セブン

山に目覚めて7年目。出会った感動や体験を、特別な1枚とともに発信していきたいと思います。

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山に目覚めて7年目。出会った感動や体験を、特別な1枚とともに発信していきたいと思います。

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山にもらったこと〜そして、七合目から!〜

山が好きです。 ガッツリ登るようになって10年目、 今でも登山開始から初めの30分くらいは、 ああ、なんで今日もまた、こんなしんどいことやってるんだろう、 と思います。けれどそれを過ぎると、 アドレナリンがどんどん放出されて、筋肉と視覚の働きが変わってくる。 やがて7合目あたりにたどり着くと、 「やっとここまで来た」「もう少し、もうひと頑張りで頂上だ!」 という勇気が湧き上ってきます。 そしてそこからは、植生も山様も風景も、ガラリと新しくなり、登りごたえが俄然ちがってくる

    • 山にもらったこと 「歩かせてもらっている。見えない力にいつも」 〜雲の平篇〜

      「ほら、あれが雲の平。あの小さく見えるのが、雲の平山荘」 4年前の裏銀座縦走の途中、水晶岳の頂上で教えてもらって見た光景に、 私の気持ちは直ちに攫われ。以来、かの地に訪れることに、ずっと焦がれていました。 とはいえ、天上の庭と言われるそこに行くには途中山中1泊、下界に戻るにも途中山中1泊、最低でも3泊4日が必要で、山友たちとも都合がなかなか合わず。「よし、行ってしまおう」と、踏み切れずにいたソロ山行を決意したのは2023年初秋。想いを遂げるまでに随分時間が経っていました。

      • 山にもらったこと 「それぞれの生きる場所」〜高山の動・植物編〜

        もう何年前だろう。 北アルプスのある山小屋で見た古いポスターに、ドキっとしたことがある。コマクサの花の写真に「ここでしか生きられない命です。」というキャッチコピー。可憐な様相なのに、環境の厳しい高山帯の、中でも他の植物が生えることができない砂礫地に咲く花、コマクサ。その孤高な姿から「高山植物の女王」と称されている。 地上に出ている姿は10cmほどだけど、地下では茎や根を1m以上伸ばして、環境に耐えられる力を蓄えているらしい。山の植物に無闇に手をかける人はいないと思うけど、そ

        • 山にもらったこと 「人生には、上書きがある」〜秋川渓谷編〜

          実はトラウマになっていました。沢登り。 2020年の米子沢の一件で。 「初めての沢が米子っていうのはちょっと無謀だったねー」 「クライミングの講習とか何回か受けてからトライしないと」 誰に話しても同じように言われ、身の程知らずだった自分を恥じるばかり。その後の一年、再トライはおろか、山で小さな沢をみるだけでもビクッとするようになってしまい・・まずい、このままでは登山自体ができなくなってしまう!そんな危機感を抱いていたところに「ウチの沢登りに参加したら?楽しくて意識が変わるよ

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        山にもらったこと〜そして、七合目から!〜

        • 山にもらったこと 「歩かせてもらっている。見えない力にいつも」 〜雲の平篇〜

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        • 山にもらったこと 「人生には、上書きがある」〜秋川渓谷編〜

          山にもらったこと 「身の程を知ることは、すごく痛い!」 〜米子沢編〜

          今ならわかります。 「沢登り」は濡れた岩を登ること、つまり通常の登山より高い身体能力と、クライミングの技術が必要だということ。 今ならわかります。 米子沢(こめこざわ)は沢初体験者が登れるような所ではない、ということ。 「大丈夫だよ、米子沢なら俺、その辺歩いてるおばさんでも上げられる」 秘境系のガイドを得意とするその人が言った言葉に、すっかり安易な気持ちになってしまったおばさん1。ガイドのせいじゃない、何の知識もないのに軽い気持ちで乗ってしまった自分が悪い。 今ならわかり

          山にもらったこと 「身の程を知ることは、すごく痛い!」 〜米子沢編〜

          山にもらったこと「完全な片想い。だから、この好きは終わらない!」 〜穂高縦走編〜

          つくづく思う。私は山に向いていない。 高いところが怖い、岩場や鎖場が怖い、運動神経が鈍い。 山では不眠になる(小屋でもテントでも)、トイレが近い、お腹を下しやすい、方向音痴(自信を持って間違った方向へ)。いろいろ致命的すぎる。なのに、こんなに山が好き。好きになるのに理由なんてない、無理があるほど萌えるんだ、相手がヒトであれモノであれ、コトであれ・・! とはいえ高山に岩場はつきもの、なんとか怖さを克服したくて、クライミング講習なんかに参加するものの、毎回お話にならなくて。・・

          山にもらったこと「完全な片想い。だから、この好きは終わらない!」 〜穂高縦走編〜

          山にもらったこと 「生きているから行ける天国がある」 〜五色ヶ原・薬師岳縦走編〜

          「天空の楽園」に向かうか、「最後の秘境」を選ぶか。 いずれも標高2500メートル越えに広がる、想像では超えられない大地、 「五色ヶ原」と「雲の平」。迷ったあげくその夏の私は、山友の“立山から五色・スゴ・薬師を経て折立へ抜けよう”という素敵な誘いに乗って「天空の楽園」を選択。その前月は嵐に見舞われた「薬師岳」のリベンジを含む、3泊4日の旅が始まりました。 1日目は山友と室堂で落ち合い、雄山だけ登って一ノ越山荘に泊まる、ゆるっとスタート。 思えば初めての立山の時も嵐で、三山縦

