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妻の話しを、ただ聞くだけで絶大な効果がある

妻が抱く悩みの一つに、「夫が話しを聞いてくれない」というのがあります。

夫が話しが聞けない理由①

僕も含めて、世の中の夫は問題解決志向になりがちです。

特に、妻や子どもが困った状況にあれば、何とか解決したいと思うのです。

一方で、妻は、困りごとを話しながらも、夫に対して「ただ話しを聞いて欲しい」という思いで、話しをしていることがあります。

結果、妻からすると、解決に走る夫に対して、「話しを聞いてもらえていない」と感じることになるのです。

僕の妻がよく「困った」といって話す内容に、こういうことがあります。

ママ友のLINEグループにコメントしたのだけど、それに対して既読は付くけども、誰からもコメントがない。もしかしたら、場違いなコメントをしちゃったのではないかとか、だれか不快な気持ちにさせてしまったのではないかと気になる。

こういう話しを聞くと、僕は、何とかしてあげたいと思って、「そんなのほっとけばいいんじゃないか」とか、「そんなときは、誰からもコメントないと悲しいなぁ、とコメントすればいいんじゃないか」などとアドバイスしたりします。

そうすると、妻は「そんなの無理」と却下し、それでも、僕が自分の意見の妥当性を繰り返し説明したりすると、「あんたは全然分かっていない」とキレたりします。

妻がただ話しを聞いて欲しい、という思いの背後には、「自分のこの抱えたくないネガティブな感情をあなたにも分かって欲しい」という気持ちがあります。

夫しては、妻が困りごとを話す目的が、必ずしも解決ではないということを理解することが必要です。

夫が話しを聞けない理由②

もう一つ、話しを聞けない理由として、「ただ話しをきくだけは、何の解決にもならず、進歩がない」という思い込みがあります。

対人関係療法の専門家で、精神科医の水島広子さんは以下のように言っています。

ネガティブな感情は、頭の中に置いておくと、非現実的に膨張するからです。自分一人で考えているとネガティブな感情で頭がいっぱいになってしまって、前向きな気づきや思考の妨げになるのです。安全な環境で口に出してみると、感情が現実的な大きさに収まってきます。この「安全な環境」というのが、「ただ聞いてもらう」ということなのです。ネガティブな感情が現実大に収まってくると、気持ちが整理され、それまで気づかなかった視点にも気づき、思考も前に進みます

『対人関係療法で改善する 夫婦・パートナー関係』

ただ、話しを聞くだけでも、問題の状況はより良くなっていくのです。

このことを知ってから、妻が同じLINEの話をしてきたとき、「またこの話か」と感じながら、解決したい気持ちをぐっとこらえて、「そうなんだ」「へぇそれは大変だ」「心配だね」と聞いていました。

すると、妻は、「まぁ気にしたってしょうがないから、明日になって誰からも返信なかったら、個別に聞いてみるわ」とスッキリした感じになっていました。

話しをただ聞くことで、妻の頭の中で、非現実的に膨張した「不安」や「恐れ」が、現実の大きさに収まってきたのだと思います。

お互い、話しをただ聞くだけで、絶大な効果があると信じて、妻に関わりましょう。


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