ぱっちゃん

ぱっちゃんと申します。好きな物を好きなように、好きなだけ。 読んだものとか観たものとか…

ぱっちゃん

ぱっちゃんと申します。好きな物を好きなように、好きなだけ。 読んだものとか観たものとか、自分用の備忘録、感想置き場です。

最近の記事

子供はわかってあげない

 本棚はいくつあっても足りない。  図書館の閉架書庫などで見かける可動式の本棚。ハンドルをくるくると回す度、新しい本の一面が見えてくるアレ。  あーーー!これが家にあったらなー。なんて憧れを抱いたことがあるのは決して私だけではないはずだ!  そう。本好きとは常に収納スペースと戦い続ける生き物である。年を重ねる度に私は痛いほどそれを学んだ。そして学んだ結果、私は今日も本棚から溢れた本をどう収納すべきか悩みながら生きている。  本棚はいくつあっても足りない。  前後2段に重ね

    • サイダーのように言葉が湧き上がる

       恋に焦がれて鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす。  都々逸で有名なこの一文が有名になったことから言えるように、元来日本人って言うのは『秘匿』こそを『美』と捉える傾向がある。直情では無く、湾曲さ。露骨ではなく、遠回しな表現。「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」と訳す国は、行間を読み、ページの外側を読み解くことを風情と呼ぶ。俳句は、まさにこの感覚を愛でる文芸なんだと思う。限られた語句でその文字数以上の世界を描き、その物語以上の外側を想像する。  そんな俳句の世界に魅

      • 夏への扉

         原作未読、初見。  原作の文体が性に合わなくて挫折した作品だったので、映像化ありがてぇな、というきもちで見に行きました。  初期設定として『原作こそ至高、最高』宗教に属している身なので、コミカライズとか映像化は基本的に敬遠しがちなのだけど、こういう時には本当にありがたいなと思う。都合が良い、とも言う。  思えばハリーポッターも登場人物の名前がさっぱり覚えられなくて挫折したけど、映画視聴後は「これ進研ゼミでやったとこだ!」現象で面白いほどするする読めて感動したな、ということを

        • 魔女見習いをさがして 感想文

          老若男女誰にでもヒットする、今の『鬼滅の刃』みたいな化け物映画も勿論あるけれど。基本的に世のコンテンツにはターゲットとなる性別とか、年齢層とかが存在してる。 プリキュア映画ならターゲット年齢層は女児だし、ハードボイルドなガンアクションなら中高年の男性。ポケモンとかドラえもんなら親子連れ。 じゃあこの映画のターゲット層はどこかって考えたら、間違いなく20代~30代の「おジャ魔女をリアルで楽しんだ世代」なんだろうと思う。 私は熱狂的なおジャ魔女ファンでは無いので「なんで純粋な続編

        子供はわかってあげない

          BURN THE WITCH 感想

          おとぎ話なんかクソでしょ 我らが久保帯人師匠原作の連載が映画化するってことで、絶賛いまなお厨二病であり、リアル中二世代をBLEACHと共に駆け抜けた僕は、我先にと映画館へ飛び込みました。 いやーーーーーーーもーーーー最高にかっこよかったよーーーーーーーありがとう師匠ーーーーー!!!! ちゃんとまとめる舞台はロンドン。ただ一般人の暮らす普通のロンドンではなく、『裏』のロンドンで起きる、ファンタジーアドベンチャー。 魔法、ドラゴン、詠唱、どことなくハリポタを彷彿とさせる世界

          BURN THE WITCH 感想

          ヴァイオレット・エヴァーガーデン劇場版感想(ネタバレ有)

          愛してるを知りたいのです。 友人たちと鑑賞。見に行く前から絶賛しか見ないコメントと「バスタオル必須!」みたいなメッセージに、期待に期待を重ねて鑑賞してきました! ですが。 え……思っていたほどじゃない…… というのが私の正直な感想でした。もちろん期待のハードルを上げすぎたことも、私自身の読解力が足りてないこともあるのでしょうが、自分で抱いた感想は唯一無二な物なので、とりあえず、私の思ったままを綴ります。 以下ネタバレを多分に含みます。割と辛口なコメントが続くので、何

          ヴァイオレット・エヴァーガーデン劇場版感想(ネタバレ有)

          ラクガキングダム 見てきた

          小さいころからクレヨンしんちゃんが大好きで、月曜19時はそりゃもうお楽しみの時間。 こういうアニメを見なくなるのが大人になるってことなんだろうなーなんて幼いころは漠然と心に抱いていたけど、結局そんなこともないままアラサーまで来ちゃったよHAHA クレヨンしんちゃんは僕のバイブルです。一生好き。 さて、劇場版クレヨンしんちゃん。コロナの影響で約半年遅れの上映。大変大変待ちわびていた今年度の作品を公開初日に意気揚々と見てきましたので、備忘録感想綴りです。 とりあえず一言で言う

          ラクガキングダム 見てきた

          2分の1の魔法

          ほどよく時間が空いていたのと丁度いいタイミングの上映があったので、大した期待も無いまま視聴。ピクサーだし大外れはないでしょう。 とんでもねぇ作品だった!!!!!!!!! 今回の2分の1の魔法にはどう考えてもキャッチーさが足りてない。リメンバー・ミーみたいな鮮やかさとか、トイ・ストーリーみたいな愛らしさ、モンスターズインクみたいな好奇心、好奇欲とか、いろんなものが欠けてる。だからきっと見る前の私と同じように「まぁ、見なくてもいいかな」って思う人が絶対に多い。見るとしてもそこ

