考えることは、忘れること。
文化人類学者、奥野克己さんの著書『人間を越えた人類学・絡まり合う生命』(亜紀書房)を読んだ。
正直、勉強不足のわたしには難解な本だったが、第4章の「ライフ」に書かれていたエピソードが妙に心に残った。
事故で意識を失ったフネスさん。回復したフネスさんは、あらゆる森の、あらゆる木の、あらゆる葉を記憶しているばかりか、それを知覚したか想像した場合のひとつひとつを記憶していた。そして、英語、フランス語、ポルトガル語など多数の言語を苦なくマスターすることもできた。つまり、フネスさん