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愛着関係と自己肯定感の育てかた その2

2番目はこの子どもの話をよく聞きましょう。
 
昨日聞いた話ですけど、幼稚園に通ってる子が先生に叱られたらしいのですけれども、叱られたんで、先生に向かってペッてやったんですって。5歳児だったね。
 
「ペッてやるとは何ごと」って、また先生に怒られて、今度お母さんが、この子は今こういうことをしましたと言われて、うち帰ってきてお母さんが「なんてことをしたの、そういうことは人としてやっちゃいけないことよ」って、こんこんとお説教したらしいんですけれども。
それを聞いていたおばあちゃんが私に相談して、どうしたらいいんですかねっていうので、
子どもがペッてやりたくなったとき、“どんな気持ちだったか”って、子どもに話を聞いたほうがいいよって。
ペッてやることはいけないことだって、子どももわかっていると思います。なぜなら、怒られている関係だからペットやりたくなったわけでしょ。良い関係の中でベッとやらないですよね。
嫌な気持ちの時に、相手に対してなのか、それは何かを見てやったのか、お友達がやっているのを見てやったのかは、わからないけれども、そういう子どもの気持ちなんだから、その気持ちをしっかりと聞きましょう。そうすれば、自分の思いを表現する力、自分の意見を言えるという力に育ちます。
それを「なにやってんの、しょうがない子ね」って叱っていたら、子どもはずっと下を向いて、自分の気持ちも言うチャンスがないし、自己肯定は低くなるばかりです。
 
そして子どもは本当は自分の想いを聞いてほしい。
子どもが親になら何でも言えるような環境を作らなければ、大きなると今度子どもは嘘をつきます。
だって、正直に言ったらお母さん怒るから。嘘つくようになりますよ。そしたらまた嘘をついたってことになって、悪循環になっていくでしょう。
 
子どもの気持ち、自分の思っている気持ちをお母さんにはちゃんと正直に言えるっていう、それはお母さんがよく子どもの話を聞くことなんです。
 
そういう関係が普段からあれば、「どうしてその時ペッてやりたくなったの?」って聞いてあげればいい。
結果のペッてやったこと自体を叱るんじゃなくてね。
子どもは自分では分かってやってるんだから、もっと子どもの立場になって考える。「あなたがペッてやったから、先生がびっくりしてたよ」っていうぐらいでいいんですよ。
そういうお母さんの意見がもらえることで、安心して愛着関係も育つんですよ。自分を受け止めてくれてるからね。それで自己肯定感も育ちます。
 
大人の考えを優先しないことです。まず子どもの言い分を聞いてください。
大人に伝えてくる思いや考えを聞きながら一緒に考える、これです。
一緒に考える。
子どもの言い分を良く聞く。子どもと会話のやりとりしているうちに、最初言わなかったことや気持ちを本人が言うようになりますね。そのプロセスを作ることが大事で、子どもは正直にちゃんと言えるという、言えて自分はどうすればいいかを考えることにもなるでしょ。
さっき言った、生きる力の基本ですよね。自分で考えて判断して行動する。
その力を育てる機会もこんな幼児期にあるんです。
 
(2020年2月目白講演会より#7)

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