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絶滅昆虫データファイル (祥伝社黄金文庫)


絶滅昆虫データファイル (祥伝社黄金文庫)

 題名のとおり、絶滅した昆虫たちを紹介した本です。

 昆虫は、全体の種が膨大なだけに、絶滅種も膨大にいます。人類が現われる前に、すでに、何十万(何百万?何千万?)という種が、絶滅しています。
 この本で取り上げられているのは、絶滅昆虫のごく一部です。物理的に、一冊の本には収めきれませんから、当然ですね。

 この本では、第1章と第6章で、昆虫の進化や絶滅について、大ざっぱに説明しています。このような解説があったほうが、わかりやすくて、良いですね(^^)

 第2章~第5章で、一種ごとに、絶滅昆虫を紹介しています。ここで紹介されるのは、すべて、人類が現われてから絶滅が確認されたか、絶滅が危惧されるほど減った種です。
 もっと強烈な言い方をすれば、人類が絶滅させた/させる可能性が高い種ばかりです。全部で28種です。

 紹介されているのは、チョウの仲間―鱗翅目【りんしもく】―が多いです。
 これは、チョウの仲間が特に絶滅しやすいから、ではないでしょう。チョウは、昆虫のうちでも、比較的多くの人に好まれるためだと思います。「絶滅を惜しんでもらいやすい」ということでしょう。

 絶滅種を紹介した本は、数多いです。が、昆虫だけを取り上げた本は、珍しいです。たいていは、哺乳類と鳥類だけか、よくて爬虫類、両生類、魚類までです。
 本書は、貴重な例外です(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

第1章 進化と絶滅の不思議
 なぜ絶滅するのか
 翅【はね】のない昆虫は古い
 ゴキブリは人類の友!?
 アミバネムシが絶滅した理由
 巨大トンボの隆盛
 昆虫化石が示すもの
 化石で分かる蝶の起源
 昆虫はどんな色をしていたか

第2章 日本の絶滅昆虫
 ベニモンカラスシジミ
 カドタメクラチビゴミムシ / コゾノメクラチビゴミムシ
 オガサワラシジミ
 オガサワラゴマダラカミキリ
 カバシタムクゲエダシャク

第3章 オセアニアの絶滅昆虫
 ルリイロツバメアゲハ
 アレキサンドラトリバネアゲハ
 ミークタイマイ
 ミカドフタオ と アサギタイマイ
 チャタムアカタテハ
 マルチーズテングチョウ
 カウアイミドリスズメ

第4章 アフリカ大陸とその周辺の絶滅昆虫
 デロネウラ・イマキュラータ
 レピドクリソプス・ヒポポリア
 モーリシャスオナガアカタテハ
 モーリシャスコノハチョウ
 モーリシャステングチョウ
 セイシェルヒョウモン
 セイシェルホウジャク

第5章 アメリカ大陸とヨーロッパの絶滅昆虫
 クセルケスカバイロシジミ
 ウスグロヒョウモンダマシ
 ドミニカブッシュセセリ
 アンチグアキオビジャコウ
 コウテイモンキチョウ
 オオベニシジミ
 アリオンゴマシジミ

第6章 昆虫の絶滅こぼれ話
 生物としての目的
 古生代の末には多くの昆虫が登場
 昆虫絶滅の衝撃波とは?
 なぜ孤島に絶滅種が多いのか
 生き物の分布と絶滅
 種の中でのせめぎ合い
 絶滅宣言には意義がある
 早めに絶滅を防ぐ
 環境保全のあり方



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