親子育

子育ての不安、悩めるパパママの力になりたい / 目から鱗の子育て講座/ずっと続く幸せな…

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子育ての不安、悩めるパパママの力になりたい / 目から鱗の子育て講座/ずっと続く幸せな親子関係のつくりかた/子育ての問題は子どものせいでも親のせいでもない/宇都宮共和大学子ども生活学部名誉教授/和田実学園 東京教育専門学校 元校長【R5長野県地域発元気づくり支援金を活用して制作】

最近の記事

ネグレクトが子どもに与える影響 〜アカゲザルの子育ての実験〜

アカゲザルの子育ての実験のお話です。 これは心理学者のハリー・ハーロットいう人の実験です。 1950年代に米国のウィスコンシン大学で行われた実験だそうです。 実験の目的は孤立や別離、ネグレクトが子どもに与える影響ですね。 ネグレクトっていうのは子どもを無視することですよね。子どもに関わらないっていう。 それが子どもに与える影響を調査したい。 これは人間でやることができないので、アカゲザルで行ったわけですね。 結果は、 愛着の形成が子どもの成長や発達において、命に関わるほ

    • ひきこもりについて

      ひきこもりの定義は、厚生省のガイドラインによると、 引き込もりの実態は、2019年の3月に内閣府が発表したものですけれども、 15歳から39歳までの人で、54万1,000人もいるんだそうです。 40歳から60歳までの人が、61万3,000人。 合計で115万4000人。 日本の社会では、こんなにもたくさんの人が引きこもっているという現実があるんですね。 これ大変なことだと思いませんか? もうこの事実を知っただけでも、私は何とかしなくちゃって思いに本当にかられますね。

      • 愛着関係の臨界期

        愛着関係には、臨界期があるっていうんですね。 臨界期っていうのは、そういうものが形成される、ちょうどいい時期っていう意味でもあるんですね。 で、それは0歳から1歳半くらいまでが非常に重要な時期で、そこで形成されながら、そこだけで終わるんじゃなくて、2歳3歳って幼児期を通じて愛着関係は結ばれていくんですけれども、この臨界期があるんですね。 これは岡田尊司先生が言われていることなんですけれども、臨界期を過ぎると愛着形成がスムーズにいかなくなるっていう事なんですね。 つまり、

        • 金網によじ登って動き回る4歳児

          これは私が散歩をしていた時に出会った場面です。 あるお家の前を通りかかったら、金網の塀に子どもが乗ってですね。こうやって、あっち動いたりこっち動いたり、上ったり下りたり、いろんなことをして遊んでいて。 ママ友のようですが、その家に親子で遊びにきたような感じでした。 もう帰る時間なので、帰ろうって言ってるらしいんだけれども、嫌だって言って、なかなか素直に言うことを聞かないんですね。 それでその時、お母さんがなんて言ってたかっていうと、 「危ないから降りなさいっ!」。 も

        ネグレクトが子どもに与える影響 〜アカゲザルの子育ての実験〜

          外遊びが楽しくて、なかなか家に入らない1歳半の子

          このお話は、あるお母さんが私に知らせてくれた、体験談です。 ここでの細かい状況の説明と、その時お母さんがどんなふうに思ったかとか、どういうふうにしたら解決したか、皆さんにも参考になるかなと思って、本人の了解を得て、ここに紹介したいと思います。 で、その喜んで遊んでる姿を見てお母さんが思ったのは、 って、気がついたと。 遊びたい気持ちがすごくわかって、やっと遊べるって。 それが分かって嬉しかったんだな、って思いました、っていうね。 この気づきが、すごく大事ですね。 お

          外遊びが楽しくて、なかなか家に入らない1歳半の子

          病院の待合室で動き回る2歳児

          2歳児、1歳児もそうですけども、とにかくじっとしてないですね。 動き回ります。 この動き回る、この病院っていう場所だったり電車の中もそうですけど、レストランでもそうですけど、そういう場所で動き回るっていうのはあまり好ましくないですね。 病院の待ち合い室って特に静かに待たなきゃいけない。 でも、子どもはエネルギーが余ってしまうくらいに、何かしたいっていう気持ちがあるので、こういう時はどうしたらいいですかね? じっとしなさいって言っても無理ですね。 「もう動き回らないの!」

          病院の待合室で動き回る2歳児

          子育ての5つの原理原則

          子育てについて、原理原則と言える普遍的なことを、今日は5つ取り上げてみました。 【①子どもを1人の人格として尊重する】 まず、子どもを1人の人格として尊重するっていうことですね。 子どもには子どもの思い、考え、意見があるんですね。 これは赤ちゃんの時からあります。 子どもが望んでいないことをすると嫌がりますよね。泣きますよね。おなかが空いてるのに、おっぱいもらえないと泣きますよね。 そういうふうに、子どもは赤ちゃんの時から自分の意志があります。欲求があります。それをやっ

          子育ての5つの原理原則

          愛着関係と自己肯定感の育てかた その4

          次は、親や保育者の考え、都合や予定は、時前に子どもに伝えること。 何かしなければならないことってありますね。 家にいるときもそうだし、保育園にいる時もそうだと思います。大人には計画があって時間の配分をしながら生活してますよね。 例えば、突然お母さんが、「はい、これからお買いものだから一緒に行きましよう。もう遊びはおしまい」って宣言しませんか。これ、子どもが遊んでいることを尊重してないって証拠ですよね。 子どもにだって子どもの世界があるんだから「やだ」「まだ行かない」っ

