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最北端の村・猿払村まで行くことで、自分を見つめ直せた。お手伝いという目的がある旅の魅力。【おてつびとインタビュー vol.13】

おてつびと_vol.13_川村彩乃

皆さんは、日本の最北端の村をご存知ですか?実は、最北端の‟市”は稚内市わっかないしですが、最北端の‟村”は猿払村さるふつむらというところなのです!

今回の#おてつびとインタビューは、神奈川からはるばる北海道・猿払村のいちごの定植のおてつたびに参加された川村彩乃かわむら あやのさんにお話を伺いました!

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●基本情報●
地域:北海道・猿払村さるふつむら
期間:2021年3月14日(日)~18日(木)
お手伝い内容:いちごの定植
詳細https://otetsutabi.com/plans/259

◆猿払まで足を運んだことで、どこまでも行けるようになった

――まずは自己紹介をお願いします。
現在、関東の大学で地方創生をテーマに学んでいる大学二年生です。もともと旅行が好きで、‟観光地で地域経済を動かす”ことに興味があり現在の学部に入学しましたが、勉強する中で‟地方創生で関係人口(※)をつくる”ことに興味を持つようになりました。大学は入学した瞬間からオンライン授業。地域について勉強しているものの、「地域コミュニティって何だろう?」という疑問が段々と湧いてきて。そこで、「じゃあ、地域に行ってみよう!」と思い地域で活動するようになり、人とのつながりが現代社会には必要だと実感しています。

※「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。
-総務省関係人口ポータルサイトより(https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/index.html
――猿払は遠くありませんでしたか?

遠かったですね。でも、それよりも早くおてつたびに参加してみたい、という気持ちの方が強かったです。

応募時は場所をそこまで気にしていませんでした。実は私、北海道に行ったことが無かったので、猿払村の場所をよくわかっていなくて…。確かに実際に見てみると遠くて、親には「なんでそこなの?他にもあるんじゃない?」と言われました(笑)。
本来なら稚内まで羽田から直通の飛行機があるのですが、コロナ禍で欠航してしまっていて、それがあって通常より時間がかかりましたね。結局、札幌に前泊して、翌日そこから稚内まで電車で5時間かけて北上しました。

今思えば、5時間の電車の旅は自分にとってすごく大事な良い時間になりました。電波も通らないような場所を抜けていったので、音楽を聞くか、本を読むか、車窓の風景を見るかしかできなくて。でも、その移動中で自分を見つめ直すことができて、丁度忙しくしている中だったのですごく貴重な時間になりました。一人で時間をかけて移動するような旅をしたのは初めてだったのですが、すごく良いですね!
おてつたび参加後に様々な活動に参加できるようになったのも、あの時北海道の猿払まで行けたから。最北の村まで行けたという事実が、今の私を強くしています。

◆寒いけどあたたかい、猿払の魅力

――猿払はどうでしたか?

訪れたのは3月でしたが、まだ雪もあって、風が冷たかったです。

全五日間の日程のうち、初日と最終日が移動日で、作業日は二日間。一日は観光ということで猿払内を色々案内して頂きました。

連れていってもらった展望台では、視界200°くらいに広がる海を見ました。雪と海のコントラストが綺麗でしたね。また、鉄道の記念館にも少し寄って、その後、猿払村役場でレセプションを受けました。そこでは、村長さんと直にお話させて頂けたのがすごく印象的でした。
というのも、今回コーディネーターである新家さんがおてつたびの受け入れを決めてから、実際に募集をかけるまでわずか一週間だったそうなんです。その早さの理由について村長さんに伺うと、「若い人が頑張っている気持ちがわかるし、彼らの意見を取り入れないと変われない。この村は変わっていかなくちゃならない。失敗したら自分の責任だけど、それでも前に進みたいからだよ。」とおっしゃっていたんです。非常にエネルギッシュで素敵な方でした

あとは、ご飯がすごく美味しかったです!猿払村はホタテの水揚げが日本一で有名ですが、宿泊施設の近くのレストランのホタテ料理の種類がとにかく沢山あって!私は特にホタテフライ丼が驚きでしたね。ホタテのカツ丼みたいな感じで、揚げたホタテを卵でとじてあって。ホタテって生で食べたり、焼いて食べたりするのが多いと思うんですけど、カツにするとほろほろとした食感で美味しかったです。是非皆さんも食べてみてください!

