松尾コウタロウ

26歳、ネット広告代理店で働く会社員です。毎週日曜と木曜の夜に投稿します!頑張ります!

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最近の記事

1億3500万円の女と暮らした3ヶ月

その女は、今日も朝からうどんをこねる。開店の時間に間に合わせなければならないという一心で、こね上げた生地を切っては茹でる。 女の旦那はまだ寝ている。今日も昼過ぎに起き上がり、店から逃げるようにしてフラフラと家を出て行くのだろう。例によって今日も女は仕方なく店番を務める。 お金が無い癖に、女の旦那はやたらと趣味が多い。カメラ、紅茶、洋服、古本、タンゴ。特にも模型だ。 店のお金を持ち出しては、毎週のように模型屋へと出向いていく。己の妹を模型屋で働かせては、その店の社割制度を

    • サウナ、ととのわなくてもいい?

      「これで仕事が捗るねん」と言いながら、その先輩は狂ったようにサウナに通っていた。勤務時間の合間を縫っては、日頃からサウナ休憩なるものをねじ込んでいた。 今からおよそ3年前。学生だった自分が当時働いていた、アルバイト先の先輩社員。僕とサウナの出会いは、彼に連れて行ってもらったことがきっかけだった。 サウナに通いすぎて、もはや銭湯の休憩室で仕事をするようにまでなってしまった先輩。パソコン一つあればできる仕事だったとはいえ、さすがにそれは勤務崩壊してないか。Zoom越しにざる蕎

      • 何も思いつかない時に想うこと

        書くことが思いつかず、サイゼでパソコンを開いてひたすら壁を見つめ続ける日がある。 小エビのサラダを食べても、パルマ風スパゲティを食べても、何も思いつかない。ヤケクソになってエスカルゴのオーブン焼きを頼みそうになる時もある。欲しくもないエスカルゴを食べたところで、状況は何も変わらない。ここで頼んだら負けだ。 ゆっくりと深呼吸をしながら、遠くに目を移す。あ、天井にもなんか色々絵が描いてあるんだ。青空みたいな感じになってて、実際の天井よりも高く感じる。よく見たら、天使もいるな。

        • 芸術って、何やねん

          長かった夏が終わり、今年も芸術の秋がやってきた。物心ついて以降、もう20回以上は「芸術の秋」を過ごしてきたはずなのに、未だに芸術という言葉には正直ピンときた試しがない。 そんな僕は、今週末から再び四国に来ている。普段関東で暮らす僕は、リモートワークという地の利を生かし、毎月の下旬を四国で過ごすようになってきた。こっちで一人住むおばあちゃんの様子を見にきたく、関東と四国を行ったり来たりする生活スタイルになりつつある。 聞けば四国では今、「瀬戸内国際芸術祭」なるものが開催され

        1億3500万円の女と暮らした3ヶ月

          連休明けの使者

          連休明けの夜、いかがお過ごしだろうか。今回は僕が今朝目の当たりにした「神秘」をここに書き記したいと思う。 社会人になって、心から祝日をありがたいと感じるようになったのは僕だけではないはずだ。特にも土日と連結するタイプの祝日のありがたみは半端なものではない。3連休前の退勤時の脳波をいつでも再現できるマシンがあるとしたら、15万までは出す。こめかみに電極みたいなのを刺して、スイッチを入れればいつでも週末感を味わえるマシン。想像してみたものの、中々に終末感のある状況だ(ウマイッ!

          連休明けの使者

          古着を探して三千里

          皆さんは洋服選びに際して、どのような判断軸を持っているだろうか。デザイン、着心地、TPOなど、さまざまな判断軸があるだろう。 僕はというと、この間もとある古着屋でこんなズボンを買ってしまった。 このデニム、もちろん基本的に「かっこいい」と思っている。自腹を切って購入している以上、これは当たり前である。 しかし、落ち着いて客観的に見てみると「なんて洋服なんだ」と思う自分も確かに存在する。何とも不思議な状態だ。変だなと思いながら、かっこいいなと思っている。 改めて自分のク

          古着を探して三千里

          それでもボクはサボってない

          水曜日、15時37分。仕事を早退した僕は、海の上にいる。上司や後輩が働いている中、船に乗って島に向かっている。 人はこれを「サボり」と呼ぶかもしれない。 しかし待って欲しい。果たして本当に僕は会社をサボっているのか。 結論を下す前に、まずは言い分を聞いて欲しい。 遡ること5日前。 僕は再び、四国のおばあちゃんの家に来た。 ちょっとした事情で、当分の間は毎月の後半をこっちで過ごすことになった。図らずも、めちゃくちゃリモートワークの旨みを得ている感じになっている。無欲

          それでもボクはサボってない

          「チャージ」という姿勢 〜リモートラストサムライ編〜

          この試練を乗り越えた先に一体何があるのか。 僕が働いている会社は、僕が入社した丁度その年から、フル在宅ワーク形式へと移行した。この場ではあまり大きい声で言えないが、中国発祥のとあるウイルスによる影響だ。 大学最後の春休みが終わったにも関わらず、僕の平日は基本的にこの部屋で完結する。社会へと羽ばたいている感覚はまるでない。 9時2分前にベッドを出て、災いの箱(パソコンのカッコいい言い換え)の前に座る。そこからおよそ10時間が過ぎたあたりで退勤処理を行い、地域のパトロール(

