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静岡県ふしぎ街道を行く


静岡県ふしぎ街道を行く

 静岡県内の不思議な現象を、現地に探訪してみた、という本です。
 妖怪や七不思議など、日本の不思議なことに興味がある方なら、面白いでしょう(^^)
 民話や伝説などの民間伝承に興味がある方にも、お勧めです。

 静岡県内のみのローカルな話題提供です。静岡県人でも、一つや二つ、「これは、知らなかった」というものがあるはずです。
 地元を見直すという意味で、良い本だと思います(^^)
 中には、夜泣き石や、羽衣の松のように、全国レベルで知られた怪異も、紹介されています。

 有名でなくとも、興味深い現象も、多いです。
 「短蛇【たんじゃ】の壺」や「無間【むげん】の鐘」などは、恐ろしく、かつ、深い意味がある伝説だと思います。無名なのが、もったいないです。

 語り口が軽い感じなので、気楽に読めます。現地のカラー写真があるのも、ありがたいですね。
 不思議な情報は、数多くありますが、「実際に行ってみたら、こうだった」という現地レポートは、意外に少ないです。その点で、貴重な報告です(^^)

 旧・水窪町【みさくぼちょう】の池の平などは、山奥過ぎて、行くのが大変な所です。時間と体力と運に恵まれた人しか、行けません。
 このような所まで、現地踏査していただけたのは、嬉しいですね。

 学術レポートではありません。普通の人が、普通に行ってみた報告です。
 堅苦しくない代わり、「ノリが軽過ぎて嫌だ」という方も、いるかも知れませんね。私は、これはこれで、ありだと思いました。普通の人ならではの、率直な感想が、面白いと感じます。

 本書は、西暦二〇〇〇年に出版されています。二〇一三年現在では、十年以上前ですね。このために、情報が古い部分もあります。
 平成の大合併で、地名が変わっている地域が多いです。その点にお気をつけ下さい。
 情報の鮮度に気をつければ、二十世紀末にも残された謎の探訪記として、楽しく読めます(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

和尚没して石になる600年の怪<相良町【さがらちょう】・子生まれ石>
7年に1度出没する幻の池<水窪町【みさくぼちょう】・池の平>
60年ごと幽谷に咲く幻の大輪<春野町【はるのちょう】・京丸ぼたん>
霊能者もたじろぐ開かずの壺<新居町【あらいちょう】・短蛇【たんじゃ】の壺>
無念の母性愛が乗り移った石<掛川市・夜泣き石>
地獄と引き換え現世の強欲<掛川市・無間【むげん】の鐘>
献上の赤飯を竜が食う<浜岡町・桜ヶ池>
撮ればたたる?応挙の怪作<島田市・幽霊掛け軸>
地震で駿馬【しゅんめ】が飛び出した<焼津市・奉納絵馬>
ボトルで激売れ奇跡の神水<静岡市・硯水泉【けんずいせん】>
初代は海中?天女のハンガー<清水市・羽衣の松>
重さに込めた地蔵の教え<清水市・黒地蔵>
つぶて投げれば石碑が答える<富士市・かんかん堂>
水との苦闘語る巨大蛇伝説<富士市・大蛇のウロコ>
樹上に270年、白隠【はくいん】の忘れ形見<沼津市・すり鉢【ばち】松>
海岸にあって真水の不思議<沼津市・大瀬の神池>
”おさすり”に願う極楽往生<天城湯ヶ島町【あまぎゆがしまちょう】・便所の神>
今なお聞こえるせせらぎの音<河津町【かわづちょう】・河童のかめ>
宇宙人の遺作か未解読3千字<伊東市・天狗の詫状【わびじょう】>
会いたい亡者に出会える聖地<熱海市・日金山【ひがねさん】>

あとがき



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