鬼滅の刃読んだよ

特技はブームに乗り遅れる事です。

今更感満載なのですが、鬼滅の刃(21巻まで)を読み終わったので備忘録代わりの感想文丸投げします。

完全に自分用だけど、新参者の感想はその筋のオタクにとっちゃダイヤより価値があるらしいので。

アニメは未視聴。原作のみです。

ふううううん、へえええええ、ほおおおおおん、って感じ(?)

絵もめちゃめちゃうまくて、話も確かにホントに面白くて、なるほどなああ、って感じではあったんだけど、こりゃ社会現象にもなるわなーー!って納得できるほどのパワーではないかなー、ってのが正直な所だろうか。いやいや否定するつもりは全くないのだ、ホントにホントに面白かったよ。映画見に行きたいなーと思いましたとも。

基本私は「人間」の「どうしようもない人間らしさ」がとことん好きなので、

その辺りの残酷さを上手く描いてるのが人気の理由なのかもなぁ、とか。

基本、主人公も敵もみんな「他者を分かろう」としてないのがすごく、好きだった。

炭治郎なんて一番顕著だよね、禰豆子ちゃんを「着物の一つも買ってやれない、妹、弟の面倒ばかりみせて、可哀想な事を」っていう完全なる「自分の目線」でしか物を見てない。肝心の禰豆子ちゃんはそんな事まっぴら思ってないのに。

鬼も、味方も。走馬燈のように語られるエピソードも割とその系統が強い。自分は嫌われてると思ってたのに、ホントは守られてただけでした。暴言を散々吐いてたのはやさしさの裏返しでした、とか。

そのすれ違い、ちぐはぐさ、ってまさに「人間」しか持ちえないスゴクめんどくさくて、でもひたすらに愛おしい所なんだよね。他人何て100%理解できるわけないんだから当たり前も当たり前。

鬼と違って人はすぐ死ぬ。腕を切られれば生えることなく。目玉を抉られても再生することなんて無く。死んだらそれまで。言いたかったことも、言えなかったこともそのまま。過去には戻れない。

でもそれを乗り越えて、踏み抜いて、今目の前の敵と戦って、自分のエゴを貫く。助けたいから、助ける。守りたいから、守る。生きる為に生きる。そんな姿勢と真っ直ぐさは、少年漫画としては王道のようで、でも少し邪道で、目新しく映った。これも惹かれる要素なんだろうな、と。

それこそ煉獄さんが語った「人間という儚い生き物の美しさ」こそ、鬼滅のメインテーマなのかもなー、などと思いを馳せました。

急ぎ一周しか読んでないけど、それを踏まえて私の一番の推しキャラはしのぶちゃんだなぁと思ったね…次点煉獄さんと義勇さん…。

しのぶちゃんの賢くて、それでいて不器用なところが愛しくて仕方が無かったー。

大好きなお姉ちゃんの意思を次いで、想いを次いで、哀しい鬼も愛せるような慈愛に満ちた人であれたらよかったのに、そんなことできるわきゃないのよ。当たり前。

じゃあ逆に「お姉ちゃんは甘っちょろい馬鹿だ」ってそれこそ全て殺戮してやる、くらいの復讐心を抱いて感情を殺して生きていければ、まだ楽だったかもしれないのに。

結局しのぶちゃんも甘くて、優しい。捨てきれない。傾ききれない。そのどっちつかずさがあまりにも「人間」らしくて、好きだなぁ、と思ってしまった。

幸せになってほしい。

表紙見た時から思ってたけど、絵が凄く上手くて綺麗だよね。書き分けが凄まじいし、キャラメイクのセンスも凄い。躍動感、魅せ方。ちゃんと漫画の絵だなぁ、って惚れ惚れしてたんだけど、一個どうしても受け入れられないのがあって。

時折入る第三者目線の状況説明、小説で言う地の文が……ええぇ…あれいるぅ?

個人的にはどうしても気に入らなかった…し目についてしまった!

のめり込んで見てるのに、ふっと現実に戻されてしまうのが!すごく嫌で…

「劣勢を強いられた」とか「速度にも順応して来る」とかはさ!漫画なら文字でなく、絵で説明して欲しいと思ってしまうんだ…。利点として「わかりやすい」というのも理解しているけど、行間を読みたいマンとしては…なんというか「野暮」に思えてしまった…。状況、風景描写も凄く上手い漫画家さんだから余計、勿体ないなぁ、と。

充分演出だけで「劣勢」とか「順応」を示せる人だろうに…。なんか説明過多に見えてしまって…萎え、となってしまった。これはただの個人的な意見。

義勇さんに「錆兎さんが託された想いを繋いでいかないんですか?」って炭治郎が聞いた後のコマの演出とかがとてもとても大好きで、脳内で響き渡る平手打ちの音、流れるように始まる回想に、「うわぁぁ天才!」と思ってしまっただけに…余計!!こういう演出でいいのにぃぃ、などと素人目線ながらに思ってしまっただけです…。みんな普通に受け入れてるのかな、そうか…。

とりあえず、映画楽しみです。