          「チャージ」という姿勢 〜リモートラストサムライ編〜

          「チャージ」という姿勢 〜青春の無限列車編〜

          「青春18きっぷ」をご存知だろうか。 みどりの窓口で、一万円くらいで買える切符。これを使えば最大で五日間、JRの在来線に好きなだけ乗ることができる。ちなみに18歳じゃなくても買える。 学生時代、サークルを引退すると時間的にも経済的にもいくらか余裕が生まれるようになった。年末になり、久しぶりに四国にいるおばあちゃんの家に行こうと思った。なるべく安上がりで行くことができないかとリサーチした結果、この切符の存在を知った。 310円の電車賃ですら払えなかった自分にとって、これは

          「チャージ」という姿勢 〜青春の無限列車編〜

          「チャージ」という姿勢 〜極貧学生編〜

          学生時代はお金がなく、電車賃すらろくに払えなかった。飲み会に行くために、目的地の駅までアホほど歩いた。貧困を時間と健康でカバーすることが当時の日常だった。 一方で、大学時代の全てを捧げたサークルはお金のかかるものだった。加えてスケジュールは漆黒の週7活動(これついてはまた別の機会に説明したい)。日々の支出は、たまのオフにねじ込む派遣バイトの稼ぎでまかなっていた。 工事現場で、一輪台車を使って10トン分の土をちまちま運ぶバイト。優しいおじさんが、若い男にアゴで使われまくる引

          「チャージ」という姿勢 〜極貧学生編〜

          コレクションのすゝめ

          皆さんはモノを集めた経験はあるだろうか。 僕にはコレクター精神がある。どんぐりやシール集めから始まり、仮面ライダーの指人形、ポケモンの缶ジュースについてくるメダル、遊戯王カード、等々、基本的なコレクション科目は幼少期から履修してきた。 学生時代の飲食バイトでも、女将さんに内緒で瓶ジュースの王冠を数キロ近くひたすらに溜め込んだ実績もある。手軽で集め甲斐がありそうなものに出会ってしまったが最後、自分でも歯止めが効かなくなってしまうのだ。 そんな性分を知ってか知らずか、最近で

          コレクションのすゝめ

          九月一日という名の〆切

          「〆切」は、不思議な力を持っている。 そんなもの元々ないはずなのに、確かな影響力を持っている。 広告代理店で働いていると、様々な〆切に囲まれる場面が多い。A社の〇〇はこの日までに、その間にB社の△△を終わらせて、それが終わったらC社の××に対応する、といった感じで次々と〆切が攻めてくる。 その上、それぞれの〆切に対して更に細かく〆切が設けられていったりした日には、もう、ウワァーーー!と、遠吠えをしたくなる。リアルいぬのおまわりさん状態だ。困ってしまってワンワンワワーンの歌

          九月一日という名の〆切

          持久走と、わたし。

          今日の四時間目の体育は持久走か、やだな。 体育がある日はすぐ着替えられるよう普段着の下に既に体操服を着てきている、わたし。 「持久走、マジでだるいね。絶対一緒に走ろうね」と、わたし。 「いいね、そうしよう」と、友だち。 「四時間目の体育は持久走だ、みんな頑張れよ」朝の会まるで他人事の、先生。 持久走が控えているからか朝からどこか元気のない、クラスのみんな。 一時間目。今日に限ってやけに時間が経つのが早い、算数。 二時間目。命の重さを考えさせられる、道徳。 死の

          持久走と、わたし。

          空想科学読本に魅せられた少年

          早くも3回目の投稿日がやってきた。週2投稿なら若干気合い入れれば行けるっしょと思って始めたが、普通にきつい。どれくらいきついかと言うと、何故か会社を早退して今この文章を書いているくらいにはきつい。自分でも訳が分からないが、とりあえず事実としてはそういった状態になっている。 この木日投稿生活の中では、どうやら月〜水の使い方がポイントらしい。この期間にいけそうなお題をいかにストックしていけるかが鍵になる。しかしここで厄介になるのが、自分が時間に対して均一な評価をしていないという

          空想科学読本に魅せられた少年

          ブルーノートおばあちゃん

          こないだのお盆休みで、四国に一人住むおばあちゃんの家に行った。新幹線と電車を乗り継いで半日弱。会社の都合で少し早めの夏休みだったこともあり、混雑はなかった。最寄りの駅に到着し、ここ10年でシャッター天国と化したアーケード街を長々歩くと、外れに寂れたパチンコ屋。その路地裏に、おばあちゃんの家がある。 僕のおばあちゃんは、ありえないほどよく話す。長旅を終えた僕がリビングで一息着いてから、ご飯を食べて、眠りにつくまで、ガチで絶え間のないトークを繰り広げてくる。 普段一人で生活し

          ブルーノートおばあちゃん

          部屋で奇声をあげる代わりに

          皆さんこんにちは!初めまして(改めまして)、26歳、ネット広告代理店で働く会社員2年目の松尾コウタロウと申します。今日から、週2日ペースでブログを書いていこうと思います。 なぜ急にそんなことを始めるのかと言いますと、今月会社で僕以外の同期が全員いなくなることが確定したからです。同期どころか、一個上も二個上も三個上もこれで全員いなくなります。上司から見たら「え逆になんでコイツ辞めないん?」みたいな感じになってると思います。 そんな泥舟の中で僕は「そうだ、ブログ書こう」と、そ

          部屋で奇声をあげる代わりに