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2024年4月の記事一覧
season7-4幕 黒影紳士〜「黒水晶の息吹」〜第三章 君を前に独り
第三章 君を前に独り
「……分かりました。風柳さんが其処迄言うのなら」
黒影は少し不服そうにだが、その時は納得した様だ。
不服な理由は風柳にも分かる。
幾ら予知夢で先に知っているとは言え、時を人が操るなんて容易な訳がないのだ。
分かった所で実際に止められなかった殺人事件は何件もある。黒影が見るのはあくまでもヒントに過ぎない。
其れを十分に使い熟せるか否かは、初動捜査の迅速さに掛かってい
season7-4幕 黒影紳士〜「黒水晶の息吹」〜第二章 夢に独り
第二章 夢に独り
「……では、最後に別れて其の儘爆風に巻き込まれて亡くなったと?……良いですか?窓の外を一度ご覧なさい……」
病院で目覚め、暫くすると勲が尋ねて来た。
私が光輝との最後の記憶を辿って話すと、そう言って窓の方へと歩む。
ゆっくりと開かれて行くカーテン……。
随分と久しぶりの様な……懐かしい光が溢れ、勲の姿は逆光でくっきりとした漆黒の影になる。
勲はそのまま窓の外を見て続け
season7-4幕 黒影紳士〜「黒水晶の息吹」〜第一章 雨に独り
本編を始めます前に、
この度、詩人のkogomeyuki様
Xアカウント→@kogomeyuki16
から、第一章&第二章に五行歌を詠んで頂きました。
イラストは僕で、五行歌はkogomeyuki様の久々のコラボをお楽しみ下さい💐✨
この五行歌は黒影へのエールだそうですので、
勲さん視点では無く、黒影視点でお楽しみ下さい。
kogomeyuki様へ Special thanks
以前は詩を
season7-3 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第六章 生命の翼
第六章 生命の翼
「風柳さん……」
「……ああ、分かってる」
湖にせめて二人の願いを叶えてやろうと辿り着くと、黒影は風柳に声を掛けた。
風柳は黒影に言われた、自害の可能性の話を思い出し、黒影の目を見てゆっくり頷いた。
サダノブが暁春を、風柳がデュランテ医師の腕を握り、警戒はしている。
ただ、黙祷をしたいと言うのでその時は離してやらねばとは思っていた。
これだけ、居るんだ……まぁ、大丈