マガジンのカバー画像

読書note

21
運営しているクリエイター

記事一覧

脚本の科学

脚本の科学

ハリウッド形式の脚本術で散々言われているテクニックが映画で繰り出される際、脳はどうなっているのか?

既存の文系的なアプローチを、理系的に説明して、それらが実際に脳科学的にも有効だと裏付ける本書。

脚本術の本を読み漁っている人からすれば特に目新しいことは書いていないが、「なるほど、映画鑑賞中、脳はこうなっているのか」という発見がある。

また、別に『本を読む時に何が起きているのか』という著作もあ

もっとみる

のめり込ませる技術--誰が物語を操るのか

電脳共感空間共感経済なんて古い、 そう思う方もいるかもしれない。

ソーシャルメディアは共感によって動くのです

2009年、MITで開かれたエンタテインメントの未来と言う会議であるパネリストがそう言った。

共感と言うことには、何か生物学的な根拠があるのではないか。1990一年にイタリアのパルマ大学の研究チームが驚くべき発見をした。猿の脳みそに電極を埋め込んで前運動野の反応地図を作ろうと言う実験

もっとみる

内閣情報調査室 公安警察、公安調査庁との三つ巴の戦い

3つの機関は国内外の対象をめぐり競合している

内閣情報調査室

公安警察

公安調査庁

 内閣情報調査室と公安調査庁はやはり、海外のスパイ活動に関する情報収集で領域が重なっている。

 公安調査庁の調査第二部は第一担当から第4担当まで国別に分かれて情報収集活動が行われている。公安調査官のスパイ活動は、追尾や監視などを行うが、公安警察が行うような強制力を伴う通信傍受はできない。したがって、人から

もっとみる

シンギュラリティ 人工知能から超知能へ

汎用人工知能はどうすれば作れるのか?適切に汎用的な知能を保障するのは、既存の行動レパートリーを新しい課題に適応させる能力であり、かつ試行錯誤や第三者による訓練を経ずにそれを成し遂げ流ことだ。

生物的知能の主な特徴の1つは身体化である

 動物の脳は、その体を快適に維持し、その体が持つ遺伝子を永続させるために進化してきた。体を移動を可能にする筋肉、そして感覚を併せ持つことで、その動作を環境の状態に

もっとみる

COOL 脳はなぜ、「かっこいい」を買ってしまうのか

 面白い研究がわかりやすくまとめられていて、株の話だけでも十分に元が取れる。また暇になったら読み返してもいいと思えた一冊。

人の中に存在する3つの意思決定機関 神経科学、コンピューターサイエンス、そして経済学を組み合わせた神経経済学では、人を3つの意志決定機関(”コントローラー”)の連合体とみなす。ある種の”快楽機械”が3つ、人の中に潜んでいるのだ。

・生存快楽機会--本能的行動。

 例えば

もっとみる

未来をつくる言葉

『 言語が技術であり、それを身に纏うということにすると、それはすなわち人間は既にサイボーグ化しているという主張が「おおおお、おもしろっ」ってなった。

 その辺り以降から一気に引き込まれる内容になっていて、また読み返すこと。

言語的なサイボーグ フィードバックの観点から言語を考えてみる。

日言語の無意識と言語的な意識の連関もまた、相互にフィードバックを連絡し合う、ある種のサイバネティックなル

もっとみる

LIFE 3.0 人工知能時代に人間であるということ

生命の3つの段階Life 1.0--単純な生物学的段階

 生きているうちは自らのハードウェアもソフトウェアも設計し直すことができない。どちらもDNAによって決まっており、何世代にもわたり進化によって変化するのみである。

Life 2.0--文化的段階

 自らのソフトウェアの大部分を設計し直すことができる。人間は例えば言語やスポーツや職業など新しい複雑な技能を習得できるし、自らの世界観や目標を

もっとみる

脳のアクセルとブレーキの取扱説明書

左右対象の顔を美しいと思う理由 認知負荷の問題。左右対象の顔の方が楽に認知できるから。脳は省エネモードになりたがる。

 後は遺伝的欠損の少なさだと思う。

儲けの喜びが損失の痛みよりも小さくなる理由プロスペクト理論。喜びと痛みの非対称性。1の儲けをすることよりも1の損することの方が痛みは大きい。

 これを実際の株式の売買に当てはめてみると、投資家は収益よりも損失に敏感になるので、株価が上昇して

もっとみる

手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略

磯部光毅=著 (株)宣伝会議=出版

ポジショニング論--「違い」が、人を動かすまとめ

ポジショニングとは、顧客のニーズを汲み取りながらお客さんの頭の中で競合と違った位置づけを得ること。

大切なのは、自ブランドにとって有利に働く競争軸(第三の軸)を発見すること。

ライバル商品との対立構造で立案するとクリアな戦略が作りやすい

大きく分けて2つの戦い方がある。

既存の価値軸で競合に勝る「オー

もっとみる

「コミュニティ」づくりの教科書

河原あず 藤田裕司=著 ダイヤモンド社=出版

 コミュニティ運営の考え方の基礎や小技など、初心者にとっては見落としがちで、かつそれを落としたら失敗するであろうことなどが書かれている本。

 イベントの規模に応じた戦略、その参加者数の大雑把な割り出し方、など。また読み返す。

イベント参加者数=トラフィック数✖️申込み率✖️参加率

トラフィックを最大化する工夫

 イベント開催までには3つのフェ

もっとみる

90秒で好かれる技術

ニコラス・ブースマン=著 中西真雄美=訳 Discover=出版

マルドゥーンの教え 相手が自分を気に入ってくれたら1番の長所を見てくれる。

 嫌われたら、1番の短所に目を向けられる。

相手を心から説得させる3つの条件「いいかい、自分が望んでいることを人にやってもらうには、君を助けたいと相手に思わせないとダメなんだ」

1、態度や外見を通して信頼を築き、良い第一印象を与えること

2、反論の

もっとみる

夫婦・カップルのためのアサーション

夫婦・カップル関係におけるジレンマと膠着状態関係性と個別性の葛藤

 多くの場合、感情優位な人と論理優位な人は惹かれ合う。しかし結婚後に日常生活の様々な場面から、2人のこうした違いは「魅力」から「不満の種」に変身する。例えば、妻は夫が自分の気持ちをわかってくれないと不満を言い、夫は妻の話を聞いてもらっても一向に問題は解決しないと不満を言う。

 個人性--自分は自分、パートナーパートナーと言うお互

もっとみる

マインドハッキング あなたの感情を支配し行動を操るソーシャルメディア

クリストファー・ワイリー=著 牧野洋=訳 新潮社出版

 圧倒的に日本が出遅れている、情報、プロパガンダ戦略。遅すぎることはないし、一刻も早く行動した方がいいが、デジタル庁の発足も、今更感が拭えない。

 Tiktokやfacebookなども、情報が収集されていると自覚して利用するのとしないのでは全く意味が違ってくるだろう。

 この本を読むと、なぜアメリカがTiktokをああまでして規制しようと

もっとみる

アサーション 入門 自分も相手も大切にする自己表現法

 正直、現代の問題--p.124だけでも一冊分の価値がある。

平木典子=著 講談社現代新書=出版

日ごろの考え方を確かめてみよう5つの考え方について

まったく合っていない 0

あまり合っていない 1

どちらとも言えない 2

かなり合っている 3

非常に合っている 4

 の点数をそれぞれつける。

A 危険や恐怖に出会うと、心配になり何もできなくなる

B 過ちや失敗をしたら、責めら

もっとみる