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神様になったらやりたいこと

 神社に行って膨大な絵馬がつるされているのを見ると、神様って大変なんだなと思うんです。政治家がいろんな人から「あれをしてくれ」「これをお願い」と無理難題を言われまくって大変との話を聞きますけれども、神様ともなればその比ではないでしょう。「何しろ神様なんだし」という抜群に高いハードルを抱えておりますから、人の善意や欲望が複雑に絡み合って「世界が平和になりますように」なんてとんでもない願いを気軽にポンポン放り込まれてしまう。「いや、そのほうがいいのは分かってるけど」とため息を漏らす神様のお姿を想像してしまいます。

 とは言え、みんな多かれ少なかれ、絵馬に書いても願いが叶うとは限らないと考えているでしょう。願いがバリバリ叶うならば、もっと絵馬が売れまくるでしょうし、場合によっては恐ろしい値段で転売されるに違いない。不当に価格がつり上げられたり、絵馬の闇ブローカーが暗躍したりするでしょう。そんな世の中が来ていないということは、絵馬が願いを叶える効果はかなり限定的だとみんな思っている。

 だからなのでしょうが、絵馬で大喜利をする方が昔から一定数いらっしゃいますし、変な願い事を書かれた絵馬をまとめたサイトもずっとネットのどこかにあり続けています。試しに軽く検索しただけでも、これだけのサイトが出てきました。

 中には天然と申しますか、マジの願い事もございますけれども、明らかに誰かを笑わせるために書かれた願い事も多いようです。マジの願い事だって神社につるしてあるくらいですから、誰かに見られること前提に書いている節がある。

 そんな絵馬でも上記のような混沌具合です。賽銭箱の前で二礼二拍手一礼の後に脳内から繰り出される願い事となりますと、一体どうなってしまうんでしょうか。きっといい方向にもダメな方向にも変な方向にも桁違いな願い事がゴロゴロ出てくるに違いありません。それを知るのは神様だけです。

 なんて羨ましい。

 自分が神様になった暁には、全国の神社からかき集めた願い事の中から選りすぐりの逸品をここで紹介したいと思います。そんなこと考えるような輩は輪廻転生を何百回したところで神様になれないとは思いますが、その際は皆さまよろしくお願いいたします。

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