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エッセイらしきものばかり

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何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
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#神様

名前が読みにくいのは年齢や時代のせいではない

名前が読みにくいのは年齢や時代のせいではない

 大きな書店で何かいい本はないかフラフラしていた時のことです。女性がふたり、店内のポスターを眺めていました。どうやら親子のようで、白髪交じりのお母様は娘さんに何やら質問を投げかけていました。

 ポスターに書かれていたのは、どうやらその書店でおこなわれるサイン会の案内のようです。とある作家の著書出版記念で行われるそのサイン会の開催は1ケ月後、参加者は応募者の中から抽選で決まるシステムでございました

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罪と罰と休館日

罪と罰と休館日

 刑罰というものがあるのは知っています。刑法というもので決めてるんだろうなということも何となく分かりますし、その辺の人が思い付きで適当に決めたわけでもないと推測もできます。現在の法律にも不備はあるのかもしれませんが、ちゃんとした人たちが長年にわたって築き上げたものであろうと思っています。だから、拾った10円玉をポケットにしまう罪と他人の家に火をつける罪は、下される刑罰に大きな差があるわけです。罰の

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神様になったらやりたいこと

神様になったらやりたいこと

 神社に行って膨大な絵馬がつるされているのを見ると、神様って大変なんだなと思うんです。政治家がいろんな人から「あれをしてくれ」「これをお願い」と無理難題を言われまくって大変との話を聞きますけれども、神様ともなればその比ではないでしょう。「何しろ神様なんだし」という抜群に高いハードルを抱えておりますから、人の善意や欲望が複雑に絡み合って「世界が平和になりますように」なんてとんでもない願いを気軽にポン

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「神様のお陰」は万能じゃない

「神様のお陰」は万能じゃない

 「神様のお陰」という考え方があると思うんです。何か幸運だと感じられる出来事に遭遇した時、その原因を神様に求めるわけですね。仮に自分が頑張っただけだったとしても、神様のお陰にすることで調子に乗らないよう謙虚さを維持する、そんな役割があるんじゃないかと勝手に考えております。

 万能な考え方なんてまず存在しませんから、常に謙虚であればいいとは限りません。謙遜しすぎて相手を苛立たせてしまう時も残念なが

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神様の腰を砕く

神様の腰を砕く

 詳しい経緯は忘れましたが、子供の頃、近所に住む親子で霊験あらたかな山の神社へ行ったんです。神社では絵馬が売っていまして、その場のノリでひとりひとつ絵馬を買って願い事を書き、奉納をしようという話になりました。

 私なんかは幼少期から欲望の権化でしたから、さっそく欲しいものを絵馬に殴り書きしたんですが、幼馴染の子、ここでは松城君としておきますけれども、松城君は絵馬を持ったまま固まっていました。願い

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まだ神様の出番じゃない

まだ神様の出番じゃない

 知人の話です。仕事を終えて帰宅すると、部屋から娘の声が断続的に聞こえて来る。家には娘しかいないはずなのにおかしいなと思いドアを開けると、娘が直立不動で「〇〇高校合格、〇〇高校合格」と言い続けていたそうです。

 〇〇高校が娘の第一志望なのは知っていましたが、試験3週間前に何をしているのか。まさか受験ノイローゼというやつか。心配になった知人が娘を問いただしました。

 娘の答えはこうでした。塾で先

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