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ALSと生きる物語

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幼いころからALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患っている18歳の少女・芹那が、事件現場を見ることなく聞いた話だけで事件を推理・解決していくミステリーほか、ALSを題材にした…
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記事一覧

ALSのための恋愛小説【もしも恋人の身体が動かなくなったら】みんなで味わうおいしい時間の話

はじめにALS(筋萎縮性側索硬化症)という身体が動かなくなってしまう難病があります。この難病の治療研究を支援しているのが「せりか基金」です。

「せりか基金」は、『宇宙兄弟』という大人気マンガから生まれた支援基金です。物語が現実の世界に関わることで、物語と現実が一緒に進んでいく感じがとても好きで、私も2020年から月額3265(みじんこ)円を支援しています。

自分自身も、アートを通じて医療貢献が

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ALSのための恋愛小説【もしも恋人の身体が動かなくなったら】歌声をなくした彼女にピアノを贈る話

はじめにALS(筋萎縮性側索硬化症)という身体が動かなくなってしまう難病があります。この難病の治療研究を支援しているのが「せりか基金」です。

「せりか基金」は、『宇宙兄弟』という大人気マンガから生まれた支援基金です。物語が現実の世界に関わることで、物語と現実が一緒に進んでいく感じがとても好きで、私も2020年から月額3265(みじんこ)円を支援しています。

自分自身も、アートを通じて医療貢献が

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ALSと生きるということ~病気ではなく長所に目を向けるにはどうしたらいいのか

ALSと生きるということ~病気ではなく長所に目を向けるにはどうしたらいいのか

ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を抱えたノンフィクション作家で筑波大学名誉教授の谷川彰英先生の著作を読みました。

病気の告知をされた時、ショックを受ける人が多いような気もするのですが、谷川先生はちょっと違ったようです。

本を読んで学んだことを覚書メモしますね。

地名に関する書籍を多く出されている先生は、看護師さんとの交流の中で本の貸し出しなんかもしてたようです。病院内では患者は絶対的な

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『iPS細胞の歩みと挑戦』なんにでもなれる細胞を通じて先端医療と生命倫理について考える

『iPS細胞の歩みと挑戦』なんにでもなれる細胞を通じて先端医療と生命倫理について考える

2012年に山中伸弥先生の「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」研究がノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

「なんにでもなれる細胞」というのが、「細胞」をモチーフとした現代アートをつくってきた自分としては、とても心躍るもので、これまでに研究に少額の支援もさせていただきました。

研究への支援は「iPS細胞研究基金」から行えるので、先端医療が気になる方はぜひのぞいてみてください。

なんにでもなれる

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ALS(筋萎縮性側索硬化症)から考える人生のシナリオを描くということ

ALS(筋萎縮性側索硬化症)から考える人生のシナリオを描くということ

2020年1月から、ALSという難病の治療研究を支援する基金「せりか基金」に月額支援しています。

元獣医で医療をテーマにした現代アートをつくっている身として、具体的な医療貢献を作品を通じてしたいなぁと思っていましたが、何をしていいかわからず。医療系の支援を毎月つづける、とかだったら小さく始められそうなので、まずはやってみようと思ったのがきっかけです。

毎月3265(みじんこ)円を支援しながら、

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病気を通じて仕事をつくり関わる人を増やすことを考える~ALSを患う少女探偵ができるまで

病気を通じて仕事をつくり関わる人を増やすことを考える~ALSを患う少女探偵ができるまで

有名人が氷水をかぶるアイスバケツチャレンジっていうのが流行ったことがありましたね。なんかの支援なんだなーって思ってたんですが、それがALSという難病の認知を広げるためのものだったというのは、割と最近知りました。

ALSっていうのは日本語だと筋萎縮性側索硬化症。身体が徐々に動かなくなっていく難病です。

有名だったので名前は知っていたけど、くわしくは知らないことってよくありますよね。

私は獣医か

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ALS探偵・竹ノ内芹那「最初の事件」

ALS探偵・竹ノ内芹那「最初の事件」

 殺されたのは竹ノ内家に住み込みで働いている家政婦の菅谷瑤子。第一発見者の藤田は警察の取り調べを受けていた。
「だから、僕はぜんぜん、違うんです…。ほんとに違うのに…」
 気弱そうな青年はゆるくパーマのかかった黒髪を両手でかきむしる。わずかに垂れた目を涙でいっぱいにして容疑を否認しているが、凶器だけでなく盗まれた宝石が入っていた引き出しからも藤田の指紋が見つかっている。証拠は揃っているのに青年は違

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