにならないようその場を収め、Xくんを含めて当日は旅行をしました。
クラスメイトは9割5分彼を無視する中で、これほどまでに我慢をして付き合ってきた私ですが、程なくして限界が来ました。既に体調も悪くなりつつあり、彼の無自覚の嫌がらせへの耐性もなくなり、ついにXくんに説教を始めます。最初のうちは、まだ先生からのお願いや、彼がクラスで他の誰とも喋れていないことを加味し、懇懇と諭すように説明しましたが、15分近く「ここがいけない」「それは辞めて欲しい」と理路整然と喋っても、本人には一切伝わってない様子。
さすがにここまで来るとどうしようもないので、大きな声で、相手に伝わるわかりやすい言葉で、最大限の批難を浴びせてからその場を離れました。
この後、居場所が無くなったとようやく認識した彼は、転居を伴わずに学校を転校したと聞いております。この頃の私はあまりの体調不良により、登校できない日の方が多くなっておりました。
あとがき・次回予告
最後までお読み頂きましてありがとうございました。実際に経験した症状のご説明や、最初の山場まで持っていく関係で、かなりの分量になってしまい、読者の方々に負担を強いてしまう構成になってしまったと思います。
しかし、今回の更新分はまだまだ序章に過ぎません。世間一般の方から見れば、重い展開のお話が続くと思いますが、次回もお付き合い頂ければ幸いです。コメントやご質問などもお待ちしております。
余談ですがアイコンは小田原城の石垣、サムネイルは特にこれと言ってそれっぽい思い浮かぶ物もなかったので、全てのこの病気の方、及び学生時代をアクシデントで充実したものにできなかった方の花が開きますようという願いを込め、小田原城の桜に致しました。綺麗ですよね。
▲次回(第2回目)はこちらからどうぞ▲
記事を渡って最終回まで行けます
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?