EP物部来途:依然暗中、遠からん故に音も聞こえず
浮かばない。
あんなにも輝きを放っていたのに、今はもう。
渇いて焦がれて毎日、毎日ただ苦しくまとわりつくように暗雲が立ち込め続ける。見えない、あの頃いつも見ていた世界が。
それでも、憧れが胸を焦がして視界を覆って楽にさせてくれない。
手を動かして、脳を廻して、世界を生み出さないと……誰が追うでもないのに何かから逃げているのか追っているのかいつも息を切らして走り続けている。
ぼんやりと靄がかった遥か彼方の輝きだけがここに来いと自分を急かす。行き方なんてひとつも教えてくれないまま