西の魔女が死んだ 読みました

宣言通り読み切った。良い意味で他人におススメしたくない本だなぁ。

宝物みたいに自分だけが閉じ込めておきたい、みたいな気持ちもあるけど。

何というか、必要な人の下に必要な時に現れる魔法みたいなものがこの本にはかかってる気がする。誰かに「読んだ方がいいよ」って言われて読むんじゃなくて、読む人には読むべき時がちゃんと来るような気がする。なんとなく。

間違いなく私も、多分誰もがそうであるように、最後の数ページで泣き崩れたけど、何の涙かと言われるとすごく不思議だ。悲しいような嬉しいような、美しいような、喪失感のような。

素敵な話でした、とか面白かった、とか、読んだ方が良いよ!とかそういうのじゃないんだなぁ、と。何というか「読書」の根本を見た気が、する。

完全な持論だけど、読書って今まで読んだ本を足元に積んでいく作業なんじゃないかなーと思ってて。読んだ分だけ人より目線が高くなって視野が広がって、色んな世界が見えるようになるのかなー、と。そうなら素敵だなーと。

多感な時期の中高生が自分の視野を広げる一歩になる一段目がこの本なら、いや、それは最高に素晴らしいな、と思った。もっと上を積み重ねたくなる魅力が詰まってる。

この本、移動中の新幹線で読み切ったんだけど、駅を降りた後、細い路地に入って信号待ちをしたんだ。車も人もほぼ通らないような小道で、でも一応横断歩道も信号もあったから、わたしは赤信号で停まったんだけど、横をサラリーマンが普通に信号無視して通り過ぎて行ったんだ。

それは確かにルール違反なんだけど、でも自分にも身に覚えはある。急いでる時、誰も居ない時、まぁいいや、でルール違反は大なり小なり多分誰でもしてる。

世の中は時にグレーゾーンで溢れてて、ルールを守ったほうが愚かに見える時もある。

ズルくて悪い考えも汚い思惑も抱くこともある自分は、そこでそのサラリーマンに

「信号無視良くないですよ」って注意できるような潔白な人間にはなれないけど。

自分が間違ったことをしてる時に、正しい事をしてる人を嘲笑うような、そんな人間にはならないように生きたいなーとは、何かふと、思ってしまった。これは、わたしなりの魔女修行である。うむ。

何が言いたいのかわかんなくなってきたけど、

とりあえず、本棚に宝物が増えていくのは楽しい。