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また、食べ物に関しては、猿払の方に本当に良くして頂きました。疲れた時に猿払アイスを買ってきてくださったり、立派なカニを二人で7匹も頂いたり…!本当に有難かったですね。

面白かったのは、猿払の方は「海にあるのが朝日で、陸にあるのが夕日」と判断していたこと。朝日も夕日も同じくらい綺麗にオレンジ色になるので見た目では見分けがつかないから、だそうです。とにかく空が広くて、朝日も夕日も星空もとっても綺麗でした。自然を感じましたね。

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(ちなみにこちらは海にあるので朝日の写真です。)

猿払は空が広くて、空間が広くて、気持ちまで大きくなれたような気がします。ゆったりとした時間の中で、悩みがちっぽけなものに思えたり、沢山考える時間があったことで何だか心に余裕が出来た。猿払で得た空気感は今の私にすごく影響していて、行って良かったなと思います。

◆お互いを想い合うことができたお手伝い

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――お手伝いはどうでしたか?

猿払では初挑戦となる、いちごの定植を行いました。猿払の未来を担うものだと思って、一つ一つ丁寧に植えました。

‟猿払村で新たに始まったのがいちごの栽培です。雇用を作り出し、猿払に新たな可能性を見出すための取り組みです。
土をならし、マルチ(白いシート)をひいて、苗を植えるところまでお手伝いをしました。
一つ一つ、猿払の未来を担うものなので心を込めて植えました(わたし植えるのめっちゃ遅かった)
この苺から新たな猿払が生まれたらいいなぁー、”

-川村彩乃さんのFacebookより

嬉しかったのは、猿払の皆さんが自分の存在を認めて、歓迎してくれていたことです。
定植の作業に時間が掛かって思うように進まなかった時に、少し自虐的になってしまって。「私が男でもっとたくさん動けたり、農業に詳しければお役に立てたのに」とぽつりと呟きました。そうしたら、一緒に作業をしていた役場の方が「そんなわけない!」とわざわざこちらを向いて即座に言ってくださって。
「こうやって、やりたいと思ってくれている人がわざわざ猿払に来てくれたことがすごく嬉しいし、そこに男も女も何も関係ないよ」と言われたんですね。私は「”お手伝いの子”という認識以外に何か思われていることはあるのかな?」と不安に思っていたので、私が地域のために、みんなのためになりたいと思っていることが伝わっていたのが本当に嬉しく感じました

私達のために、どんなことをしたら喜ぶのかを考えてくださっていたことも嬉しかったですし、私もそれに対して皆さんに出来ることがないか考えることが出来ました。その相互関係がすごく良かったなと思います。

改めて、「都心生まれの大学生の私ができることって何だろう」と考えた時に、‟猿払の方の中に混じってちょっと違った新しい視点を届ける”、だったり‟少しでも力になれるように精いっぱいやる”、といったことなのだろうなと感じました。

今回おてつたびで地域の方の中に入り込むことで、家族愛の強さや、地域コミュニティの‟北海道感”を肌で感じることが出来ました。また、稚内まで電車で5時間北上する中で、これまで知らなかった地名を知る事もできて、北海道を身近に感じることができるようになりました。それは普通の旅では経験出来ないことだったなと思います。

最北の村・猿払という場所自体にまず価値があるし、呼ばれないと行けないこの時代だからこそ、猿払にまたおてつたびを呼んで欲しいし、もっと沢山の人に行って欲しいなと思います。

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最北の村と聞くと、何だかすごく遠い場所のように感じてしまいますが、そこにおてつたびという目的をもって行くことで世界を広げられた、という川村さんのお話がすごくステキでした。そして、地域のために、みんなのためにできることを考えて参加された川村さんと、それに対する新家さんの思いにも心打たれました。

猿払村は今後も受入の予定が決まっていますので、皆さまも是非チェックしてみてくださいね!

【取材:田中沙季、渡邊真由 執筆:渡邊真由】

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⭐おてつたび先データ⭐

北海道猿払村

猿払村公式HP
https://www.vill.sarufutsu.hokkaido.jp/

猿払村観光協会HP
https://sarufutsu.jp/

猿払村ふるさと納税特設サイト
https://sarufutsu-furusato.com/


⭐今回のおてつたび先
◆猿払村おてつたび事務局

住所:〒098-6232
北海道猿払村鬼志別西町172番地1
Facebook:https://www.facebook.com/SARUFUTSU
note:https://sarufutsu-vill.note.jp/


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