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愛着関係と自己肯定感の育てかた その4

次は、親や保育者の考え、都合や予定は、時前に子どもに伝えること。
 
何かしなければならないことってありますね。
家にいるときもそうだし、保育園にいる時もそうだと思います。大人には計画があって時間の配分をしながら生活してますよね。
 
例えば、突然お母さんが、「はい、これからお買いものだから一緒に行きましよう。もう遊びはおしまい」って宣言しませんか。これ、子どもが遊んでいることを尊重してないって証拠ですよね。
子どもにだって子どもの世界があるんだから「やだ」「まだ行かない」って言ってくる。一人で置いておく訳にはいかないから、「一人でいたらダメなの、一緒に行くの」と言って強制的に連れて行かれると子どもは大変傷つきますよ。
 
なので「あと10分位したらお買い物に行こうね。そしたら一緒に行こうね。それまではで遊べるよ」って言っておくと良いですよね。
で、3分前位になったら、「まだもう少しだけ遊べるよ」って声をかけて。子どもからすると遊びたいっていう気持ちを尊重してもらえてますよね。
 
突然行くって言うから、子どもも嫌がってこれを拒否するんです。
実は、子どもが拒否する、自分の意見をちゃんと言うって、それも大事なんですよ。黙って言われたとおりに、渋々でも、泣きながらでもついていくんじゃダメですよ。
 
 
自己肯定感を低める行為
それは過保護、叱る、指示命令することです。
 
まず、過保護ですね。
子どもが要求もしていないのに、どんどん助けちゃう。
朝起きて、子どもがパジャマ着てるでしょ。
で、ぼーっとしていると、お母さんが次々洋服を出して来て着替えさせちゃう。
過保護ですよ、それは。
「ちょっとここ袖が通らないんだけど、お母さん助けて」って言ったら助けてあげればいいけれども。自分で着替えるって、保育所だと1歳2歳ぐらいでも自分でちゃんとやりますからね。練習です。ずっと練習しながら、それができるようになっていくんで、家庭でいると幼稚園に行く頃になってもまだおむつが取れない子がいっぱいいますよね。
 
次に、叱る。
 
自分のしたことが叱られるって形で否定されると自信をなくします。
叱られる度に自己肯定感が低まってきますので、毎日叱られていたらどうなりますか。
 
学校教育もね、一番上は100点満点でしょ。100点満点からどんどん減点されるじゃないですか、日本の評価は。
満点てね、ほとんど取れないわけですよ。減点されるから満点だっていう満足感がない。
子どもたちみんなそうじゃないですか。私もそうでしたけど、いくら頑張ったってせいぜい90点くらいでしょ。70点60点30点とかねぇ。そういう評価を付けられちゃうんですよ。
 
私の小学校時代、通信簿の評価は5段階だったんですけど、ひどいですよ。+2 +1 0 -1 -2だったんですよ、評価が。
笑っちゃうでしょ。そんな評価ないでしょう。
だって0って何よ、0って。マイナスって何よ。そんな評価をしたんですよ。
そんなことを学校はやっちゃってたんですよ。だから減点法でいって、子どもたちは満足するような成績が取れないから自分は駄目だって評価になりますよねぇ。
 
だから今、私立の小学校の中では通信簿はつけないっていうのもあります。言葉でいろいろ表現して、こういうところをこうやると、もうちょっと伸びるでしょうとか。
5段階とか10段階とか付けないというのもあります。どういう意味があるかということを考えなきゃいけないじゃないですか。
 
大学時代に私に教えてくださったお茶の水女子大の松村康平教授はですね、「満点から始めよう」って言いました。100点満点。今あなたがいること自体が100点ですよっていう。
 
そういう評価の概念もちょっと変えなくちゃいけない。評価をすることで子どもに何かの意味があるならいいですよ
 
「僕100点満点。今の自分のままでいいんだ、やりたいこといっぱいやろう」っていうそういうプラス思考の子どもたち育てましょうよ。みんなで。本当に。
 
(2020年2月目白講演会より#9)


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