          2分の1の魔法

          HF3章見ました(ネタバレあり)

          はーーー、大満足でした。最高をありがとう、という気持ち…… FateシリーズはFGOから入った俄かも俄かな私なので、桜ルート今回が完全初見の感想なのですが、まー…素晴らしかった…。 SNルート、UBWルートを経た前提のHFで士郎に「死にたくない」と言わせる重みよ…!切嗣とは違う道を歩んで、100人を捨てて1人を選んだ士郎だからこそ言えた本音。 セイバーオルタの最期の一言。目覚めのように零れた「シロウ?」に一切の躊躇いが無くて、士郎の覚悟を無理やりにも思い知らされたというか

          HF3章見ました(ネタバレあり)

          鬼滅の刃読んだよ

          特技はブームに乗り遅れる事です。 今更感満載なのですが、鬼滅の刃(21巻まで)を読み終わったので備忘録代わりの感想文丸投げします。 完全に自分用だけど、新参者の感想はその筋のオタクにとっちゃダイヤより価値があるらしいので。 アニメは未視聴。原作のみです。 ふううううん、へえええええ、ほおおおおおん、って感じ(?) 絵もめちゃめちゃうまくて、話も確かにホントに面白くて、なるほどなああ、って感じではあったんだけど、こりゃ社会現象にもなるわなーー!って納得できるほどのパワ

          鬼滅の刃読んだよ

          砂漠 読破

          地味に時間がかかってしまったが読み切りました。砂漠。 時間がかかったのはつまらなかったとかでは決して無くて、どちらかというと読み切るのがもったいないなー、という感覚だったと言える。 物語を書く上で起承転結が大事なのは、読者を世界観に引き込む要素が必要だからだと思う。どうなるんだろう、何が起きるんだろうっていう好奇心と創造力こそが、読破後の「面白い」とか「楽しかった」に繋がるんだろう、と思っているのだけど。 伊坂さんの作品は、何てことない日常が既に面白い。 今作砂漠も、

          砂漠 読破

          宝石の国 アニメ見たよ

          通常業務に戻るのは6月からだよ、と有難い弊社のお言葉にやったねと雄叫びをあげ、貴重な2週間を利用してウォッチリストに入れてたアニメの消化を始めました。 手始めに、と自らも気になってておススメを受けていた「宝石の国」に手をつけて、 あまりの感情の羅列を持て余してアニメを一気見し、原作をとりあえず5巻まで買いに走って、ベットの上で天を仰いで一日を終えてしまった。なんだこれ。 基本私は、アニメより漫画、小説派。アニメなら25分確実にとられてしまう時間が、漫画、小説なら自分の尺

          宝石の国 アニメ見たよ

          今、夜に駆けだして行く

          時々、自分のウォークマンがとてつもなくつまらなくなる。目新しさが無いと言うか、平たく言うなら飽きてしまう。 何か新しい出会いは無いかなーと膨大な音の海に漕ぎ出すのは、ネット社会となった今では大分やりやすくて、有難いんだけど、その分逆に情報量を捌ききれないと言うか、何というか。とりあえず今回は、ツイッタで気になってブクマしていたのを端から聞いていこう、と何の気なしにオールを構えて、漕ぎ出した所、途端とんでもない渦潮に巻き込まれて死ぬかと思った。びっっっっっっっくりした。 h

          今、夜に駆けだして行く

          西の魔女が死んだ 読みました

          宣言通り読み切った。良い意味で他人におススメしたくない本だなぁ。 宝物みたいに自分だけが閉じ込めておきたい、みたいな気持ちもあるけど。 何というか、必要な人の下に必要な時に現れる魔法みたいなものがこの本にはかかってる気がする。誰かに「読んだ方がいいよ」って言われて読むんじゃなくて、読む人には読むべき時がちゃんと来るような気がする。なんとなく。 間違いなく私も、多分誰もがそうであるように、最後の数ページで泣き崩れたけど、何の涙かと言われるとすごく不思議だ。悲しいような嬉し

          西の魔女が死んだ 読みました

          「魔王」 読んだ

          洪水の中で流されない1本の木になりたい。 うーーーいやーーーうーーまさにこれなんだよなーーーはーーーー。 伊坂作品やっぱ好きです。 (以下ネタバレっていう程のネタバレは無いけど、 読んだ奴の戯言なので、読破後推奨) 安藤兄弟の不思議な力の出自も、バーのマスターの不穏さも、犬養の今後も。物語として広げた風呂敷って別に何一つ畳まれていないのに、この圧倒的世界観の渦に飲み込まれる感じはなんなんだ? えー、いや凄いとしか。確実に不穏な何かが物語の背後で渦巻いていて、その断

          「魔王」 読んだ

          うるう 静岡公演観劇

          一人になりたがるくせに 寂しがるんだね。 4年前、見に行きたいと思った時には既にチケットは完売。いつか絶対に見に行く、と固く誓い、あっという間に迎えたうるう年。うるう、うるうと鳴くオバケが居る森の中へ、ヨイチさんに会いに行ってきました。 いつも一人余る、いつも一人足りないヨイチという青年。学校で組体操をしても、いつも一人余る。ただの体操。騎馬戦をしても、一人余る。ただの馬戦。二人三脚でも、余る。一人二脚。あまりの1、それを体現したような人が物語の主人公、ヨイチさん。 時

          うるう 静岡公演観劇