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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2023年1月の記事一覧

暮らしのリズム。

 手回しのコーヒーミルを買ったら、電気で豆を挽いて淹れるコーヒーマシーン愛用時代よりもコ…

間もなく出口。なのか?

 夜遊び仲間。誰かと一緒って楽しい。 「じゃあ、また今夜。陽が沈んだあとで」  長い自粛…

優先順位。

 これまで生きてきて、あなたの人生はおおむね「よかった」と言えますか? それとも、よかっ…

太陽に傘がかかる日は。

 一昨日、月に雨が降った。月に傘がかかって(さして?)いたから。傘のかかった(さした?)…

吾輩は野良である。

 吾輩は犬である。名前はいっぱいあってな。行く先々で違った名前で呼ばれている。  昭和も…

爺さまの腕の中で。

「背がまた縮んどったんじゃ」爺さまが言う。風を通すための小さな開口部から忍び込んでくる風…

人は皆、現代劇の出演者。

 戦国時代が繰り返しドラマ化されるのは、あれだけ絢爛豪華、荒唐無稽、紆余曲折の末に天下泰平という史上最大の冒険活劇を、起承転結きっちり耳をそろえて残していったからなんだろうな。物語として、よくできた歴史であった。  現代はというと、道未だ半ばなれど、現状報告させてもらえるならば、政治も経済も環境も、デタラメ、ドタバタ、チグハグ、ガタガタで、でこぼこ悪路のイバラの道を、労多くして燃料を無駄に使ってる感が否めない。浪費は過剰で、不足分は増税で、民は桃色吐息で精神悶絶、生かさず殺さ

大人になっちまった悲しみは。

 腹が黒くなる分、心が無垢になる。大人になるって、そういうこと。ボロは着てても心は錦。こ…

空を見る。

 運に、希望に、光に、未来。  闇の塊であることもある。  でも総じてそれらは長調の旋律で…

トルツメ。

「ばれなきゃいいじゃん」発想が横行している。電動アシスト自転車の法定速度を超えたパワフル…

音、去る。

 音が減った。子供の姿が減った以上に、乗算しながら、広げた風呂敷まとめ、夜中にこっそり逃…

煩わされは存在の素。

 煩わされたくないことってある。食事を盛り上げる陶酔の会話の最中にかかってくる仕事の電話…

笑止恒例化。

 豊かさが浸透すると、出生率が下がってくる。かつて欧州の先進国がそうだったし、日本も経験…

たったそれだけのことなのに。

 そういえば。  調理も食後の後片づけも、数字を並べるみたいにして、段取っていく癖がついていた。いつからそうしてきたかは忘れたけれど、転換機があったことは間違いないだろう。だってそれまでは調理も整理も雑然としていたものだから。どこかの時点で、列車が切り替えのポイントを通過するみたいにして、数字を並べるように段取りはじめたんだ。  数字を並べる、なんて表現すると、さも数学的な才能を鼻にかけたヤなヤツを連想されてしまいそうだけど、さもありなん。ルートだのコサイン、タンジェントだの