          山にもらったこと 「生きているから行ける天国がある」 〜五色ヶ原・薬師岳縦走編〜

          山にもらったこと 「山は“系”じゃない“出会い”に溢れてる」〜八ヶ岳・赤岳編〜

          「俺、まだ雲海って見たことないんすよ」会社の後輩男子がそう言って、「じゃあ、見にいく?」と簡単な会話で決まった、2015年秋の八ヶ岳行き。この山行が、私がガッツリ山に嵌るきっかけでした。 一番初めの登山は10年前(2012年)の富士山。日本人だし一度は登っとこうというノリで、その際に最低限の山装備を買ったこともあって、それからは年2回ほど富士山仲間でどこかに登る、くらいの、趣味とも言えないレベルだったのですが・・。 「私、まだテント泊ってした事ないんだよね」と私が呟いて、

          山にもらったこと 「山は“系”じゃない“出会い”に溢れてる」〜八ヶ岳・赤岳編〜

          山にもらったこと 「どんなブルーより、裏銀ブルー」〜裏銀座縦走編〜

          晴れ女の自分を恨みたくなるほど、快晴で暑すぎた初秋。 北アルプス3大急登の一つ“ブナ立尾根”を登り、 裏銀座6つのピークを経て(槍には向かわず)新穂高温泉に降りる、 4日間の旅でした。 1座目は烏帽子岳。今よりもっと岩場が苦手だったこの時は、 この風貌がもう恐ろしくて・・ 「槍に登れたんだから大丈夫!」と自分を鼓舞してなんとか登頂。 のち、1泊目の宿・野口五郎小屋へ。一度泊まってみたかったそこは、なんとも味わい深い風情で、切り盛りするご家族はにこやかで温かく。 噂の揚

          山にもらったこと 「どんなブルーより、裏銀ブルー」〜裏銀座縦走編〜

          山にもらったこと 「きっと、神様たちの運動場」〜平ヶ岳編〜

          「大丈夫だよ、プリンスロードがあるから」 “百名山最難関?”で知られる平ヶ岳に誘ってくれた山友ダンディさんが、 怯む私にそう言いました。 登山口に辿り着くまでも、新幹線とバスと船!を乗り継いで1日がかり。 山中には小屋など一切なく、テントを張ることも許されていないから日帰り必須、往復12時間の山行。日本百名山の著者・深田久弥氏が当時(60年くらい前?)登頂までに3日を費やした、という山なのです。 で、プリンスロード。なんでも登山好きの天皇陛下が、皇太子時代にお忍びで登られた

          山にもらったこと 「きっと、神様たちの運動場」〜平ヶ岳編〜

          山にもらったこと 「頂上より、その前と後に醍醐味がある!」 〜表銀座縦走編〜

          ある山岳ガイドさんに「マイNO. 1 の山ってどこですか?」と聞いたら、「ちょっと意味が違うんだけど・・」と言いながら、こんな話をしてくれました。 「山を始めた人たちがある程度場数踏んでくると、誰もがまず憧れて目標にするのが、槍ヶ岳なんだよね。槍にお客さん連れて行くと、登頂後の小屋での時間が格別なんだよ。みんな達成感ではち切れそうな笑顔で乾杯して・・。槍には嫌っていうほど登ってるけど、あの顔見ると、また案内してもいいな、と思うんだ」 ・・・はち切れたい。私も! 折も折、山友

          山にもらったこと 「頂上より、その前と後に醍醐味がある!」 〜表銀座縦走編〜

          山にもらったこと 「本当の空と火星とおっぱいと」〜安達太良山編〜

          ソロ山行は苦手です。 自分の技量を信じてないし(道迷いしたら?滑落したら!とドギマギ) 元来寂しがり屋なもんで、登頂時の感動や下山後の乾杯を、一人でうまく楽しめないし・・ でもこの時は、急にどうしても山に行きたくなって、安達太良山なら一人で登れるんじゃないか?と始発の新幹線に飛び乗り・・2019年の秋、初のソロ山行でした。 あっと、決して安達太良山を舐めていたのではありません。 地元の人たちから「おっぱい山」とし親しまれ、(確かに、女性の乳房を横から見たような姿)福島県民

          山にもらったこと 「本当の空と火星とおっぱいと」〜安達太良山編〜

          山にもらったこと 「叫ばずにいられなかった頂き」 〜聖岳編〜

          名前に惹かれました。 登ったのは2018年、今からすれば 世界になんの陰りもない、夏でした。 南アルプスの山々は、登山の厳しさの前に、 登山口にたどり着くまでも、一苦労。 聖岳の場合、東京からは夜行バスで静岡県の畑薙ダムへ、続いて地元観光会社の小型バスで林道を1時間近く揺られて、ようやく聖沢登山口に到着。 そこから山頂まで、合計約10時間の山行が始まります。 歩き始めると、やがて気になる看板が現れて・・ 聖岳のちょうど7合目あたりに、宿泊地となる聖平小屋があるのですが、

          山にもらったこと 「叫ばずにいられなかった頂き」 〜聖岳編〜