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人は皆、現代劇の出演者。

 戦国時代が繰り返しドラマ化されるのは、あれだけ絢爛豪華、荒唐無稽、紆余曲折の末に天下泰平という史上最大の冒険活劇を、起承転結きっちり耳をそろえて残していったからなんだろうな。物語として、よくできた歴史であった。
 現代はというと、道未だ半ばなれど、現状報告させてもらえるならば、政治も経済も環境も、デタラメ、ドタバタ、チグハグ、ガタガタで、でこぼこ悪路のイバラの道を、労多くして燃料を無駄に使ってる感が否めない。浪費は過剰で、不足分は増税で、民は桃色吐息で精神悶絶、生かさず殺さずの苦行の道行き強いられて。起死回生策の起爆剤も使い方を知ってか知らずか、活性化が欲しいのに使用用途を間違って、街をドカンとやっちゃって。これじゃ笑えぬ喜劇の恥の上塗り。
 
 ま、現代は歴史が作られているさなか。渦中にあっては全体像が見渡せないのも道理。区切りがつくのをじっと我慢の体で待ち、物語化されるのを待ちましょうか。クランクアップ後、巧みな編集、いい歴史作品に仕上がることだって充分ありうるだろうし。
 え? それじゃ、間に合わないですって? 
 そりゃそうでしょう。我らは現代社会の出演者。後世に引き継ぐ時代の1コマの、欠かせぬ道すがらの脇役出演者、カット割の埋め草エキストラ。泣いても笑っても、一巡しなければ物語は紡げない。さしづめ我々は起承転結の「転」の字あたりの激流地点。まだまだ波瀾万丈はつづきそう。
 物語の醍醐味は、内容のダイナミズムにあるものでしょう? 激流地点は、その見せ場、視聴者、読者の惹きつけ場。傍観者ならハラハラ、ドキドキ一気見、一気読みで盛り上がるシーンなれど、当事者となるとそう簡単には監督さんが許しちゃくれない、何度もダメ出し食らってやり直し。いい絵が撮れるまで、誠心誠意、臨まなきゃ。その甲斐あってと言われるくらいに演じなきゃ、真のダイナミズムは生まれない。

 まだまだ頑張らなきゃ。肝に銘じて、今日も気張って1日を刻んでまいりましょうか。

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