          愛着関係と自己肯定感の育てかた その4

          愛着関係と自己肯定感の育てかた その3

          次は、認める、褒める、肯定する。 「できたね」。頑張ったことはやっぱり認めてあげましょう。 「よくやったね」。そういう言葉を使いながら、子どもの気持ちが前向きになるように励ましてください。 できていないことを目に向けるよりも、できるようになったことに目を向けましょう。 大人はどうしてもできなかったことを言いがちですから、それはちょっと置いといて、できたこと言う。 親がやってほしくないことに、「それはダメッ」と禁止ではなくて、「こっちの方がいいよ」って。 ダメなこと言う

          愛着関係と自己肯定感の育てかた その3

          愛着関係と自己肯定感の育てかた その2

          2番目はこの子どもの話をよく聞きましょう。 昨日聞いた話ですけど、幼稚園に通ってる子が先生に叱られたらしいのですけれども、叱られたんで、先生に向かってペッてやったんですって。5歳児だったね。 「ペッてやるとは何ごと」って、また先生に怒られて、今度お母さんが、この子は今こういうことをしましたと言われて、うち帰ってきてお母さんが「なんてことをしたの、そういうことは人としてやっちゃいけないことよ」って、こんこんとお説教したらしいんですけれども。 それを聞いていたおばあちゃん

          愛着関係と自己肯定感の育てかた その2

          愛着関係と自己肯定感の育てかた その1

          驚くべき数字を皆さんにお伝えしますよ。 「自分は価値のある人間だと思うか」って、青少年に質問したアンケート調査の結果なんですね。 ちょっと古くて10年ぐらい前のデータなんですけど、 アメリカの子どもたちは57.2%が「自分に価値がある」と思っているんです。 中国42.2%、韓国20.2%。 さあ日本はどうでしょう。 どれくらいだと思いますか?日本のデータ。 かなり低い。 低いんですよ。 7.5%ですよ。驚きませんか。 私は、こういう結果が出ているということで、如何にこ

          愛着関係と自己肯定感の育てかた その1

          なぜ叱ってはいけないの?

          自己肯定感というのは、ありのままの自分を、それが今の自分だと受け入れて、自分を尊重し、自己価値を感じて全存在を肯定する感覚です。 自分が自分を肯定できるっていう感覚ですね。 それは人格形成や情緒安定のために重要で、自信や意欲につながる大事な感情です。 自己肯定感を育てるにはまず愛着関係が形成されて、子どもの心が安定していることがまず大事です。自己肯定感と愛着関係というのは同時に育っていくものでもありますから、大人が叱らない、指示命令で動かさないことが大切です。 それ

          なぜ叱ってはいけないの?

          一生涯を決定づける、乳幼児期の愛着関係とは

          愛着関係とは、乳幼児が特定の養育者との間に形成する情緒的な絆のことです。 これは乳幼児が何か不安や怖いと感じた時に、迷わず親の懐に飛び込んでいける関係ですね。 これが赤ちゃんの時から形成されます。 お母さんは赤ちゃんに一所懸命に関わって、大事に育てようと思っていらっしゃる。 でも赤ちゃんっていうのは一日中つきあわなきゃいけないよね。24時間だよ。その大変さを育てている人は分かるわよね。だって気が抜けないもの。 そういう大変な状況のときに、この子に愛着関係を伝えると

          一生涯を決定づける、乳幼児期の愛着関係とは

          子育ては、育つ、育てる、育ちあう、という営み

          (2020年2月目白講演会より#3) 子育ては、育つ、育てる、育ちあう、という営みなんです。 これは大事な原理です。 育つというのは子どもですね。 子どもには自分から育っていく力があります。 もう親が何と言おうと、子どもにはどんどん育っていく力がある。 育てるのは、親だったり、保育者だったり、子どもに関わる大人ですね。大人にはそういう責任がありますよ。 それから子育てとか保育の営みは、子どもと一緒に育ちあう営みなんですね。 育ちあう営みってどういうことかという

          子育ては、育つ、育てる、育ちあう、という営み

          人の世界に対する【5つの関わり方】

          (2020年2月目白講演会より#2) 人は誰でも、自己と関わって、人と関わって、物と関わっています。 いまここに、いろんなことを考える自分がいて、人と関わって、私の話を聞いてくださっている。 そしてここには、机があって椅子があって。 立って聞くよりはずっと楽ですよね。 そういうものに支えられて、この中の空調だってそうですよね。そういう恵まれた環境と関わりながら生活している。 これが大前提。 子どもを取り巻く環境というのは、子ども自身と、子どもと関わる人と、子どもと関わる

          人の世界に対する【5つの関わり方】

          子どものやりたいことと、親の都合をどう共存させれば良いのでしょう

          (2020年2月 親子育 目白講演会より#1) みなさん、おはようございます。 私は子育ての大事なことをぜひ伝えたいという思いで、去年の3月に大学を退職してから、親子育の活動を始めました。 今まで私は、自分で3人の子どもを育てましたけれども、その経験から子育てで本当に大切なことを多くの皆さんに伝えなきゃいけないと思って、今活動を続けています。 この大切なことを伝えたら、子どもたちの意欲がでて来るのに。 わが子を「楽しく生きる力がどんどん出てくるような子に育てよう」と思

          子どものやりたいことと、親の都合をどう共存させれば良いのでしょう