空想科学読本に魅せられた少年
早くも3回目の投稿日がやってきた。週2投稿なら若干気合い入れれば行けるっしょと思って始めたが、普通にきつい。どれくらいきついかと言うと、何故か会社を早退して今この文章を書いているくらいにはきつい。自分でも訳が分からないが、とりあえず事実としてはそういった状態になっている。
この木日投稿生活の中では、どうやら月〜水の使い方がポイントらしい。この期間にいけそうなお題をいかにストックしていけるかが鍵になる。しかしここで厄介になるのが、自分が時間に対して均一な評価をしていないという点だ。日曜から見て、次の木曜日を遥か遠い未来として認識している。この先これは極めて深刻な問題となるだろう。
それはさておき、今回は自分が影響を受けたものについて書いてみようと思う。
早速だが、中学生の頃の自分に多大な影響を与えたモノの一つとして「空想科学読本」という書籍が挙げられる。当時の僕は「机の手前の端部分におでこを置いて、机の下で膝の間に本を広げて読む」というただでさえ破滅的な読書スタイルを取っていたのだが、この本にハマりすぎたお陰でめちゃくちゃ首と腰が痛くなった。
空想科学読本の魅力を一言で表すならば、「丁寧な暴論」だ。
この本の基本的なシステムとしては、まず冒頭で、我々が親しみある空想に対して疑問提起を行う。「どうぶつの森ではジンベエザメを一本釣りするが、本当にそんなことができるのか?」といったように。
そして次に、その世界では当たり前に受け入れられている事象に対して、丁寧にツッコんでいく。「そのジンベエザメって10mくらいあるよね?キミそれ釣って『ギョエーーー』って驚いた後、ニコニコしながらそのサメポッケに入れてるよね?」というように。これまでお互いなあなあで済ませてきた部分を次々と浮き彫りにしていく。
そうやって少しずつ巧妙に作品の余白へとつけ込んでいき、最終的には「このプレイヤーには96トンの物を持ち上げる力がある」だとか「ポケットが四次元空間になっていて、そこにジンベエザメが不自由なく泳げるだけの海水ごと収納している」といった、ムチャクチャな結論が導かれていく。どんなにおかしいと思っても、この結論は科学に守られているのでどうしようもない。
アンパンマンの顔を投げるバタ子さんの肩力や精球力がいかに怪物じみているか、サザエさんのエンディングで最後に一行が突っ込んでいって伸び縮みする家の造りはどうなっているのか、子どもがケンカで言う「いつ? 何時何分何秒? 地球が何回まわったとき?」に正確に答える方法とは、ウサギがちょっと眠ったくらいで本当にカメごときに負けるのか、感謝の正拳突きとは具体的にどのようなタイムスケジュールで実施されていたのか、等々、あらゆる作品に対して、淡々と「丁寧な暴論」をぶつけて回っていく。
向こうの作者からしたら、自分の作品が空き巣に入られたような気持ちになるのだろうか。とにかく、空想科学読本にはそういう完全犯罪的なカッコ良さがあった。そしてこうした姿勢は、少なからず今の自分にも影響を与えている。
思えばこの一週間を振り返ると、やっぱり月曜〜水曜までの時間の流れが極端に早かったように思える。実はこのことは、一般相対性理論によって説明することができる。天体位置の影響で一時的にこの部屋の重力ポテンシャルが極めて高い状態となり、今週の月曜〜水曜にかけて時空の歪みが発生。結果として、外界に対して時間の流れが相対的に早くなっていたのである。(完全犯罪カッケェ…)
…そんなこんなで、気づけば本来の退勤時間はとっくに過ぎている。今の会社の状況で今日みたく午後休を取得すると「松尾くんもとうとう転職準備してるらしいよ…?」みたいな感じに思われる可能性が存在する。しかし安心して欲しい。どういう訳か全くもってそんなことは無く、コイツはただ、光速に限りなく近いスピードで、noteを書いている。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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