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答えの出ないことに思い悩んでしまう自分が、島に来て気がついたこと。

横浜生まれ横浜育ちのシティーガールがなぜ海士町に?
彼女が島の仕事に向ける眼差しとは?


島根県の離島、隠岐島前地域で活動したみなさんが、お互いにインタビューして執筆する「島でnote書いてみた。」
今回執筆してくれたのは、2023年5−7月の島体験生。
近い関係性だからこそ語れる、率直な思いをお届けします。

2023年5−7月の島体験生として、海士町役場交流促進課で日々奮闘する餅田ゆかりさん(もっち)のインタビューをお届けします。



動きたい自分、動き出せない自分

前職を退職してから、なかなか動き出せず自分のやりたいことも分からない。転職活動を頑張らないと!という気持ちばかりが先行して、自分で自分を追い詰めていたように思います。

そんな時、友達のInstagramを通じて海士町のこと、そして大人の島留学のことを知りました。スマホの画面に写る、海士町の色鮮やかで雄大な景色はとても眩しく、それまで自分自身が縛り付けていた心が少し動いたような気がしました。

そして何より、「今の自分を変えるきっかけになるかもしれない」という期待感が「大人の島体験」の説明会への参加を後押ししたのだと思います。


余計な肩の力を抜くこと

それまで安全地帯で燻っていた自分にとっては、説明会に参加することからそれなりに気合いと勢いが必要でした。でも、とりあえず動き出したかった。このままではやばい、という気持ちがとにかく強かったんです。

久しぶりにジャケットを羽織り、いざ説明会に参加してみると、いい意味で拍子抜けした部分が多くありました。自分の聞きたいことが全て聞けているという感覚はなく、正直島や仕事の詳しい内容は全然分からなかったんです。(笑)

でもとにかく若者がイキイキと話す姿やラフな振る舞いを目にして、それまで強張っていた肩の力が抜けたように感じました。
そんなに気を張らなくてもいいのかもしれない、案外適当でいいのかもしれないって。
それと、仕事を自分で選べるということも自分にとっては大きかったように思います。就職活動にせよ転職活動にせよ、自分はどうしたって「選ばれる側」。そんな状況に疲弊していたこともあり、選択するチャンスがもらえることはとても魅力的でした。

アフタヌーンティー餅田(@東京)


思い描いていた仕事と現実の間で見えたもの

そして、HPの事業所紹介を見ていく中で興味をもったのが「海士町役場交流促進課」です。ふるさと納税事業など規模感の大きな仕事をやってみたかったのもあり、来島前から第一希望として伝えさせていただいていました。
来島後に事業所面談を重ね、実際に交流促進課への所属が決まった時は嬉しかったです。

業務内容としては、主にふるさと納税の返礼品として民宿への滞在を可能にするために動いています。
ただ民宿に説明すればいいわけではなく、話を聞いてもらうためには関係性が必要で、そのためには民宿の掃除やリネンクリーニングの手伝いにも足を運びます。
規模感の大きな仕事に従事したかった自分にとって、掃除等の清掃業務とやりたかった仕事との間には大きなギャップがあり、そこに苦しんだ時期もありました。
それでも自分が実際に仕事として関わったからこそ、人の手によって支えられている仕事が確かに存在していること、そしてそのほとんどの現場が人材不足に苦しんでいることを実感を伴って理解することができました。

島の宿泊業を支えることは、同時に島の持続的な発展を支えることでもあります。島のこれからを考える上で欠くことのできない仕事を支える仕組みを作り出すにはどうすれば良いのか、考えながらお風呂を磨いたり食事の準備を手伝ったりしています。

そして、島の宿泊業務に関わる方々との関係づくりは、もちろん1日や2日でできることではありません。
たくさん顔を合わせ、言葉を交わし、作業を共にすること。
この島に来て、今の仕事に就いて、目の前のひとと向き合い、関係性を築くことの面白さや大切さをより深く学んでいる気がします。

ボランティアスタッフ餅田


変わり始めた自分とこれからのこと

今後の予定としては、とりあえず12月まで海士町暮らしの延長が決まっています。様々なイベントに向けて業務増加の兆しが見え始めていますが、今は忙しいことが何より嬉しいと感じています。
先のことは自分を含め誰にも分からないのだから、今はとにかく目の前のことを全力でやってみたい。
答えの出ないことに思い悩むタイプだった自分が変わり始めている気がします。

髪バッサリカット餅田




おわりに

もっちへ
3ヶ月間ありがとう!楽しかったね
もっちからガンガン届くやや重めの愛情のおかげで、さくらは3ヶ月間ご機嫌に過ごすことができました。
ブレない部分がありながらも、いつも周りのことを気にして、自分の言動を気にして、落ち込んで反省して。もっちと話す中で自分自身たくさん発見があったよ。
海士町でもっちに会えて、一緒に生活することができて、よかった!
来月からも島を楽しんで!みんなと仲良くね〜

作成:島体験 同期S


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