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人の世界に対する【5つの関わり方】


(2020年2月目白講演会より#2)

人は誰でも、自己と関わって、人と関わって、物と関わっています。

いまここに、いろんなことを考える自分がいて、人と関わって、私の話を聞いてくださっている。
そしてここには、机があって椅子があって。
立って聞くよりはずっと楽ですよね。
そういうものに支えられて、この中の空調だってそうですよね。そういう恵まれた環境と関わりながら生活している。
これが大前提。

子どもを取り巻く環境というのは、子ども自身と、子どもと関わる人と、子どもと関わる物との関係で動いているわけですから、そのどれかに関与して子どもの環境を変えていけば、子どもは伸び方が変わっていくんですね。

それがこの原理から発生する考え方です。

幼児の性格は、自己と人と物との関わりを通して形成されるんです。

だから、子どもにいっぱい運動させようと思ったら、広い場所に連れて行けばいい。
子どもはどんどん走っていきますよね。そこにボールでもあれば、もっと走ってきますね、ボールを追いかけて。
だけど、積み木では目の前にあっても走りませんよね。しゃがみ込んで、積み上げるとか、並べるとか、そういう遊びになるでしょ。

ものの性質によって、子どもの動きが変わっていってしまう。
そういうものですから、子どもにどういう環境を用意するかがすごく大事なんですね。

それから、
関わりには、内在、内接、接在、外接、外在の5つがあるんです。
これも大きな原理ですね。


自分には内在と内接と接在。
人には内接、接在、外接。
物には接在、外接、外在。
というふうに、それぞれの関わり方の種類があります。

私はこの概念を大学時代に指導教授から学んだので、それをずっと実践してきました。どう応用すればいいか。

さっきの子どもへの対応も、その原理から生まれてきているんですね。

子育てについて、この5つの関わり方から考えるとですね、
内在的な関わり方というのは、子育ては自分の思い通りにするっていうことになります。
子どもがどうっていうよりも、自分の思いの方が優先している。

だから、どこどこの幼稚園に行って、どこどこの学校、どこどこの大学、どういう風に就職して・・って、親が理想を描きますね。
その方向に子どもがいくように一生懸命に環境をつくって、やらせていく。お母さん、親の思いが優先している考え方です。

内接的な関わり方というのは、子どもの気持ちに寄り添いながら子どもが伸びるように手助けする関わりですね。ヘルプじゃないですよ、サポートです。

接在的な関わり方というのは、子どもの気持ちの内側から接しながら子どもをサポートする考え方ですね。
接在は、中にも入って外にもいて「あなたはそう思うのね、お母さんはこうこう思っているけど、どう?」っていう考え方で、一緒にやっていくという関わりになります。

外接的な関わり方になると、ちょっと子育てはほどほどにして、自分の人生を大切にしたいっていう風になる。
外接っていうのは外に出ていて、指示命令はこのタイプです。子どもの外側から子どもにいろんなことを言う。

批判していたり、文句を言ったりする状況というのは、外側にいるんですよ。
例えば、お父さんが子育てについて「お前のやり方はなんだ」なんて怒っている時、お父さんは自分で関わらないで外側にいてね、お母さんに文句言ってること、ありますよね。
「それなら、あなたもやってよ」って言いたくなるよね。
そういうのは外側から言っている状態なので気をつけましょうね。

外在的な関わり方になると、子育ては人任せで良いってなっちゃう。
私は子育てするのが面倒くさいから、保育園に預けちゃうとか、そういう考え方。

関わり方には、こんな5つの種類があるということなんですね。

今、ここにみんないて、一緒に聞いているから、みんな内在したように見えるけど、でも、外在している人もいるかもしれません。
身体はあっても心は全然別のことを考えている。
「今日のお昼はどうしようかな」とか「終わったらどこ行こっかな」とか考えてる人は、全然私の話に入ってきていませんから、外在になっちゃう。

そういうふうに関わりの中にもまた色々な種類があるということが、大きな原則ですね。

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